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〘963㌻〙

第1篇

1 惡あしきものの謀略はかりごとにあゆまず つみびとの途󠄃みちにたたず 嘲󠄂あざけるものの座ざにすわらぬ者ものはさいはひなり 2 かかる人ひとはヱホバの法のりをよろこびて日ひるも夜よるもこれをおもふ 3 かかる人ひとは水流ながれのほとりにうゑし樹きの期ときにいたりて實みをむすび 葉はもまた凋󠄃しぼまざるごとく その作なすところ皆みなさかえん 4 あしき人ひとはしからず 風かぜのふきさる粃糠もみがらのごとし 5 然さればあしきものは審判󠄄さばきにたへず罪人つみびとは義ただしきものの會つどひにたつことを得えざるなり 6 そはヱホバはただしきものの途󠄃みちをしりたまふ されど惡あしきものの途󠄃みちはほろびん

第2篇

1 何いかなればもろもろの國人くにびとはさわぎたち諸民たみらはむなしきことを謀はかるや 2 地ちのもろもろの王わうはたちかまへ群伯をさらはともに議はかり ヱホバとその受膏者じゆかうじやとにさからひていふ 3 われらその械かせをこぼち その繩󠄂なはをすてんと 4 天てんに坐ざするもの笑わらひたまはん 主しゆかれらを嘲󠄂あざけりたまふべし 5 かくて主しゆは忿恚いきどほりをもてものいひ大おほいなる怒いかりをもてかれらを怖おぢまどはしめて宣給のたまふ 6 しかれども我われわが王わうをわがきよきシオンの山やまにたてたりと 7 われ詔命みことのりをのべんヱホバわれに宣のたまへり なんぢはわが子こなり今日けふわれなんぢを生うめり 8 われに求もとめよ さらば汝なんぢにもろもろの國くにを嗣業ゆづりとしてあたへ地ちの極はてをなんぢの有󠄃ものとしてあたへん 9 汝なんぢくろがねの杖つゑをもて彼等かれらをうちやぶり陶工すゑつくりのうつはもののごとくに打うち碎くだかんと 10 されば汝等なんぢらもろもろの王わうよ さとかれ地ちの審士さばきびと輩らをしへをうけよ 11 畏おそれをもてヱホバにつかへ戰慄をののきをもてよろこべ 12 子こにくちつけせよ おそらくはかれ怒いかりをはなちなんぢら途󠄃みちにほろびんその忿恚いきどほりはすみやかに燃もゆべければなり すべてかれに依賴よりたのむものは福さいはひなり
 963㌻ 

第3篇

[ ダビデその子こアブサロムを避󠄃さけしときのうた ]

1 ヱホバよ我われにあたする者もののいかに蔓延󠄅はびこれるや 我われにさからひて起󠄃おこりたつもの多おほし 2 わが靈魂たましひをあげつらひて かれは神かみにすくはるることなしといふ者ものぞおほき セラ 3 されどヱホバよ なんぢは我われをかこめる盾たてわが榮さかえわが首かうべをもたげ給たまふものなり 4 われ聲こゑをあげてヱホバによばはればその聖󠄃山きよきやまより我われにこたへたまふ セラ 5 われ臥ふしていね また目めさめたり ヱホバわれを支󠄂さゝへたまへばなり 6 われをかこみて立たちかまへたる千萬ちよろづの人ひとをも我われはおそれじ〘745㌻〙 7 ヱホバよねがはくは起󠄃おきたまへ わが神かみよわれを救すくひたまへ なんぢ曩さきにわがすべての仇あたの頬骨つらぼねをうち惡あしきものの齒はををりたまへり 8 救すくひはヱホバにあり ねがはくは恩惠みめぐみなんぢの民たみのうへに在あらんことを セラ

第4篇

[ 琴ことにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデの歌うた ]

1 わが義ぎをまもりたまふ神かみよ ねがはくはわが呼よばはるときに答こたへたまへ わがなやみたる時ときなんぢ我われをくつろがせたまへり ねがはくは我われをあはれみ わが祈いのりをききたまへ 2 人ひとの子こよなんぢらわが榮さかえをはぢしめて幾いく何時そのときをへんとするか なんぢらむなしき事ことをこのみ虛僞いつはりをしたひていくそのときを經へんとするか セラ 3 然されどなんぢら知しれ ヱホバは神かみをうやまふ人ひとをわかちて己おのれにつかしめたまひしことを われヱホバによばはらば聽きゝたまはん 4 なんぢら愼つゝしみをののきて罪つみををかすなかれ 臥床ふしどにておのが心こゝろにかたりて默もだせ セラ 5 なんぢら義ぎのそなへものを献さゝげてヱホバに依賴よりたのめ 6 おほくの人ひとはいふたれか嘉事よきことをわれらに見みするものあらんやと ヱホバよねがはくは聖󠄃顏みかほの光ひかりをわれらの上うへにのぼらせたまへ
 964㌻ 
7 なんぢのわが心こゝろにあたへたまひし歡喜よろこびはかれらの穀物たなつものと酒さけとの豐ゆたかなる時ときにまさりき 8 われ安然やすらかにして臥ふしまたねぶらん ヱホバよわれを獨ひとりにて坦然たひらかにをらしむるものは汝なんぢなり

第5篇

[ 簫ふえにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 ヱホバよねがはくは我わがことばに耳みゝをかたむけ わが思おもひにみこころを注とめたまへ 2 わが王わうよわが神かみよ わが號呼さけびのこゑをききたまへ われ汝なんぢにいのればなり 3 ヱホバよ朝󠄃あしたになんぢわが聲こゑをききたまはん 我われあしたになんぢの爲ためにそなへして俟まち望󠄇のぞむべし 4 なんぢは惡あしきことをよろこびたまふ神かみにあらず 惡あしき人ひとはなんぢの賓客まらうどたるを得えざるなり 5 たかぶる者ものはなんぢの目前󠄃めのまへにたつをえず なんぢはすべて邪󠄅曲よこしまをおこなふものを憎にくみたまふ 6 なんぢは虛僞いつはりをいふ者ものをほろぼしたまふ 血ちをながすものと詭計いつはりをなすものとは ヱホバ憎にくみたまふなり 7 然されどわれは豐ゆたかなる仁慈みいつくしみによりてなんぢの家いへにいらん われ汝なんぢをおそれつつ聖󠄃きよき宮みやにむかひて拜をがまん 8 ヱホバよ願ねがはくはわが仇あたのゆゑになんぢの義ぎをもて我われをみちびき なんぢの途󠄃みちをわが前󠄃まへになほくしたまへ 9 かれらの口くちには眞󠄃實まことなく その衷うちはよこしま その喉のどはあばける墓はか その舌したはへつらひをいへばなり 10 神かみよねがはくはかれらを刑つみなひ その謀略はかりごとによりてみづから仆たふれしめ その愆とがのおほきによりて之これをおひいだしたまへ かれらは汝なんぢにそむきたればなり〘746㌻〙 11 されど凡すべてなんぢに依賴よりたのむ者ものをよろこばせ永遠󠄄とこしへによろこびよばはらせたまへ なんぢ斯かゝる人ひとをまもりたまふなり 名みなをいつくしむ者ものにもなんぢによりて歡喜よろこびをえしめたまへ 12 ヱホバよなんぢに義者ただしきものにさいはひし盾たてのごとく恩惠めぐみをもて之これをかこみたまはん
 965㌻ 

第6篇

[ 八音󠄃やつのねある琴ことにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 ヱホバよねがはくは忿恚いきどほりをもて我われをせめ烈はげしき怒いかりをもて我われをこらしめたまふなかれ 2 ヱホバよわれを憐あはれみたまへ われ萎しぼみおとろふなり ヱホバよ我われを醫いやしたまへ わが骨ほねわななきふるふ 3 わが靈魂たましひさへも甚いたくふるひわななく ヱホバよかくて幾いく何時そのときをへたまふや 4 ヱホバよ歸かへりたまへ わがたましひを救すくひたまへ なんぢの仁慈いつくしみの故ゆゑをもて我われをたすけたまへ 5 そは死しにありては汝なんぢをおもひいづることなし 陰府よみにありては誰たれかなんぢに感謝󠄃かんしやせん 6 われ歎息なげきにてつかれたり 我われよなよな床とこをただよはせ淚なみだをもてわが衾ふすまをひたせり 7 わが目めうれへによりておとろへ もろもろの仇あたゆゑに老おいぬ 8 なんぢら邪󠄅曲よこしまをおこなふ者ものことごとく我われをはなれよ ヱホバはわが泣なくこゑをききたまひたり 9 ヱホバわが懇求ねがひをききたまへり ヱホバわが祈いのりをうけたまはん 10 わがもろもろの仇あたははぢて大おほいにおぢまどひ あわただしく恥はぢてしりぞきぬ

第7篇

[ ベニヤミンの人ひとクシの言ことばにつきダビデ、ヱホバに對むかひてうたへるシガヨンの歌うた ]

1 わが神かみヱホバよわれ汝なんぢによりたのむ 願ねがはくはすべての逐󠄃おひせまるものより我われをすくひ我われをたすけたまへ 2 おそらくはかれ獅しゝの如ごとくわが靈魂たましひをかきやぶり援󠄃たすくるものなき間まにさきてずたずたに爲せん 3 わが神かみヱホバよ もしわれ此事このことをなししならんには わが手てによこしまの纒󠄂まつはりをらんには 4 故ゆゑなく仇あたするものをさへ助たすけしに禍害󠄅わざはひをもてわが友ともにむくいしならんには 5 よし仇人あだびとわがたましひを逐󠄃おひとらへ わが生命いのちをつちにふみにじりわが榮さかえを塵ちりにおくとも その作なすにまかせよ セラ 6 ヱホバよなんぢの怒いかりをもて起󠄃おきわが仇あたのいきどほりにむかひて立たちたまへ わがために目めをさましたまへ なんぢは審判󠄄さばきをおほせ出いだしたまへり 7 もろもろの國人くにびとの會つどひがなんぢのまはりに集つどはしめ 其その上うへなる高座たかみくらにかへりたまへ
 966㌻ 
8 ヱホバはもろもろの民たみにさばきを行おこなひたまふ ヱホバよわが正義たゞしきとわが衷うちなる完全󠄃またきとにしたがひて我われをさばきたまへ〘747㌻〙 9 ねがはくは惡あしきものの曲事ひがわざをたちて義たゞしきものを堅かたくしたまへ ただしき神かみは人ひとのこころと腎むらととをさぐり知しりたまふ 10 わが盾たてをとるものは心こゝろのなほきものをすくふ神かみなり 11 神かみはただしき審士さばきびとひごとに忿恚いきどほりをおこしたまふ神かみなり 12 人ひともしかへらずば神かみはその劍つるぎをとぎ その弓ゆみをはりてかまへ 13 これに死しの器うつはをそなへ その矢やに火ひをそへたまはん 14 視みよその人ひとはよこしまを產うまんとしてくるしむ 殘害󠄅そこなひをはらみ虛僞いつはりをうむなり 15 また坑あなをほりてふかくし己おのれがつくれるその溝󠄃みぞにおちいれり 16 その殘害󠄅そこなひはおのが首かうべにかへり その强暴あらびはおのが頭上いただきにくだらん 17 われその義ぎによりてヱホバに感謝󠄃かんしやし いとたかきヱホバの名みなをほめうたはん

第8篇

[ ギデトの琴ことにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデの歌うた ]

1 われらの主しゆヱホバよなんぢの名みなは地ちにあまねくして尊󠄅たふときかな その榮光えいくわうを天てんにおきたまへり 2 なんぢは嬰兒をさなごちのみごの口くちにより力ちからの基もとゐをおきて敵てきにそなへたまへり こは仇人あたびととうらみを報むくゆるものを鎭靜おししづめんがためなり 3 我われなんぢの指ゆびのわざなる天てんを觀みなんぢの設まうけたまへる月󠄃つきと星ほしとをみるに 4 世人よのひとはいかなるものなればこれを聖󠄃念みこころにとめたまふや 人ひとの子こはいかなるものなればこれを顧󠄃かへりみたまふや 5 只たゞすこしく人ひとを神かみよりも卑ひくくつくりて榮さかえと尊󠄅貴たふときとをかうぶらせ 6 またこれに手みてのわざを治をさめしめ萬物よろづのものをその足下あしのしたにおきたまへり 7 すべての羊ひつじうしまた野のの獸けもの 8 そらの鳥とりうみの魚うをもろもろの海路うみぢをかよふものをまで皆みなしかなせり
 967㌻ 
9 われらの主しゆヱホバよなんぢの名みなは地ちにあまねくして尊󠄅たふときかな

第9篇

[ ムツラベン(調󠄃子てうしの名な)にあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 われ心こゝろをつくしてヱホバに感謝󠄃かんしやし そのもろもろの奇くすしき事迹みわざをのべつたへん 2 われ汝なんぢによりてたのしみ且かつよろこばん 至上者いとたかきものよなんぢの名みなをほめうたはん 3 わが仇あたしりぞくとき躓つまづきたふれて御前󠄃みまへにほろぶ 4 なんぢわが義ぎとわが訟󠄃うたへとをまもりたまへばなり なんぢはだしき審判󠄄さばきをしつつ寳座みくらにすわりたまへり 5 またもろもろの國くにをせめ惡あしきものをほろぼし 世々よゝかぎりなくかれらが名なをけしたまへり 6 仇あたはたえはてて世々よゝあれすたれたり 汝なんぢのくつがへしたまへるもろもろの邑まちはうせてその跡あとだにもなし 7 ヱホバはとこしへに聖󠄃位みくらゐにすわりたまふ 審判󠄄さばきのためにその寳座みくらをまうけたまひたり〘748㌻〙 8 ヱホバは公󠄃義ただしきをもて世よをさばき 直なほきをもてもろもろの民たみに審判󠄄さばきをおこなひたまはん 9 ヱホバは虐󠄃しへたげらるるものの城󠄃しろまた難なやみのときの城󠄃しろなり 10 聖󠄃名みなをしるものはなんぢに依賴よりたのまん そはヱホバよなんぢを尋󠄃たづぬるものの棄すてられしこと斷たえてなければなり 11 シオンに住󠄃すみたまふヱホバに對むかひてほめうたへ その事迹みわざをもろもろの民たみのなかにのべつたへよ 12 血ちを問とひ糺たゞしたまふものは苦くるしむものを心こゝろにとめてその號呼さけびをわすれたまはず 13 ヱホバよ我われをあはれみたまへ われを死しの門もんよりすくひいだしたまへる者ものよ ねがはくは仇人あたびとのわれを難なやむるを視みたまへ 14 さらば我われなんぢのすべての頌󠄃美ほまれをのぶるを得えまたシオンのむすめの門もんにてなんぢの救すくひをよろこばん 15 もろもろの國民くにびとはおのがつくれる阱あなにおちいり そのかくしまうけたる網󠄄あみにおのが足あしをとらへらる 16 ヱホバは己おのれをしらしめ審判󠄄さばきをおこなひたまへり あしき人ひとはおのが手てのわざなる羂わなにかかれり ヒガイオン  セラ 17 あしき人ひとは陰府よみにかへるべし 神かみをわするるもろもろの國民くにびともまたしからん
 968㌻ 
18 貧󠄃者まづしきものはつねに忘󠄃わすれらるるにあらず苦くるしむものの望󠄇のぞみはとこしへに滅ほろぶるにあらず 19 ヱホバよ起󠄃おきたまへ ねがはくは勝󠄃かちを人ひとにえしめたまふなかれ御前󠄃みまへにてもろもろのくにびとに審判󠄄さばきをうけしめたまヘ 20 ヱホバよ願ねがはくはかれらに懼おそれをおこさしめたまへ もろもろの國民くにびとにおのれただ人ひとなることを知しらしめたまヘ セラ

第10篇

1 ああヱホバよ何なんぞはるかに立たちたまふや なんぞ患難なやみのときに匿かくれたまふや 2 あしき人ひとはたかぶりて苦くるしむものを甚はなはだしくせむ かれらをそのくはだての謀略はかりごとにとらはれしめたまへ 3 あしきひとは己おのがこころの欲望󠄇ねがひをほこり貪むさぼるものを祝しゆくしてヱホバをかろしむ 4 あしき人ひとはほこりかにいふ 神かみはさぐりもとむることをせざるなりと 凡すべてそのおもひに神かみなしとせり 5 かれの途󠄃みちはつねに堅かたく なんぢの審判󠄄さばきはその眼めよりはなれてたかし 彼かれはそのもろもろの敵てきをくちさきらにて吹ふく 6 かくて己おのがこころの中うちにいふ 我われうごかさるることなく世々よゝわれに禍害󠄅わざはひなかるべしと 7 その口くちにはのろひと虛僞いつはりとしへたげとみち その舌したのしたには殘害󠄅そこなひとよこしまとあり 8 かれは村里むらざとのかくれたる處ところにをり隱しのびやかなるところにて罪つみなきものをころす その眼めはひそかに倚仗よるべなきものをうかがひ 9 窟ほらにをる獅しゝのごとく潜ひそみまち苦くるしむものをとらへんために伏ふしねらひ 貧󠄃まづしきものをその網󠄄あみにひきいれてとらふ〘749㌻〙 10 また身みをかがめて蹲うづくまるその强勁ちからによりて依仗よるべなきものは仆たふる 11 かれ心こゝろのうちにいふ 神かみはわすれたり神かみはその面かほをかくせり神かみはみることなかるべしと 12 ヱホバよ起󠄃おきたまへ 神かみよ手みてをあげたまへ 苦くるしむものを忘󠄃わすれたまふなかれ 13 いかなれば惡あしきもの神かみをいやしめて心こころの中うちになんぢ探さぐり求もとむることをせじといふや 14 なんぢは鑒みたまへりその殘害󠄅そこなひと怨恨うらみとを見みてこれに手みてをくだしたまへり 倚仗よるべなきものは身みをなんぢに委ゆだぬ なんぢは昔むかしより孤子みなしごをたすけたまふ者ものなり
 969㌻ 
15 ねがはくは惡あしきものの臂かひなををりたまへあしきものの惡あしき事わざを一ひとつだにのこらぬまでに探たづね究いだしたまへ 16 ヱホバはいやとほながに王わうなり もろもろの國民くにびとはほろびて神かみの國くにより跡あとをたちたり 17 ヱホバよ汝なんぢはくるしむものの懇求ねがひをききたまへり その心こゝろをかたくしたまはん なんぢは耳みゝをかたぶけてきき 18 孤子みなしごと虐󠄃しへたげらる者ものとのために審判󠄄さばきをなし地ちにつける人ひとにふたゝび恐嚇おびやかしをもちひざらしめ給たまはん

第11篇

[ うたのかみに謳うたはしめたるダビデのうた ]

1 われヱホバに依賴よりたのめり なんぢら何なんぞわが靈魂たましひにむかひて鳥とりのごとくなんぢの山やまにのがれよといふや 2 視みよあしきものは暗󠄃處くらきにかくれ心こゝろなほきものを射󠄂いんとて弓ゆみをはり絃つるに矢やをつがふ 3 基もとゐみなやぶれたらんには義者ただしきものなにをなさんや 4 ヱホバはその聖󠄃宮きよきみやにいます ヱホバの寳座みくらは天てんにありその目めはひとのこを鑒み その眼瞼まぶたはかれらをこころみたまふ 5 ヱホバは義者ただしきものをこころむ そのみこころは惡あしきものと强暴あらびをこのむ者ものとをにくみ 6 羂わなをあしきもののうへに降󠄄ふらしたまはん火ひと硫磺いわうともゆる風かぜとはかれらの酒杯さかづきにうくべきものなり 7 ヱホバはただしき者ものにして義ただしきことを愛あいしたまへばなり 直なほきものはその聖󠄃顏みかほをあふぎみん

第12篇

[ 八音󠄃やつのねにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 ああヱホバよ助たすけたまへ そは神かみをうやまふ人ひとはたえ誠󠄃まことあるものは人ひとの子このなかより消󠄃失きえうするなり 2 人ひとはみな虛僞いつはりをもてその隣となりとあひかたり滑なめらなるくちびると貳心ふたごころとをもてものいふ 3 ヱホバはすべての滑なめらかなるくちびると大おほいなる言ことをかたる舌したとをほろぼし給たまはん
 970㌻ 
4 かれらはいふ われら舌したをもて勝󠄃かちをえん この口唇くちびるはわがものなり誰たれかわれらに主しゆたらんやと 5 ヱホバのたまはく 苦くるしむもの掠かすめられ貧󠄃まづしきもの歎なげくがゆゑに我われいま起󠄃たちてこれをその慕したひもとむる平󠄃安やすきにおかん〘750㌻〙 6 ヱホバの言ことばはきよきことばなり 地ちにまうけたる爐ろにてねり七次󠄄ななたびきよめたる白銀しろかねのごとし 7 ヱホバよ汝なんぢはかれらをまもり之これをたすけてとこしへにこの類たぐひより免まぬかれしめたまはん 8 人ひとの子このなかに穢けがしきことの崇あがめらるるときは惡者あしきものここやかしこにあるくなり

第13篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 ああヱホバよ かくて幾いく何時そのときをへたまふや 汝なんぢとこしへに我われをわすれたまふや 聖󠄃顏みかほをかくしていくそのときを歷へたまふや 2 われ心こゝろのうちに終󠄃日ひねもすかなしみをいだき籌おもひ畫はかりをたましひに用もちひて幾いく何時そのときをふべきか わが仇あたはわがうへに崇あがめられて幾いく何時そのときをふべきか 3 わが神かみヱホバよ我われをかへりみて答こたへをなしたまへ わが目めをあきらかにしたまへ 恐おそらくはわれ死しの睡ねぶりにつかん 4 おそらくはわが仇あたいはん 我われかれに勝󠄃かてりと おそらくはわが敵てきわがうごかさるるによりて喜よろこばん 5 されど我われはなんぢの憐憫あはれみによりたのみ わが心こゝろはなんぢの救すくひによりてよろこばん 6 ヱホバはゆたかに我われをあしらひたまひたれば われヱホバに對むかひてうたはん

第14篇

[ うたのかみに謳うたはしめたるダビデのうた ]

1 愚おろかなるものは心こゝろのうちに神かみなしといへり かれらは腐くされたり かれらは憎にくむべき事ことをなせり 善ぜんをおこなふ者ものなし 2 ヱホバ天てんより人ひとの子こをのぞみみて悟さとるもの神かみをたづぬる者ものありやと見みたまひしに 3 みな逆󠄃そむきいでてことごとく腐くされたり 善ぜんをなすものなし一人ひとりだになし 4 不義ふぎをおこなふ者ものはみな智覺さとりなきか かれらは物ものくふごとくわが民たみをくらひ またヱホバをよぶことをせざるなり
 971㌻ 
5 視みよかかる時ときかれらは大おほいにおそれたり 神かみはただしきものの類たぐひのなかに在いませばなり 6 なんぢらは苦くるしめるものの謀略はかりごとをあなどり辱はづかしむ されどヱホバはその避󠄃所󠄃さけどころなり 7 ねがはくはシオンよりイスラエルの救すくひのいでんことを ヱホバその民たみのとらはれたるを返󠄄かへしたまふときヤコブはよろこびイスラエルは樂たのしまん

第15篇

[ ダビデのうた ]

1 ヱホバよなんぢの帷幄あけばりのうちにやどらん者ものはたれぞ なんぢの聖󠄃山きよきやまにすまはんものは誰たれぞ 2 直なほくあゆみ義ぎをおこなひ そのこころに眞󠄃實まことをいふものぞその人ひとなる 3 かかる人ひとは舌したをもてそしらず その友ともをそこなはず またその隣となりをはぢしむる言ことばをあげもちひず〘751㌻〙 4 惡あくにしづめるものを見みていとひかろしめ ヱホバをおそるるものをたふとび 誓ちかひしことはおのれに禍害󠄅わざはひとなるも變かふることなし 5 貨たからをかして過󠄃すぎたる利りをむさぼらず 賄賂まひなひをいれて無辜つみなきものをそこなはざるなり 斯かゝることどもを行おこなふものは永遠󠄄とこしへにうごかさるることなかるべし

第16篇

[ ダビデがミクタムの歌うた ]

1 神かみよねがはくは我われを護まもりたまへ 我われなんぢに依賴よりたのむ 2 われヱホバにいへらくなんぢはわが主しゆなり なんぢのほかにわが福祉さいはひはなしと 3 地ちにある聖󠄃徒せいとはわが極きはめてよろこぶ勝󠄃すぐれしものなり 4 ヱホバにかへて他神あだしかみをとるものの悲哀かなしみはいやまさん 我われかれらがささぐる血ちの御酒みきをそそがず その名なを口くちにとなふることをせじ 5 ヱホバはわが嗣業ゆづりまたわが酒杯さかづきにうくべき有󠄃ものなり なんぢはわが所󠄃領しよりやうをまもりたまはん 6 準繩󠄂はかりなははわがために樂たのしき地ちにおちたり 宜うべわれよき嗣業ゆづりをえたるかな
 972㌻ 
7 われは訓諭󠄄さとしをさづけたまふヱホバをほめまつらん 夜よはわが心こゝろわれををしふ 8 われ常つねにヱホバをわが前󠄃まへにおけり ヱホバわが右みぎにいませばわれ動うごかさるることなかるべし 9 このゆゑにわが心こゝろはたのしみ わが榮さかえはよろこぶ わが身みもまた平󠄃安やすきにをらん 10 そは汝なんぢわがたましひを陰府よみにすておきたまはず なんぢの聖󠄃者せいしやを墓はかのなかに朽くちしめたまはざる可べければなり 11 なんぢ生命いのちの道󠄃みちをわれに示しめしたまはん なんぢの前󠄃みまへには充足みちたれるよろこびあり なんぢの右みぎにはもろもろの快樂たのしみとこしへにあり

第17篇

[ ダビデの祈禱いのり ]

1 ああヱホバよ公󠄃義ただしきをききたまへ わが哭なく聲こゑにみこころをとめたまへ いつはりなき口唇くちびるよりいづる我わがいのりに耳みゝをかたぶけたまへ 2 ねがはくはわが宣吿せんこくみまへよりいでてなんぢの目め公󠄃平󠄃こうへいをみたまはんことを 3 なんぢわが心こゝろをこころみ また夜よるわれにのぞみたまへり 斯かくてわれを糺たゞしたまへど我われになにの惡あしき念おもひあるをも見み出いでたまはざりき わが口くちはつみを犯をかすことなからん 4 人ひとの行爲おこなひのことをいはば我われなんぢのくちびるの言ことばによりて暴あらくるものの途󠄃みちをさけたり 5 わが步あゆみはかたくなんぢの途󠄃みちにたちわが足あしはよろめくことなかりき 6 神かみよなんぢ我われにこたへたまふ 我われなんぢをよべり ねがはくは汝なんぢの耳みゝをかたぶけてわが陳のぶるところをききたまへ 7 なんぢに依賴よりたのむものを右みぎの手てをもて仇あたするものより救すくひたまふ者ものよ ねがはくはなんぢの妙たへなる仁慈いつくしみをあらはしたまへ 8 願ねがはくはわれを瞳󠄂ひとみのごとくにまもり汝なんぢのつばさの蔭かげにかくし〘752㌻〙 9 我われをなやむるあしき者ものまた我われをかこみてわが命いのちをそこなはんとする仇あたよりのがれしめ給たまへ 10 かれらはおのが心こゝろをふさぎ その口くちをもて誇ほこりかにものいへり
 973㌻ 
11 いづこにまれ往󠄃ゆくところにてわれらを打うち圍󠄃かこみ われらを地ちにたふさんと目めをとむ 12 かれは抓かき裂さかんといらだつ獅しゝのごとく隱しのびやかなるところに潜ひそみまつ壯わか獅しゝのごとし 13 ヱホバよ起󠄃たちたまへ ねがはくはかれに立たち對むかひてこれをたふし御劍みつるぎをもて惡あしきものよりわが靈魂たましひをすくひたまへ 14 ヱホバよ手みてをもて人ひとより我われをたすけいだしたまへ おのがうくべき有󠄃ものをこの世よにてうけ 汝なんぢのたからにてその腹はらをみたさるる世人よのひとより我われをたすけいだし給たまへ かれらはおほくの子こにあきたり その富とみををさなごに遺󠄃のこす 15 されどわれは義ぎにありて聖󠄃顏みかほをみ目めさむるとき容光みかたちをもて飽󠄄あき足たることをえん

第18篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるヱホバの僕しもべダビデの歌うた、このうたの詞ことばはもろもろの仇あたおよびサウルの手てより救すくひれしときヱホバに對むかひてうたへるなり 云いはく ]

1 ヱホバわれの力ちからよ われ切せちになんぢを愛いつくしむ 2 ヱホバはわが巖いはほ わが城󠄃しろ われをすくふ者もの わがよりたのむ神かみ わが堅固けんごなるいはほ わが盾たて わがすくひの角つの わがたかき櫓やぐらなり 3 われ讃ほめ稱󠄄たゝふべきヱホバをよびて仇人あたびとよりすくはるることをえん 4 死しのつな我われをめぐり惡あくのみなぎる流ながれわれをおそれしめたり 5 陰間よみのなは我われをかこみ死しのわな我われにたちむかへり 6 われ窮󠄃苦なやみのうちにありてヱホバをよび又󠄂またわが神かみにさけびたり ヱホバはその宮みやよりわが聲こゑをききたまふ その前󠄃みまへにてわがよびし聲こゑはその耳みゝにいれり 7 このときヱホバ怒いかりたまひたれば地ちはふるひうごき山やまの基もとゐはゆるぎうごきたり 8 煙󠄃けぶりその鼻はなよりたち火ひその口くちよりいでてやきつくし炭󠄃すみはこれがために燃もえあがれり 9 ヱホバは天てんをたれて臨くだりたまふ その足みあしの下したはくらきこと甚はなはだし 10 かくてケルブに乘のりてとび風かぜのつばさにて翔󠄃かけり 11 闇やみをおほひとなし水みづのくらきとそらの密雲くろくもとをそのまはりの幕まくとなしたまへり 12 そのみまへの光輝かがやきよりくろくもをへて雹へうともえたる炭󠄃すみとふりきたれり
 974㌻ 
13 ヱホバは天てんに雷鳴いかづちをとどろかせたまへり 至上者いとたかきもののこゑいでて雹へうともえたる炭󠄃すみとふりきたり 14 ヱホバ矢やをとばせてかれらを打うちちらし數󠄄かずしげき電光いなづまをはなちてかれらをうち敗やぶりたまへり 15 ヱホバよ斯かゝるときになんぢの叱咤しつたとなんぢの鼻はなのいぶきとによりて水みづの底そこみえ地ちの基もとゐあらはれいでたり〘753㌻〙 16 ヱホバはたかきより手てをのべ我われをとりて大水おほみづよりひきあげ 17 わがつよき仇あたとわれを憎にくむものとより我われをたすけいだしたまへり かれらは我われにまさりて最いと强つよかりき 18 かれらはわが災害󠄅わざはひの日ひにせまりきたれり 然されどヱホバはわが支󠄂柱󠄃さゝへとなりたまひき 19 ヱホバはわれを悅よろこびたまふがゆゑにわれをたづさへ廣ひろき處ところにだして助たすけたまへり 20 ヱホバはわが正義たゞしきにしたがひて恩賜たまものをたまひ わが手てのきよきにしたがひて報賞むくいをたれたまへり 21 われヱホバの道󠄃みちをまもり惡あくをなしてわが神かみよりはなれしことなければなり 22 そのすべての審判󠄄さばきはわがまへにありて われその律法おきてをすてしことなければなり 23 われ神かみにむかひて缺かくるところなく己おのれをまもりて不義ふぎをはなれたり 24 この故ゆゑにヱホバはわがただしきとその目前󠄃めのまへにわが手てのきよきとにしたがひて我われにむくいをなし給たまへり 25 なんぢ憐憫あはれみあるものには憐あはれみあるものとなり完全󠄃またきものには全󠄃またきものとなり 26 きよきものには潔󠄄きよきものとなり僻ひがむものにはひがむ者ものとなりたまふ 27 そは汝なんぢくるしめる民たみをすくひたまへど高たかぶる目めをひくくしたまふ可べければなり 28 なんぢわが燈火ともしびをともし給たまふべければなり わが神かみヱホバわが暗󠄃くらきをてらしたまはん 29 我われなんぢによりて軍いくさの中なかをはせとほり わが神かみによりて垣かきををどりこゆ 30 神かみはしもその途󠄃みちまたくヱホバの言ことばはきよし ヱホバはすべて依賴よりたのむものの盾たてなり 31 そはヱホバのほかに神かみはたれぞや われらの神かみのほかに巖いはほはたれぞや 32 神かみはちからをわれに帶おばしめ わが途󠄃みちを全󠄃またきものとなしたまふ 33 神かみはわが足あしを麀󠄂めじかのあしのごとくし我われをわが高處たかきところにたたせたまふ
 975㌻ 
34 神かみはわが手てをたたかひにならはせてわが臂かひなに銅弓かなゆみをひくことを得えしめたまふ 35 又󠄂またなんぢの救すくひの盾たてをわれにあたへたまへり なんぢの右手みぎのてわれをささへなんぢの謙󠄃卑へりくだりわれを大おほいならしめたまへり 36 なんぢわが步あゆむところを寛濶ひろらかならしめたまひたれば わが足あしふるはざりき 37 われ仇あたをおひてこれに追󠄃及おひしきかれらのほろぶるまでは歸かへることをせじ 38 われかれらを擊うちてたつことを得えざらしめん かれらはわが足あしの下もとにたふるべし 39 そはなんぢ戰爭たたかひのために力ちからをわれに帶おばしめ われにさからひておこりたつ者ものをわが下もとにかがませたまひたればなり 40 我われをにくむ者ものをわが滅ほろぼしえんがために汝なんぢまたわが仇あたの背そびらをわれにむけしめ給たまへり 41 かれら叫さけびたれども救すくふものなく ヱホバに對むかひてさけびたれども答こたへたまはざりき 42 我われかれらを風かぜのまへの塵ちりのごとくに搗つき碎くだき ちまたの坭ひじのごとくに打うち棄すてたり〘754㌻〙 43 なんぢわれを民たみのあらそひより助たすけいだし我われをたててもろもろの國くにの長をさとなしたまへり わがしらざる民たみわれにつかへん 44 かれらわが事ことをききて立刻󠄂たちまちわれにしたがひ異邦󠄆人ことくにびとはきたりて佞おもねりつかへん 45 ことくにびとは衰󠄄おとろへてその城󠄃しろよりをののきいでん 46 ヱホバは活いきていませり わが磐いははほむべきかな わがすくひの神かみはあがむべきかな 47 わがために讎あたをむくい異邦󠄆人ことくにびとをわれに服󠄃まつろはせたまふはこの神かみなり 48 神かみはわれを仇あたよりすくひたまふ實げになんぢは我われにさからひて起󠄃おこりたつ者もののうへに我われをあげ あらぶる人ひとより我われをたすけいだし給たまふ 49 この故ゆゑにヱホバよ われもろもろの國人くにびとのなかにてなんぢに感謝󠄃かんしやし なんぢの名みなをほめうたはん 50 ヱホバはおほいなる救すくひをその王わうにあたへ その受膏者じゆかうじやダビデとその裔すゑとに世々よゝかぎりなく憐憫あはれみをたれたまふ
 976㌻ 

第19篇

[ うたのかみに謳うたはしめたるダビデのうた ]

1 もろもろの天てんは神かみのえいくわうをあらはし 穹蒼おほぞらはその手みてのわざをしめす 2 この日ひことばをかの日ひにつたへこのよ知識ちしきをかの夜よにおくる 3 語かたらずいはずその聲こゑきこえざるに 4 そのひびきは全󠄃地ぜんちにあまねく そのことばは地ちのはてにまでおよぶ 神かみはかしこに帷幄あけばりを日ひのためにまうけたまへり 5 日ひは新婿にひむこがいはひの殿とのをいづるごとく勇󠄃士ますらをがきそひはしるをよろこぶに似にたり 6 そのいでたつや天てんの涯はしよりし その運󠄃めぐりゆくや天てんのはてにいたる 物ものとしてその和喣あたたまりをかうぶらざるはなし 7 ヱホバの法のりはまたくして靈魂たましひをいきかへらしめ ヱホバの證詞あかしはかたくして愚おろかなるものを智さとからしむ 8 ヱホバの訓諭󠄄さとしはなほくして心こゝろをよろこばしめ ヱホバの誡命いましめはきよくして眼まなこをあきらかならしむ 9 ヱホバを惶かしこみおそるる道󠄃みちはきよくして世々よゝにたゆることなく ヱホバのさばきは眞󠄃實まことにしてことごとく正たゞし 10 これを黃金こがねにくらぶるもおほくの純精金まじりなきこがねにくらぶるも 彌增いやまさりてしたふべく これを蜜みつにくらぶるも蜂はちのすの滴瀝したたりにくらぶるもいやまさりて甘あまし 11 なんぢの僕しもべはこれらによりて儆戒いましめをうく これらをまもらば大おおいなる報賞むくいあらん 12 たれかおのれの過󠄃失あやまちをしりえんや ねがはくは我われをかくれたる愆とがより解放ときはなちたまへ 13 願ねがはくはなんぢの僕しもべをひきとめて故意ことさらなる罪つみををかさしめず それをわが主しゆたらしめ給あたふなかれ さればわれ玷きずなきものとなりて大おほいなる愆とがをまぬかるるをえん 14 ヱホバわが磐いはわが贖主あがなひぬしよ わがくちの言ことばわがこころの思念おもひなんぢのまへに悅よろこばるることを得えしめたまへ〘755㌻〙

第20篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 ねがはくはヱホバなやみの日ひになんぢにこたヘヤユブのかみの名みななんぢを高たかきにあげ 2 聖󠄃所󠄃せいじよより援󠄃助たすけをなんぢにおくりシオンより能力ちからをなんぢにあたへ
 977㌻ 
3 汝なんぢのもろもろの献さゝげ物ものをみこころにとめ なんぢの燔祭はんさいをうけたまはんことを セラ 4 ねがはくはなんちがこころの願望󠄇ねがひをゆるし なんぢの謀略はかりごとをことごとく遂󠄅とげしめたまはんことを 5 我儕われらなんぢの救すくひによりて歡よろこびうたひ われらの神かみの名みなによりて旗はたをたてん ねがはくはヱホバ汝なんぢのもろもろの求もとめをとげしめたまはんことを 6 われ今いまヱホバその受膏者じゆかうじやをすくひたまふを知しる ヱホバそのきよき天てんより右手みぎのてなるすくひの力ちからにてかれに應こたへたまはん 7 あるひは車くるまをたのみあるひは馬むまをたのみとする者ものあり されどわれらはわが神かみヱホバの名みなをとなへん 8 かれらは屈かがみまた仆たふるわれらは起󠄃おきてかたくたてり 9 ヱホバよ王わうをすくひたまへ われらがよぶとき應こたへたまへ

第21篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 ヱホバよ王わうはなんぢの力ちからによりてたのしみ汝なんぢのすくひによりて奈何いかにおほいなる歡喜よろこびをなさん 2 なんぢ彼かれがこころの願望󠄇ねがひをゆるし そのくちびるの求もとめをいなみ給たまはざりき セラ 3 そはよきたまものの惠めぐみをもてかれを迎󠄃むかへ まじりなきこがねの冕󠄅弁かんむりをもてかれの首かうべにいただかせ給たまひたり 4 かれ生命いのちをもとめしに汝なんぢこれをあたへてその齡よはひの日ひを世々よゝかぎりなからしめ給たまへり 5 なんぢの救すくひによりてその榮光えいくわうおほいなり なんぢは尊󠄅貴たふときと稜威󠄂みいづとをかれに衣きせたまふ 6 そは之これをとこしへに福さいはひなるものとなし聖󠄃顏みかほのまへの歡喜よろこびをもて樂たのしませたまへばなり 7 王わうはヱホバに依賴よりたのみ いとたかき者もののいつくしみを蒙かうむるがゆゑに動うごかさるることなからん 8 なんぢの手てはそのもろもろの仇あたをたづねいだし 汝なんぢのみぎの手てはおのれを憎にくむものを探たづねいだすべし 9 なんぢ怒いかるときは彼等かれらをもゆる爐ろのごとくにせんヱホバはげしき怒いかりによりてかれらを呑のみたまはん 火ひはかれらを食󠄃くらひつくさん
 978㌻ 
10 汝なんぢかれらの裔すゑを地ちよりほろぼし かれらの種たねを人ひとの子このなかよりほろぼさん 11 かれらは汝なんぢにむかひて惡あしき事ことをくはだて遂󠄅とげがたき謀略はかりごとをおもひまはせばなり 12 汝なんぢかれらをして背そびらをむけしめ その面かほにむかひて弓絃ゆづるをひかん 13 ヱホバよ能力みちからをあらはしてみづからを高たかくしたまへ 我儕われらはなんぢの稜威󠄂みいづをうたひ且かつほめたたへん〘756㌻〙

第22篇

[ あけぼのの鹿しかの調󠄃しらべにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデの歌うた ]

1 わが神かみわが神かみなんぞ我われをすてたまふや 何いかなれば遠󠄄とほくはなれて我われをすくはず わが歎なげきのこゑをきき給たまはざるか 2 ああわが神かみわれ晝ひるよばはれども汝なんぢこたへたまはず 夜よるよばはれどもわれ平󠄃安やすきをえず 3 然さはあれイスラエルの讃美さんびのなかに住󠄃すみたまふものよ汝なんぢはきよし 4 われらの列祖おやたちはなんぢに依賴よりたのめり かれら依賴よりたのみたればこれを助たすけたまへり 5 かれら汝なんぢをよびて援󠄃たすけをえ汝なんぢによりたのみて恥はぢをおへることなかりき 6 然しかはあれどわれは蟲むしにして人ひとにあらず 世よにそしられ民たみにいやしめらる 7 すべてわれを見みるものはわれをあざみわらひ 口唇くちびるをそらし首かうべをふりていふ 8 かれはヱホバによりたのめりヱホバ助たすくべし ヱホバかれを悅よろこびたまふが故ゆゑにたすくべしと 9 されど汝なんぢはわれを胎內はらのうちよりいだし給たまへるものなり わが母はゝのふところにありしとき旣󠄁すでになんぢに依賴よりたのましめたまへり 10 我われうまれいでしより汝なんぢにゆだねられたり わが母はゝわれを生うみしときより汝なんぢはわが神かみなり 11 われに遠󠄄とほざかりたまふなかれ 患難なやみちかづき又󠄂またすくふものなければなり 12 おほくの牡牛をうしわれをめぐりバサンの力ちからつよき牡牛をうしわれをかこめり 13 かれらは口くちをあけて我われにむかひ物ものをかきさき吼ほえうだく獅しゝのごとし 14 われ水みづのごとくそそぎいだされ わがもろもろの骨ほねははづれ わが心こゝろは蝋らふのごとくなりて腹はらのうちに鎔とけたり 15 わが力ちからはかわきて陶器すゑもののくだけのごとく わが舌したは齶󠄂あぎにひたつけり なんぢわれを死しの塵ちりにふさせたまへり
 979㌻ 
16 そは犬いぬわれをめぐり惡あしきものの群むれわれをかこみてわが手ておよびわが足あしをさしつらぬけり 17 わが骨ほねはことごとく數󠄄かぞふるばかりになりぬ 惡あしきものの目めをとめて我われをみる 18 かれらたがひにわが衣ころもをわかち我わがしたぎを䰗くじにす 19 ヱホバよ遠󠄄とほくはなれ居ゐたまふなかれ わが力ちからよねがはくは速󠄃とくきたりてわれを授たすけたまへ 20 わがたましひを劍つるぎより助たすけいだし わが生命いのちを犬いぬのたけきいきほひより脱のがれしめたまへ 21 われを獅しゝの口くちまた野の牛うしのつのより救すくひいだしたまへ なんぢ我われにこたへたまへり 22 われなんぢの名なをわが兄弟はらからにのべつたへ なんぢを會つどひのなかにて讃ほめたたへん 23 ヱホバを懼おそるるものよヱホバをほめたたへよ ヤコブのもろもろの裔すゑよヱホバをあがめよ イスラエルのもろもろのすゑよヱホバを畏かしこめ〘757㌻〙 24 ヱホバはなやむものの辛苦くるしみをかろしめ棄すてたまはず これに聖󠄃顏みかほをおほふことなくしてその叫さけぶときにききたまへばなり 25 大おほいなる會つどひのなかにてわが汝なんぢをほめたたふるは汝なんぢよりいづるなり わが誓ちかひしことはヱホバをおそるる者もののまへにてことごとく償つくのはん 26 謙󠄃遜者へりくだるものはくらひて飽󠄄あくことをえ ヱホバをたづねもとむるものはヱホバをほめたたへん 願ねがはくはなんぢらの心こゝろとこしへに生いきんことを 27 地ちのはては皆みなおもひいだしてヱホバに歸かへりもろもろの國くにの族やからはみな前󠄃みまへにふしをがむべし 28 國くにはヱホバのものなればなり ヱホバはもろもろの國人くにびとをすべをさめたまふ 29 地ちのこえたるものは皆みなくらひてヱホバををがみ塵ちりにくだるものと己おのがたましひを存ながらふること能あたはざるものと皆みなそのみまへに拜跪ひざまづかん 30 たみの裔すゑのうちにヱホバにつかる者ものあらん 主しゆのことは代々よゝにかたりつたへらるべし 31 かれら來きたりて此これはヱホバの行爲みわざなりとてその義ぎを後のちにうまるる民たみにのべつたへん
 980㌻ 

第23篇

[ ダビデのうた ]

1 ヱホバは我わが牧者ぼくしゃなり われ乏とぼしきことあらじ 2 ヱホバは我われをみどりの野のにふさせ いこひの水濱みぎはにともなひたまふ 3 ヱホバはわが靈魂たましひをいかし名みなのゆゑをもて我われをただしき路みちにみちびき給たまふ 4 たとひわれ死しのかげの谷たにをあゆむとも禍害󠄅わざはひをおそれじ なんぢ我われとともに在いませばなり なんぢの笞しもとなんぢの杖つゑわれを慰なぐさむ 5 なんぢわが仇あたのまへに我わがために筵えんをまうけ わが首かうべにあぶらをそそぎたまふ わが酒杯さかづきはあふるるなり 6 わが世よにあらん限かぎりはかならず恩惠めぐみと憐憫あはれみとわれにそひきたらん 我われはとこしへにヱホバの宮みやにすまん

第24篇

[ ダビデのうた ]

1 地ちとそれに充みつるもの世界せかいとその中なかにすむものとは皆みなヱホバのものなり 2 ヱホバはそのもとゐを大海おほうみのうへに置すゑこれを大川おほかはのうへに定さだめたまへり 3 ヱホバの山やまにのぼるべきものは誰たれぞ その聖󠄃所󠄃せいじよにたつべき者ものはたれぞ 4 手てきよく心こゝろいさぎよき者ものそのたましひ虛むなしきことを仰あふぎのぞまず僞いつはりの誓ちかひをせざるものぞ その人ひとなる 5 かかる人ひとはヱホバより福祉さいはひをうけ そのすくひの神かみより義ぎをうけん 6 斯かくのごとき者ものは神かみをしたふものの族類やからなり ヤコブの神かみよなんぢの聖󠄃顏みかほをもとむる者ものなり セラ 7 門かどよなんぢらの首かうべをあげよ とこしへの戶とよあがれ 榮光えいくわうの王わういりたまはん 8 えいくわうの王わうはたれなるか ちからをもちたまふ猛たけきヱホバなり 戰鬪たたかひにたけきヱホバなり〘758㌻〙 9 門かどよなんぢらの首かうべをあげよ とこしへの戶とよあがれ 榮光えいくわうの王わういりたまはん 10 この榮光えいくわうの王わうはたれなるか 萬軍ばんぐんのヱホバ是これぞえいくわうの王わうなる セラ
 981㌻ 

第25篇

[ ダビデのうた ]

1 ああヱホバよ わがたましひは汝なんぢをあふぎ望󠄇のぞむ 2 わが神かみよわれなんぢに依賴よりたのめり ねがはくはわれに愧はぢをおはしめたまふなかれ わが仇あたのわれに勝󠄃誇かちほこることなからしめたまへ 3 實げになんぢを俟望󠄇まちのぞむものははぢしめられず 故ゆゑなくして信まことをうしなふものは愧はぢをうけん 4 ヱホバよなんぢの大路おほぢをわれにしめし なんぢの徑みちをわれにをしへたまへ 5 我われをなんぢの眞󠄃理しんりにみちびき我われををしへたまへ 汝なんぢはわがすくひの神かみなり われ終󠄃日ひねもすなんぢを俟望󠄇まちのぞむ 6 なんぢのあはれみと仁慈いつくしみとはいにしへより絕たえずあり ヱホバよこれを思おもひいだしたまへ 7 わがわかきときの罪つみとわが愆とがとはおもひいでたまふなかれ ヱホバよ汝なんぢのめぐみの故ゆゑになんぢの仁慈いつくしみにしたがひて我われをおもひいでたまへ 8 ヱホバはめぐみ深ふかくして直なほくましませり 斯かゝるがゆゑに道󠄃みちをつみびとにをしへ 9 謙󠄃へりくだるものを正義たゞしきにみちびきたまはん その道󠄃みちをへりくだる者ものにしめしたまはん 10 ヱホバのもろもろの道󠄃みちはそのけいやくと證詞あかしとをまもるものには仁慈いつくしみなり眞󠄃理まことなり 11 わが不義ふぎはおほいなり ヱホバよ名みなのために之これをゆるしたまへ 12 ヱホバをおそるる者ものはたれなるか 之これにそのえらぶべき道󠄃みちをしめしたまはん 13 かかる人ひとのたましひは平󠄃安やすきにすまひ その裔すゑはくにをつぐべし 14 ヱホバの親愛したしみはヱホバをおそるる者ものとともにあり ヱホバはその契󠄅約けいやくをかれらに示しめしたまはん 15 わが目めはつねにヱホバにむかふ ヱホバわがあしを網󠄄あみよりとりいだしたまふ可べければなり 16 ねがはくは歸かへりきたりて我われをあはれみたまへ われ獨ひとりわびしくまた苦くるしみをるなり 17 願ねがはくはわが心こゝろのうれへをゆるめ我われをわざはひより脱まぬかれしめたまへ 18 わが患難なやみわが辛苦くるしみをかへりみ わがすべての罪つみをゆるしたまへ
 982㌻ 
19 わが仇あたをみたまへ かれらの數󠄄かずはおほし情󠄃なさけなき憾にくみをもてわれをにくめり 20 わがたましひをまもり我われをたすけたまへ われに愧はぢをおはしめたまふなかれ 我われなんぢに依賴よりたのめばなり 21 われなんぢを挨望󠄇まちのぞむねがはくは完全󠄃またきと正直なほきとわれをまもれかし 22 神かみよすべての憂うれひよりイスラエルを贖あがなひいだしたまへ〘759㌻〙

第26篇

[ ダビデの歌うた ]

1 ヱホバよねがはくはわれを鞫さばきたまへわれわが完全󠄃またきによりてあゆみたり 然しかのみならず我われたゆたはずヱホバに依賴よりたのめり 2 ヱホバよわれを糺たゞしまた試こゝろみたまへ わが腎むらととこころとを鍊ねりきよめたまへ 3 そは汝なんぢのいつくしみわが眼前󠄃まのあたりにあり 我われはなんぢの眞󠄃理まことによりてあゆめり 4 われは虛むなしき人ひととともに座すわらざりき 惡あくをいつはりかざる者ものとともにはゆかじ 5 惡あくをなすものの會つどひをにくみ惡者あしきものとともにすわることをせじ 6 われ手てをあらひて罪つみなきをあらはす ヱホバよ斯かくてなんぢの祭壇さいだんをめぐり 7 感謝󠄃かんしやのこゑを聞きこえしめ すべてなんぢの奇くすしき事みわざをのべつたへん 8 ヱホバよ我われなんぢのまします家いへとなんぢが榮光えいくわうのとゞまる處ところとをいつくしむ 9 願ねがはくはわがたましひを罪人つみびととともに わが生命いのちを血ちをながす者ものとともに取とり收をさめたまふなかれ 10 かかる人ひとの手てにはあしきくはだてあり その右みぎの手ては賄賂まひなひにてみつ 11 されどわれはわが完全󠄃またきによりてあゆまん願ねがはくはわれをあがなひ我われをあはれみたまへ 12 わがあしは平󠄃坦たひらかなるところにたつ われもろもろの會つどひのなかにてヱホバを讃ほめまつらん

第27篇

[ ダビデの歌うた ]

1 ヱホバはわが光ひかりわが救すくひなり われ誰たれをかおそれん ヱホバはわが生命いのちのちからなり わが懼おそるべきものはたれぞや
 983㌻ 
2 われの敵てきわれの仇あたなるあしきもの襲󠄂おそひきたりてわが肉󠄁にくをくらはんとせしが蹶つまづきかつ仆たふれたり 3 縱たとひいくさびと營えいをつらねて我われをせむるともわが心こゝろおそれじ たとひ戰たゝかひおこりて我われをせむるとも我われになほ恃たのみあり 4 われ一事ひとつのことをヱホバにこへり我われこれをもとむ われヱホバの美うるはしきを仰あふぎその宮みやをみんがためにわが世よにあらん限かぎりはヱホバの家いへにすまんとこそ願ねがふなれ 5 ヱホバはなやみの日ひにその行宮かりいほのうちに我われをひそませその幕屋まくやのおくにわれをかくし巖いはほのうへに我われをたかく置おきたまふべければなり 6 今いまわが首かうべはわれをめぐれる仇あたのうへに高たかくあげらるべし この故ゆゑにわれヱホバのまくやにて歡喜よろこびのそなへものを献さゝげん われうたひてヱホバをほめたたへん 7 わが聲こゑをあげてさけぶときヱホバよきき給たまへ また憐あはれみてわれに應こたへたまへ 8 なんぢらわが面かほをたづねもとめよと(斯かゝる聖󠄃言みことばのありしとき)わが心こゝろなんぢにむかひてヱホバよ我われなんぢの聖󠄃顏みかほをたづねんといへり 9 ねがはくは聖󠄃顏みかほをかくしたまふなかれ 怒いかりてなんぢの僕しもべをとほざけたまふなかれ汝なんぢはわれの助たすけなり 噫あゝわがすくひの神かみよ われをおひいだし我われをすてたまふなかれ〘760㌻〙 10 わが父󠄃母ちちははわれをすつるともヱホバわれを迎󠄃むかへたまはん 11 ヱホバよなんぢの途󠄃みちをわれにをしへ わが仇あたのゆゑに我われをたひらかなる途󠄃みちにみちびきたまへ 12 いつはりの證あかしをなすもの暴厲あらびを吐はくもの我われにさからひて起󠄃おこりたてり 願ねがはくはわれを仇あたにわたしてその心こゝろのままに爲なさしめたまふなかれ 13 われもしヱホバの恩寵いつくしみをいけるものの地くににて見みるの侍たのみなからましかば奈何いかにぞや 14 ヱホバを俟まち望󠄇のぞめ雄々ををしかれ汝なんぢのこころを堅かたうせよ 必かならずやヱホバをまちのぞめ

第28篇

[ ダビデの歌うた ]

1 ああヱホバよわれ汝なんぢをよばん わが磐いはよねがはくは我われにむかひて暗󠄃啞おふしとなりたまふなかれ なんぢ默もだしたまはば恐おそらくはわれ墓はかにいるものとひとしからん
 984㌻ 
2 われ汝なんぢにむかひてさけび聖󠄃所󠄃せいじよの奧おくにむかひて手てをあぐるときわが懇求ねがひのこゑをききたまへ 3 あしき人ひとまた邪󠄅曲よこしまをおこなふ者ものとともに我われをとらへてひきゆき給たまふなかれ かれらはその隣となりにやはらぎをかたれども心こゝろには殘害󠄅そこなひをいだけり 4 その事わざにしたがひそのなす惡あくにしたがひて彼等かれらにあたへ その手ての行爲なしわざにしたがひて與あたへこれにその受うくべきものを報むくいたまへ 5 かれらはヱホバのもろもろの事わざとその手みてのなしわざとをかへりみず この故ゆゑにヱホバかれらを毀こぼちて建󠄄たてたまふことなからん 6 ヱホバは讃ほむべきかな わが祈いのりのこゑをききたまひたり 7 ヱホバはわが力ちからわが盾たてなり わがこころこれに依賴よりたのみたれば我われたすけをえたり 然さるゆゑにわが心こゝろいたくよろこぶ われ歌うたをもてほめまつらん 8 ヱホバはその民たみのちからなり その受膏者じゆかうじやのすくひの城󠄃しろなり 9 なんぢの民たみをすくひなんぢの嗣業ゆづりをさきはひ且かつこれをやしなひ之これをとこしなへに懷いだきたすけたまへ

第29篇

[ ダビデの歌うた ]

1 なんぢら神かみの子こらよ ヱホバに獻さゝげまつれ榮さかえと能ちからとをヱホバにささげまつれ 2 その名みなにふさはしき榮光えいくわうをヱホバにささげ奉まつれ きよき衣ころもをつけてヱホバを拜をがみまつれ 3 ヱホバのみこゑは水みづのうへにあり えいくわうの神かみは雷いかづちをとどろかせたまふ ヱホバは大水おほみづのうへにいませり 4 ヱホバの聲みこゑはちからあり ヱホバのみこゑは稜威󠄂みいつあり 5 ヱホバのみこゑは香柏かうはくををりくだく ヱホバ、レバノンのかうはくを折をりくだきたまふ 6 これを犢こうしのごとくをどらせレバノンとシリオンとをわかき野の牛うしのごとくをどらせたまふ〘761㌻〙 7 ヱホバのみこゑは火焰ほのほをわかつ
 985㌻ 
8 ヱホバのみこゑは野のをふるはせヱホバはカデシの野のをふるはせたまふ 9 ヱホバのみこゑは鹿しかに子こをうませ また林木はやしをはだかにす その宮みやにあるすべてのもの呼よばはりて榮光えいくわうなるかなといふ 10 ヱホバは洪水こうずゐのうへに坐ざしたまへり ヱホバは寳座みくらにざして永遠󠄄とこしへに王わうなり 11 ヱホバはその民たみにちからをあたへたまふ 平󠄃安やすきをもてその民たみをさきはひたまはん

第30篇

[ 殿とのをささぐるときに謳うたへるダビデのうた ]

1 ヱホバよわれ汝なんぢをあがめん なんぢ我われをおこしてわが仇あたのわがことによりて喜よろこぶをゆるし給たまはざればなり 2 わが神かみヱホバよわれ汝なんぢによばはれば汝なんぢ我われをいやしたまへり 3 ヱホバよ汝なんぢわがたましひを陰府よみよりあげ我われをながらへしめて墓はかにくだらせたまはざりき 4 ヱホバの聖󠄃徒せいとよ ヱホバをほめうたへ奉まつれ きよき名みなに感謝󠄃かんしやせよ 5 その怒いかりはただしばしにてその惠めぐみはいのちとともにながし 夜よはよもすがら泣なきかなしむとも朝󠄃あしたにはよろこびうたはん 6 われ安やすけかりしときに謂いへらく とこしへに動うごかさるることなからんと 7 ヱホバよなんぢ惠めぐみをもてわが山やまをかたく立たゝせたまひき 然しかはあれどなんぢ面みかほをかくしたまひたれば我われおぢまどひたり 8 ヱホバよわれ汝なんぢによばはれり 我われひたすらヱホバにねがへり 9 われ墓はかにくだらばわが血ちなにの益えきあらん 塵ちりはなんぢを讃ほめたたへんや なんぢの眞󠄃理まことをのべつたへんや 10 ヱホバよ聽きゝたまへ われを憐あはれみたまへ ヱホバよ願ねがはくはわが助たすけとなりたまへ 11 なんぢ踴躍󠄃をどりをもてわが哀哭なげきにかへわが麁󠄃服󠄃あらたへをとき歡喜よろこびをもてわが帶おびとしたまへり 12 われ榮さかえをもてほめうたひつつ默もだすことなからんためなり わが神かみヱホバよわれ永遠󠄄とこしへになんぢに感謝󠄃かんしやせん
 986㌻ 

第31篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 ヱホバよわれ汝なんぢによりたのむ 願ねがはくはいづれの日ひまでも愧はぢをおはしめたまふなかれ なんぢの義ぎをもてわれを助たすけたまへ 2 なんぢの耳みゝをかたぶけて速󠄃すみやかにわれをすくひたまへ 願ねがはくはわがためにかたき磐いはとなり我われをすくふ保障まもりの家いへとなりたまへ 3 なんぢはわが磐いはわが城󠄃しろなり されば名みなのゆゑをもてわれを引ひきわれを導󠄃みちびきたまへ 4 なんぢ我われをかれらが密ひそかにまうけたる網󠄄あみよりひきいだしたまへ なんぢはわが保砦とりでなり 5 われ靈魂たましひをなんぢの手みてにゆだぬ ヱホバまことの神かみよなんぢはわれを贖あがなひたまへり 6 われはいつはりの虛むなしきことに心こゝろをよする者ものをにくむ われは獨たゞヱホバによりたのむなり〘762㌻〙 7 我われはなんぢの憐憫あはれみをよろこびたのしまん なんぢわが艱難なやみをかへりみ わがたましひの禍害󠄅わざはひをしり 8 われを仇あたの手てにとぢこめしめたまはず わが足あしをひろきところに立たてたまへばなり 9 われ迫󠄃せまりくるしめり ヱホバよ我われをあはれみたまへ わが目めはうれひによりておとろふ 靈魂たましひも身みもまた衰󠄄おとろへぬ 10 わが生命いのちはかなしみによりて消󠄃きえゆき わが年華としはなげきによりて消󠄃きえゆけばなり わが力ちからはわが不義ふぎによりておとろへ わが骨ほねはかれはてたり 11 われもろもろの仇あたゆゑにそしらる わが隣となりにはわけて甚はなはだし相あひ識しるものには忌憚いみはばかられ衢ちまたにてわれを見みるもの避󠄃さけてのがる 12 われは死しにたるもののごとく忘󠄃わすられて人ひとのこころに置おかれず われはやぶれたる器うつはもののごとくなれり 13 そは我われおほくの人ひとのそしりをきい到いたるところに懼おそれあり かれら我われにさからひて互たがひにはかりしが わが生命いのちをさへとらんと企くはだてたり 14 されどヱホバよわれ汝なんぢによりたのめり また汝なんぢはわが神かみなりといへり 15 わが時ときはすべてなんぢの手みてにあり ねがはくはわれを仇あたの手てよりたすけ われに追󠄃おひ迫󠄃せまるものより助たすけいだしたまへ 16 なんぢの僕しもべのうへに聖󠄃顏みかほをかがやかせ なんぢの仁慈いつくしみをもて我われをすくひたまへ
 987㌻ 
17 ヱホバよわれに愧はぢをおはしめ給たまふなかれ そは我われなんぢをよべばなり 願ねがはくはあしきものに恥はぢをうけしめ陰府よみにありて口くちをつぐましめ給たまへ 18 傲慢たかぶりと輕侮あなどりとをもて義ただしきものにむかひ妄みだりにののしるいつはりの口唇くちびるをつぐましめたまへ 19 汝なんぢをおそるる者もののためにたくはへ なんぢに依賴よりたのむもののために人ひとの子このまへにてほどこしたまへる汝なんぢのいつくしみは大おほいなるかな 20 汝なんぢかれらを御前󠄃みまへなるひそかなる所󠄃ところにかくして人ひとの謀略はかりごとよりまぬかれしめ また行宮かりいほのうちにひそませて舌したのあらそひをさけしめたまはん 21 讃ほむべきかなヱホバは堅固けんごなる城󠄃しろのなかにて奇あやしまるるばかりの仁慈いつくしみをわれに顯あらはしたまへり 22 われ驚おどろきあわてていへらく なんぢの目めのまへより絕たゝれたりと 然されどわれ汝なんぢによびもとめしとき汝なんぢわがねがひの聲こゑをききたまへり 23 なんぢらもろもろの聖󠄃徒せいとよヱホバをいつくしめ ヱホバは眞󠄃實まことあるものをまもり傲慢たかぶる者ものにおもく報むくいをほどこしたまふ 24 すべてヱホバを俟望󠄇まちのぞむものよ雄々ををしかれ なんぢら心こゝろをかたうせよ

第32篇

[ ダビデの訓諭󠄄をしへのうた ]

1 その愆とがをゆるされその罪つみをおほはれしものは福さいはひなり〘763㌻〙 2 不義ふぎをヱホバに負󠄅おはせられざるもの心こゝろにいつはりなき者ものはさいはひなり 3 我われいひあらはさざりしときは終󠄃日ひねもすかなしみさけびたるが故ゆゑにわが骨ほねふるびおとろへたり 4 なんぢの手みてはよるも晝ひるもわがうへにありて重おもし わが身みの潤澤うるほひはかはりて夏なつの旱ひでりのごとくなれり セラ 5 斯かくてわれなんぢの前󠄃みまへにわが罪つみをあらはしわが不義ふぎをおほはざりき 我われいへらくわが愆とがをヱホバにいひあらはさんと 斯かゝるときしも汝なんぢわがつみの邪󠄅曲よこしまをゆるしたまへり セラ 6 されば神かみをうやまふ者ものはなんぢに遇󠄃あふことをうべき間まになんぢに祈いのらん 大水おほみづあふれ流ながるるともかならずその身みにおよばじ
 988㌻ 
7 汝なんぢはわがかくるべき所󠄃ところなり なんぢ患難なやみをふせぎて我われをまもり救すくひのうたをもて我われをかこみたまはん セラ 8 われ汝なんぢををしへ汝なんぢをあゆむべき途󠄃みちにみちびき わが目めをなんぢに注とめてさとさん 9 汝等なんぢらわきまへなき馬むまのごとく驢馬うさぎむまのごとくなるなかれ かれらは鑣くつわたづなのごとき具󠄄ぐをもてひきとめずば近󠄃ちかづききたることなし 10 惡者あしきものはかなしみ多おほかれどヱホバに依賴よりたのむものは憐憫あはれみにてかこまれん 11 ただしき者ものよヱホバを喜よろこびたのしめ 凡すべてこころの直なほきものよ喜よろこびよばふべし

第33篇

1 ただしき者ものよヱホバによりてよろこべ 讃美さんびはなほきものに適󠄄ふさはしきなり 2 琴ことをもてヱホバに感謝󠄃かんしやせよ 十絃とををのことをもてヱホバをほめうたへ 3 あたらしき歌うたをヱホバにむかひてうたひ歡喜よろこびの聲こゑをあげてたくみに琴ことをかきならせ 4 ヱホバのことばは直なほく そのすべて行おこなひたまふところ眞󠄃實まことなればなり 5 ヱホバは義ぎと公󠄃平󠄃こうへいとをこのみたまふ その仁慈いつくしみはあまねく地ちにみつ 6 もろもろの天てんはヱホバのみことばによりて成󠄃なり てんの萬軍ばんぐんはヱホバの口くちの氣いきによりてつくられたり 7 ヱホバはうみの水みづをあつめてうづだかくし深ふかき淵ふちを庫くらにをさめたまふ 8 全󠄃地ぜんちはヱホバをおそれ世よにすめるもろもろの人ひとはヱホバをおぢかしこむべし 9 そはヱホバ言いひたまへば成󠄃なり おほせたまへば立たてるがゆゑなり 10 ヱホバはもろもろの國くにのはかりごとを虛むなしくし もろもろの民たみのおもひを徒勞いたづらにしたまふ 11 ヱホバの謀略はかりごとはとこしへに立たち そのみこころのおもひは世々よゝにたつ 12 ヱホバをおのが神かみとする國くにはさいはひなり ヱホバ嗣業ゆづりにせんとて撰えらびたまへるその民たみはさいはひなり 13 ヱホバ天てんよりうかがひてすべての人ひとの子こを見み 14 その在いますところより地ちにすむもろもろの人ひとをみたまふ 15 ヱホバはすべてかれらの心こゝろをつくり その作なすところをことごとく鑒かんがみたまふ〘764㌻〙
 989㌻ 
16 王わう者しやいくさびと多おほきをもて救すくひをえず勇󠄃士ゆうしちから大おほいなるをもて助たすけをえざるなり 17 馬むまはすくひに益えきなく その大おほいなるちからも人ひとをたすくることなからん 18 視みよヱホバの目めはヱホバをおそるるもの並またその憐憫あはれみをのぞむもののうへにあり 19 此こはかれらのたましひを死しよりすくひ饑󠄃饉としうゑたるときにも世よにながらへしめんがためなり 20 われらのたましひはヱホバを侯望󠄇まちのぞめり ヱホバはわれらの援󠄃たすけわれらの盾たてなり 21 われらはきよき名みなによりたのめり 斯かくてぞわれらの心こゝろはヱホバにありてよろこばん 22 ヱホバよわれら汝なんぢをまちのぞめり これに循したがひて憐憫あはれみをわれらのうへに垂たれたまへ

第34篇

[ ダビデ、アビメレクのまへにて狂くるへる狀さまをなし逐󠄃おはれていでさりしときに作つくれるうた ]

1 われつねにヱホバを祝いはひまつらんその頌󠄃詞たたへごとはわが口くちにたえじ 2 わがたましひはヱホバによりて誇ほこらん 謙󠄃へりくだるものは之これをききてよろこばん 3 われとともにヱホバを崇あがめよ われらともにその名みなをあげたたへん 4 われヱホバを尋󠄃たづねたればヱホバわれにこたへ我われをもろもろの畏懼おそれよりたすけいだしたまへり 5 かれらヱホバを仰あふぎのぞみて光ひかりをかうぶれり かれらの面かほははぢあからむことなし 6 この苦くるしむもの叫さけびたればヱホバこれをきき そのすべての患難なやみよりすくひいだしたまへり 7 ヱホバの使󠄃者つかひはヱホバをおそるる者もののまはりに營えいをつらねてこれを援󠄃たすく 8 なんぢらヱホバの恩惠めぐみふかきを嘗あぢはひしれ ヱホバによりたのむ者ものはさいはひなり 9 ヱホバの聖󠄃徒せいとよヱホバを畏おそれよヱホバをおそるるものには乏とぼしきことなければなり 10 わかき獅しゝはともしくして饑󠄃うゝることあり されどヱホバをたづぬるものは嘉物よきものにかくることあらじ 11 子こよきたりて我われにきけ われヱホバを畏おそるべきことを汝等なんぢらにをしへん
 990㌻ 
12 福祉さいはひをみんがために生命いのちをしたひ存ながらへんことをこのむ者ものはたれぞや 13 なんぢの舌したをおさへて惡あくにつかしめず なんぢの口唇くちびるをおさへて虛僞いつはりをいはざらしめよ 14 惡あくをはなれて善ぜんをおこなひ和睦やはらぎをもとめて切せちにこのことを勉つとめよ 15 ヱホバの目めはただしきものをかへりみ その耳みゝはかれらの號呼さけびにかたぶく 16 ヱホバの聖󠄃顏みかほはあくをなす者ものにむかひてその跡あとを地ちより斷たち滅ほろぼしたまふ 17 義者ただしきものさけびたればヱホバ之これをききてそのすべての患難なやみよりたすけいだしたまへり 18 ヱホバは心こゝろのいたみかなしめる者ものにちかく在いましてたましひの悔くい頽くづほれたるものをすくひたまふ〘765㌻〙 19 ただしきものは患難なやみおほし されどヱホバはみなその中なかよりたすけいだしたまふ 20 ヱホバはかれがすべての骨ほねをまもりたまふ その一ひとつだに折をららるることなし 21 惡あくはあしきものをころさん 義人ただしきひとをにくむものは刑つみなはるべし 22 ヱホバはその僕しもべ等らのたましひを贖あがなひたまふ ヱホバに依賴よりたのむものは一人ひとりだにつみなはるることなからん

第35篇

[ ダビデのうた ]

1 ヱホバよねがはくは我われにあらそふ者ものとあらそひ我われとたたかふものと戰たゝかひたまへ 2 干たてと大盾おほだてとをとりてわが援󠄃たすけにたちいでたまへ 3 戟ほこをぬきいだしたまひて我われにおひせまるものの途󠄃みちをふさぎ且かつわが靈魂たましひにわれはなんぢの救すくひなりといひたまへ 4 願ねがはくはわが靈魂たましひをたづぬるものの恥はぢをえていやしめられ 我われをそこなはんと謀はかるものの退󠄃しりぞけられて惶あわてふためかんことを 5 ねがはくはかれらが風かぜのまへなる粃糠もみがらのごとくなりヱホバの使󠄃者つかひにおひやられんことを 6 願ねがはくはかれらの途󠄃みちをくらくし滑すべらかにしヱホバの使󠄃者つかひにかれらを追󠄃おひゆかしめたまはんことを
 991㌻ 
7 かれらは故ゆゑなく我われをとらへんとて網󠄄あみをあなにふせ 故ゆゑなくわが靈魂たましひをそこなはんとて阱あなをうがちたればなり 8 願ねがはくはかれらが思おもひよらぬ間まにほろびきたり己おのがふせたる網󠄄あみにとらへられ自みづからその滅ほろびにおちいらんことを 9 然さるときわが靈魂たましひはヱホバによりてよろこび その救すくひをもて樂たのしまん 10 わがすべての骨ほねはいはん ヱホバよ汝なんぢはくるしむものを之これにまさりて力ちからつよきものより並またくるしむもの貧󠄃まづしきものを掠かすめうばふ者ものよりたすけいだし給たまふ 誰たれかなんぢに比たぐふべき者ものあらんと 11 こころあしき證あかし人びとおこりてわが知しらざることを詰なじりとふ 12 かれらは惡あくをもてわが善ぜんにむくい我わがたましひを依仗よるべなきものとせり 13 然されどわれかれらが病やみしときには麁󠄃服󠄃あらたへをつけ糧かてをたちてわが靈魂たましひをくるしめたり わが祈いのりはふところにかへれり 14 わがかれに作なせることはわが友ともわが兄弟はらからにことならず母はゝの喪もにありて痛哭なげくがごとく哀かなしみうなたれたり 15 然されどかれらはわが倒たふれんとせしとき喜よろこびつどひわが知しらざりしとき匪類をこのものあつまりきたりて我われをせめ われを裂さきてやめざりき 16 かれらは洒宴しゆえんにて穢きたなきことをのぶる嘲󠄂笑者あざけりびとのごとく我われにむかひて齒はをかみならせり 17 主しゆよいたづらに見みるのみにして幾いく何時そのときをへたまふや 願ねがはくはわがたましひの彼等かれらにほろぼさるるを脱のがれしめ わが生命いのちをわかき獅しゝよりまぬかれしめたまへ〘766㌻〙 18 われ大おほいなる會つどひにありてなんぢに感謝󠄃かんしやし おほくの民たみのなかにて汝なんぢをほめたたへん 19 虛僞いつはりをもてわれに仇あたするもののわが故ゆゑによろこぶことを容ゆるしたまふなかれ 故ゆゑなくして我われをにくむ者もののたがひに眴めくばせすることなからしめたまへ 20 かれらは平󠄃安やすきをかたらず あざむきの言ことばをつくりまうけて國內くにのうちにおだやかにすまふ者ものをそこなはんと謀はかる 21 然しかのみならず我われにむかひて口くちをあけひろげ ああ視みよや視みよやわれらの眼めこれをみたりといへり 22 ヱホバよ汝なんぢすでにこれを視みたまへり ねがはくは默もだしたまふなかれ主しゆよわれに遠󠄄とほざかりたまふなかれ
 992㌻ 
23 わが神かみよわが主しゆよ おきたまへ醒さめたまへ ねがはくはわがために審判󠄄さばきをなしわが訟󠄃うたへををさめたまへ 24 わが神かみヱホバよなんぢの義ぎにしたがひて我われをさばきたまへ わが事ことによりてかれらに歡喜よろこびをえしめたまふなかれ 25 かれらにその心裡こころのうちにて ああここちよきかな觀みよこれわが願ねがひしところなりといはしめたまふなかれ 又󠄂またわれらかれを呑のみつくせりといはしめたまふなかれ 26 願ねがはくはわが害󠄅そこなはるるを喜よろこぶもの皆みなはぢて惶あわてふためき 我われにむかひてはこりかに高たかぶるものの愧はぢとはづかしめとを衣きんことを 27 わが義ぎをよみする者ものをばよろこび謳うたはしめ大おほいなるかなヱホバその僕しもべのさいはひを悅よろこびたまふと恒つねにいはしめたまへ 28 わが舌したは終󠄃日ひねもすなんぢの義ぎとなんぢの譽ほまれとをかたらん

第36篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるヱホバの僕しもべダビデのうた ]

1 あしきものの愆とがはわが心こゝろのうちにかたりて その目めのまへに神かみをおそるるの畏おそれあることなしといふ 2 かれはおのが邪󠄅曲よこしまのあらはるることなく憎にくまるることなからんとて自みづからその目めにて謟おもねる 3 その口くちのことばは邪󠄅曲よこしまと虛僞いつはりとなり智ちをこばみ善ぜんをおこなふことを息やめたり 4 かつその寢床ふしどにてよこしまなる事ことをはかり よからぬ途󠄃みちにたちとまりて惡あくをきらはず 5 ヱホバよなんぢの仁慈いつくしみは天てんにあり なんぢの眞󠄃實まことは雲くもにまでおよぶ 6 汝なんぢのただしきは神かみの山やまのごとく なんぢの審判󠄄さばきはおほいなる淵ふちなり ヱホバよなんぢは人ひととけものとを護まもりたまふ 7 神かみよなんぢの仁慈いつくしみはたふときかな 人ひとの子こはなんぢの翼󠄅つばさの蔭かげにさけどころを得え 8 なんぢの屋いへのゆたかなるによりてことごとく飽󠄄あくことをえん なんぢはその歡樂たのしみのかはの水みづをかれらに飮のましめたまはん 9 そはいのちの泉いづみはなんぢに在あり われらはなんぢの光ひかりによりて光ひかりをみん
 993㌻ 
10 ねがはくはなんぢを知しるものにたえず憐憫あはれみをほどこし心こゝろなほき者ものにたえず正義たゞしきをほどこしたまへ〘767㌻〙 11 たかぶるものの足あしわれをふみ惡あしきものの手てわれを逐󠄃おひ去はらふをゆるし給たまふなかれ 12 邪󠄅曲よこしまをおこなふ者ものはかしこに仆たふれたり かれら打うち伏ふせられてまた起󠄃たつことあたはざるべし

第37篇

[ ダビデのうた ]

1 惡あくをなすものの故ゆゑをもて心こゝろをなやめ 不義ふぎをおこなふ者ものにむかひて嫉ねたみをおこすなかれ 2 かれらはやがて草くさのごとくかりとられ靑菜󠄄あをきなのごとく打うち萎しをるべければなり 3 ヱホバによりたのみて善ぜんをおこなへ この國くににとゞまり眞󠄃實まことをもて糧かてとせよ 4 ヱホバによりて歡喜よろこびをなせ ヱホバはなんぢが心こゝろのねがひを汝なんぢにあたへたまはん 5 なんぢの途󠄃みちをヱホバにゆだねよ 彼かれによりたのまば之これをなしとげ 6 光ひかりのごとくなんぢの義ぎをあきらかにし午日まひるのごとくなんぢの訟󠄃うたへをあきらかにしたまはん 7 なんぢヱホバのまへに口くちをつぐみ忍󠄄しのびてこれを俟まち望󠄇のぞめ おのが途󠄃みちをあゆみて榮さかゆるものの故ゆゑをもて あしき謀略はかりごとをとぐる人ひとの故ゆゑをもて心こゝろをなやむるなかれ 8 怒いかりをやめ忿恚いきどほりをすてよ 心こゝろをなやむるなかれ これ惡あくをおこなふ方かたにうつらん 9 そは惡あくをおこなふものは斷たち滅ほろぼされ ヱホバを俟まち望󠄇のぞむものは國くにをつぐべければなり 10 あしきものは久ひさしからずしてうせん なんぢ細密こまかにその處ところをおもひみるともあることなからん 11 されど謙󠄃へりくだるものは國くにをつぎ また平󠄃安やすきのゆたかなるを樂たのしまん 12 惡あしきものは義ただしきものにさからはんとて謀略はかりごとをめぐらし之これにむかひて切齒はがみす 13 主しゆはあしきものを笑わらひたまはん かれが日ひのきたるを見みたまへばなり 14 あしきものは劍つるぎをぬき弓ゆみをはりて苦くるしむものと貧󠄃まづしきものとをたふし行おこなひなほきものを殺ころさんとせり
 994㌻ 
15 されどその劍つるぎはおのが胸むねをさしその弓ゆみはをらるべし 16 義人ただしきひとのもてるもののすくなきは多おほくの惡あしきものの豐ゆたかなるにまされり 17 そは惡あしきものの臂かひなはをらるれどヱホバは義ただしきものを扶たすけ持ささへたまへばなり 18 ヱホバは完全󠄃まつたきもののもろもろの日ひをしりたまふ かれらの嗣業ゆずりはかぎりなく久ひさしからん 19 かれらは禍害󠄅わざはひにあふとき愧はぢをおはず饑󠄃饉うゑどしの日ひにもあくことを得えん 20 あしき者ものはほろびヱホバのあたは牧場まきのさかえの枯かるるがごとくうせ煙󠄃けぶりのごとく消󠄃きえゆかん 21 あしき者ものはものかりて償つくのはず 義ただしきものは惠めぐみありて施ほどこしあたふ 22 神かみのことほぎたまふ人ひとは國くにをつぎ 神かみののろひたまふ人ひとは斷たち滅ほろぼさるべし 23 人ひとのあゆみはヱホバによりて定さだめらる そのゆく途󠄃みちをヱホバよろこびたまへり〘768㌻〙 24 縱たとひその人ひとたふるることありとも全󠄃またくうちふせらるることなし ヱホバかれが手てをたすけ支󠄂さゝへたまへばなり 25 われむかし年としわかくして今いまおいたれど 義者ただしきもののすてられ或あるはその裔すゑの糧かてこひありくを見みしことなし 26 ただしきものは終󠄃日ひねもすめぐみありて貸かしあたふ その裔すゑはさいはひなり 27 惡あくをはなれて善ぜんをなせ 然さらばなんぢの住󠄃居すまひとこしへならん 28 ヱホバは公󠄃平󠄃こうへいをこのみ その聖󠄃徒せいとをすてたまはざればなり かれらは永遠󠄄とこしへにまもりたすけらるれど惡あしきもののすゑは斷たち滅ほろぼさるべし 29 ただしきものは國くにをつぎ その中なかにすまひてとこしへに及およばん 30 ただしきものの口くちは智慧󠄄ちゑをかたり その舌したは公󠄃平󠄃こうへいをのぶ 31 かれが神かみの法のりはそのこころにあり そのあゆみは一ひと步あゆみだにすべることあらじ 32 あしきものは義者ただしきものをひそみうかがひて之これをころさんとはかる 33 ヱホバは義者ただしきものをあしきものの手てにのこしおきたまはず 審判󠄄さばきのときに罰つみなひたまふことなし 34 ヱホバを俟まち望󠄇のぞみてその途󠄃みちをまもれ さらば汝なんぢをあげて國くにをつがせたまはん なんぢ惡者あしきもののたちほろぼさるる時ときにこれをみん
 995㌻ 
35 我われあしきものの猛たけくしてはびこれるを見みるに生おひ立たちたる地ちにさかえしげれる樹きのごとし 36 然しかれどもかれは逝󠄃すぎゆけり 視みよたちまちに無なくなりぬ われ之これをたづねしかど邁あふことをえざりき 37 完またき人ひとに目めをそそぎ直なほき人ひとをみよ 和平󠄃おだやかなる人ひとには後のちあれど 38 罪つみををかすものらは共ともにほろぼされ惡あしきものの後のちはかならず斷たゝるべければなり 39 ただしきものの救すくひはヱホバよりいづ ヱホバはかれらが辛苦くるしみのときの保砦とりでなり 40 ヱホバはかれらを助たすけ かれらを解とき脱はなちたまふ ヱホバはかれらを惡者あしきものよりときはなちて救すくひたまふ かれらはヱホバをその避󠄃所󠄃さけどころとすればなり

第38篇

[ 記念きねんのためにつくれるダビデのうた ]

1 ヱホバよねがはくは忿恚いきどほりをもて我われをせめ はげしき怒いかりをもて我われをこらしめ給たまふなかれ 2 なんぢの矢やわれにあたり なんぢの手みてわがうへを壓󠄂おさへたり 3 なんぢの怒いかりによりてわが肉󠄁にくには全󠄃またきところなく わが罪つみによりてわが骨ほねには健󠄄すこやかなるところなし 4 わが不義ふぎは首かうべをすぎてたかく重荷おもにのごとく負󠄅おひがたければなり 5 われ愚おろかなるによりてわが傷きずあしき臭にほひをはなちて腐くされただれたり 6 われ折をれ屈かがみていたくなげきうなたれたり われ終󠄃日ひねもすかなしみありく 7 わが腰󠄃こしはことごとく燒やくるがごとく肉󠄁にくに全󠄃またきところなければなり〘769㌻〙 8 我われおとろへはて甚いたくきずつけられわが心こゝろのやすからざるによりて欷歔うめきさけべり 9 ああ主しゆよわがすべての願望󠄇ねがひはなんぢの前󠄃みまへにあり わが嘆息なげきはなんぢに隱かくるることなし 10 わが胸むねをどりわが力ちからおとろへ わが眼めのひかりも亦またわれをはなれたり 11 わが友ともわが親したしめるものはわが痍きづをみて遙はるかにたち わが隣となりもまた遠󠄄とほざかりてたてり 12 わが生命いのちをたづぬるものは羂わなをまうけ我われをそこなはんとするものは惡あしき言ことをいひ また終󠄃日ひねもすたばかりを謀はかる 13 然しかはあれどわれは聾󠄃者みみしひのごとくきかず われは口くちをひらかぬ啞者おふしのごとし
 996㌻ 
14 如此かくわれはきかざる人ひとのごとく口くちにことあげせぬ人ひとのごときなり 15 ヱホバよ我われなんぢを俟まち望󠄇のぞめり 主しゆわが神かみよなんぢかならず答こたへたまふべければなり 16 われ曩さきにいふ おそらくはかれらわが事ことによりて喜よろこび わが足あしのすべらんとき我われにむかひて誇ほこりかにたかぶらんと 17 われ仆たふるるばかりになりぬ わが悲哀かなしみはたえずわが前󠄃まへにあり 18 そは我われみづから不義ふぎをいひあらはし わが罪つみのためにかなしめばなり 19 わが仇あたはいきはたらきてたけく故ゆゑなくして我われをうらむるものおほし 20 惡あくをもて善ぜんにむくゆるものはわれ善事よきことにしたがふが故ゆゑにわが仇あたとなれり 21 ヱホバよねがはくは我われをはなれたたまふなかれ わが神かみよわれに遠󠄄とほざかりたまふなかれ 22 主しゆわがすくひよ速󠄃とくきたりて我われをたすけたまへ

第39篇

[ 伶長うたのかみエドトンにうたはしめたるダビデのうた ]

1 われ曩さきにいへり われ舌したをもて罪つみををかさざらんために我わがすべての途󠄃みちをつつしみ惡者あしきもののわがまへに在をるあひだはわが口くちに衝くつわをかけんと 2 われ默もだして啞おふしとなり善言よきことすらことばにいださず わが憂うれひなほおこれり 3 わが心こゝろわがうちに熱ねつし おもひつづくるほどに火ひもえぬればわれ舌したをもていへらく 4 ヱホバよ願ねがはくはわが終󠄃をはりとわが日ひの數󠄄かずのいくばくなるとを知しらしめたまへ わが無常はかなきをしらしめたまへ 5 觀みよなんぢわがすべての日ひを一掌つかのまにすぎさらしめたまふ わがいのち主前󠄃みまへにてはなきにことならず 實げにすべての人ひとは皆みなその盛󠄃さかりの時ときだにもむなしからざるはなし セラ 6 人ひとの世よにあるは影かげにことならず その思おもひなやむことはむなしからざるなし その積蓄つみたくはふるものはたが手てにをさまるをしらず 7 主しゆよわれ今いまなにをかまたん わが望󠄇のぞみはなんぢにあり 8 ねがはくは我われぞすべて愆とがより助たすけいだしたまへ 愚おろかなるものに誹そしらるることなからしめたまへ
 997㌻ 
9 われは默もだして口くちをひらかず 此こはなんぢの成󠄃なしたまふ者ものなればなり〘770㌻〙 10 願ねがはくはなんぢの責せめをわれよりはなちたまへ 我われなんぢの手みてにうちこらさるるによりて亡ほろぶるばかりになりぬ 11 なんぢ罪つみをせめて人ひとをこらし その慕したひよろこぶところのものを蠧しみのくらふがごとく消󠄃きえうせしめたまふ 實げにもろもろの人ひとはむなしからざるなし セラ 12 ああヱホバよねがはくはわが祈いのりをきき わが號呼さけびに耳みゝをかたぶけたまへ わが淚なみだをみて默もだしたまふなかれ われはなんぢに寄よる旅󠄃客たびゞとすべてわが列祖おやたちのごとく宿やどれるものなり 13 我われここを去さりてうせざる先さきになんぢ面みかほをそむけてわれを爽快さはやかならしめたまへ

第40篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 我われたへしのびてヱホバを俟まち望󠄇のぞみたり ヱホバ我われにむかひてわが號呼さけびをききたまへり 2 また我われをほろびの阱あなより泥ひぢのなかよりとりいだしてわが足あしを磐いはのうへにおきわが步あゆみをかたくしたまへり 3 ヱホバはあたらしき歌うたをわが口くちにいれたまへり此こはわれらの神かみにささぐる讃美さんびなり おほくの人ひとはこれを見みておそれ かつヱホバによりたのまん 4 ヱホバをおのが賴たのみとなし高たかぶるものによらず虛僞いつはりにかたぶく者ものによらざる人ひとはさいはひなり 5 わが神かみヱホバよなんぢの作なしたまへる奇くすしき迹みわざと われらにむかふ念おもひとは甚いとおほくして汝なんぢのみまへにつらねいふことあたはず 我われこれをいひのべんとすれどその數󠄄かずかぞふることあたはず 6 なんぢ犧牲いけにへと祭物そなへものとをよろこびたまはず汝なんぢわが耳みゝをひらきたまへり なんぢ燔祭はんさいと罪祭ざいさいとをもとめたまはず 7 そのとき我われいへらく 觀みよわれきたらんわがことを書ふみの卷まきにしるしたり 8 わが神かみよわれは聖󠄃意みこころにしたがふことを樂たのしむ なんぢの法のりはわが心こゝろのうちにありと
 998㌻ 
9 われ大おほいなる會つどひにて義ぎをつげしめせり 視みよわれ口唇くちびるをとぢず ヱホバよなんぢ之これをしりたまふ 10 われなんぢの義ぎをわが心こゝろのうちにひめおかず なんぢの眞󠄃實しんじつとなんぢの拯救すくひとをのべつたへたり 我われなんぢの仁慈いつくしみとなんぢの眞󠄃理まこととをおほいなる會つどひにかくさざりき 11 ヱホバよなんぢ憐憫あはれみをわれにをしみたまふなかれ 仁慈いつくしみと眞󠄃理まこととをもて恒つねにわれをまもりたまへ 12 そはかぞへがたき禍害󠄅わざはひわれをかこみ わが不義ふぎわれに追󠄃及おひしきてあふぎみること能あたはぬまでになりぬ その多おほきことわが首かしらの髮けにもまさり わが心こゝろきえうするばかりなればなり 13 ヱホバよ願ねがはくはわれをすくひたまへ ヱホバよ急󠄃いそぎきたりて我われをたすけたまへ 14 願ねがはくはわが靈魂たましひをたづねほろぼさんとするものの皆みなはぢあわてんことを わが害󠄅そこなはるるをよろこぶもののみな後うしろにしりぞきて恥はぢをおはんことを〘771㌻〙 15 われにむかひて ああ視みよや視みよやといふ者ものおのが恥はぢによりておどろきおそれんことを 16 願ねがはくはなんぢを尋󠄃たづね求もとむるものの皆みななんぢによりて樂たのしみよろこばんことを なんぢの救すくひをしたふものの恒つねにヱホバは大おほいなるかなととなへんことを 17 われはくるしみ且かつともし 主しゆわれをねんごろに念おもひたまふ なんぢはわが助たすけなり われをすくひたまふ者ものなり ああわが神かみよねがはくはためらひたまふなかれ

第41篇

[ うたのかみに謳うたはしめたるダビデのうた ]

1 よわき人ひとをかへりみる者ものはさいはひなり ヱホバ斯かゝるものを禍わざはひの日ひにたすけたまはん 2 ヱホバ之これをまもり之これをながらへしめたまはん かれはこの地ちにありて福祉さいはひをえん なんぢ彼かれをその仇あたののぞみにまかせて付わたしたまふなかれ 3 ヱホバは彼かれがわづらひの床とこにあるをたすけ給たまはん なんぢかれが病やめるときその衾裯ふすまをしきかへたまはん 4 我われいへらくヱホバよわれを憐あはれみわがたましひを醫いやしたまへ われ汝なんぢにむかひて罪つみををかしたりと
 999㌻ 
5 わが仇あたわれをそしりていへり 彼かれいづれのときに死しにいづれのときにその名なほろびんと 6 かれ又󠄂またわれを見みんとてきたるときは虛僞いつはりをかたり邪󠄅曲よこしまをその心こゝろにあつめ 外ほかにいでてはこれを述󠄃のぶ 7 すべてわれをにくむもの互たがひにささやき我われをそこなはんとて相あひ謀はかる 8 かつ云いふ かれに一ひとつのわざはひつきまとひたれば仆たふれふしてふたゝび起󠄃おこることなからんと 9 わが恃たのみしところ わが糧かてをくらひしところのわが親したしき友ともさへも我われにそむきてその踵くびすをあげたり 10 然しかはあれどヱホバよ汝なんぢねがはくは我われをあはれみ我われをたすけて起󠄃おこしたまへ されば我われかれらに報むくゆることをえん 11 わが仇あたわれに打うち勝󠄃かちてよろこぶこと能あたはざるをもて汝なんぢがわれを愛めでいつくしみたまふを我われしりぬ 12 わが事ことをいはば なんぢ我われをわが完全󠄃またきうちにてたもち我われをとこしへに面みかほのまへに置をきたまふ 13 イスラエルの神かみヱホバはとこしへより永遠󠄄とこしへまでほむべきかな アーメン アーメン

第42篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるコラの子このをしへの歌うた ]

1 ああ神かみよしかの溪水たにがはをしたひ喘あへぐがごとく わが靈魂たましひもなんぢをしたひあへぐなり 2 わがたましひは渇かわけるごとくに神かみをしたふ 活いける神かみをぞしたふ 何いづれのときにか我われゆきて神かみのみまへにいでん 3 かれらが終󠄃日ひねもすわれにむかひて なんぢの神かみはいづくにありやとののしる間あひだはただわが淚なみだのみ晝夜よるひるそそぎてわが糧かてなりき〘772㌻〙 4 われむかし群むれをなして祭日いはひのひをまもる衆人おほくのひととともにゆき歡喜よろこびと讃美さんびのこゑをあげてかれらを神かみの家いへにともなへり 今いまこれらのことを追󠄃想おもひおこしてわが衷うちよりたましひを注そゝぎいだすなり 5 ああわが靈魂たましひよ なんぢ何なんぞうなたるるや なんぞわが衷うちにおもひみだるるや なんぢ神かみをまちのぞめ われに聖󠄃顏みかほのたすけありて我われなほわが神かみをほめたたふべければなり 6 わが神かみよわがたましひはわが衷うちにうなたる 然さればわれヨルダンの地ちよりヘルモンよりミザルの山やまより汝なんぢをおもひいづ
 1000㌻ 
7 なんぢの大瀑おほだきのひびきによりて淵々ふち〴〵よびこたへ なんぢの波なみなんぢの猛浪おほなみことごとくわが上うへをこえゆけり 8 然しかはあれど晝ひるはヱホバその憐憫あはれみをほどこしたまふ 夜よるはその歌うたわれとともにあり 此このうたはわがいのちの神かみにささぐる祈いのりなり 9 われわが磐いはなる神かみにいはん なんぞわれを忘󠄃わすれたまひしや なんぞわれは仇あたのしへたげによりて悲かなしみありくや 10 わが骨ほねもくだくるばかりにわがてきはひねもす我われにむかひて なんぢの神かみはいづくにありやといひののしりつつ我われをそしれり 11 ああわがたましひよ 汝なんぢなんぞうなたるるや 何なんぞわがうちに思おもひみだるるや なんぢ神かみをまちのぞめ われ尙なほわがかほの助たすけなるわが神かみをほめたたふべければなり

第43篇

1 神かみよねがはくは我われをさばき 情󠄃なさけしらぬ民たみにむかひてわが訟󠄃うたへをあげつらひ詭計たばかりおほきよこしまなる人ひとより我われをたすけいだし給たまへ 2 なんぢはわが力ちからの神かみなり なんぞ我われをすてたまひしや 何なんぞわれは仇あたの暴虐󠄃しひたげによりてかなしみありくや 3 願ねがはくはなんぢの光ひかりとなんぢの眞󠄃理まこととをはなち我われをみちびきてその聖󠄃山きよきやまとその帷幄あけばりとにゆかしめたまへ 4 さらばわれ神かみの祭壇さいだんにゆき又󠄂またわがよろこびよろこぶ神かみにゆかん ああ神かみよわが神かみよわれ琴ことをもてなんぢを讃ほめたたへん 5 ああわが靈魂たましひよなんぢなんぞうなたるるや なんぞわが衷うちにおもひみだるるや なんぢ神かみによりて望󠄇のぞみをいだけ 我われなほわが面かほのたすけなるわが神かみをほめたたふべければなり

第44篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるコラの子このをしへの歌うた ]

1 ああ神かみよむかしわれらの列祖おやたちの日ひになんぢがなしたまひし事迹みわざをわれら耳みゝにきけり 列祖おやたちわれらに語かたれり
 1001㌻ 
2 なんぢ手みてをもてもろもろの國人くにびとをおひしりぞけ われらの列祖おやたちをうゑ並またもろもろの民たみをなやましてわれらの列祖おやたちをはびこらせたまひき 3 かれらはおのが劍つるぎによりて國くにをえしにあらず おのが臂かひなによりて勝󠄃かちをえしにあらず 只たゞなんぢの右みぎの手てなんぢの臂かひななんぢの面みかほのひかりによれり 汝なんぢかれらを惠めぐみたまひたればなり〘773㌻〙 4 神かみよなんぢはわが王わうなり ねがはくはヤコブのために救すくひをほどこしたまへ 5 われらは汝なんぢによりて敵てきをたふし また我儕われらにさからひて起󠄃おこりたつものをなんぢの名みなによりて踐ふみ壓󠄂おさふべし 6 そはわれわが弓ゆみによりたのまず わが劍つるぎもまた我われをすくふことあたはざればなり 7 なんぢわれらを敵てきよりすくひ またわれらを惡にくむものを辱はづかしめたまへり 8 われらはひねもす神かみによりてほこり われらは永遠󠄄とこしへになんぢの名みなに感謝󠄃かんしやせん セラ 9 しかるに今いまはわれらをすてて恥はぢをおはせたまへり われらの軍人いくさびととともに出いでゆきたまはず 10 われらを敵てきのまへより退󠄃しりぞかしめたまへり われらを惡にくむものその任意こころままにわれらを掠かすめうばへり 11 なんぢわれらを食󠄃しよくにそなへらるる羊ひつじのごとくにあたへ斯かくてわれらをもろもろの國人くにびとのなかにちらし 12 得うるところなくしてなんぢの民たみをうり その價あたひによりてなんぢの富とみをましたまはざりき 13 汝なんぢわれらを隣人となりにそしらしめ われらを環󠄃めぐるものにあなどらしめ 嘲󠄂あざけらしめたまへり 14 又󠄂またもろもろの國くにのなかにわれらを談柄ことくさとなし もろもろの民たみのなかにわれらを頭かしらふらるる者ものとなしたまへり 15 わが凌辱はづかしめひねもす我わがまへにあり わがかほの恥はぢわれをおほへり 16 こは我われをそしり我われをののしるものの聲こゑにより我われにあだし我われにうらみを報むくゆるものの故ゆゑによるなり 17 これらのこと皆みなわれらに臨のぞみきつれどわれらなほ汝なんぢをわすれず なんぢの契󠄅約けいやくをいつはりまもらざりき 18 われらの心こゝろしりぞかずわれらの步履あゆみなんぢの道󠄃みちをはなれず
 1002㌻ 
19 然されどなんぢは野の犬いぬのすみかにてわれらをきずつけ死蔭しのかげをもてわれらをおほひ給たまへり 20 われらもしおのれの神かみの名みなをわすれ或あるひはわれらの手てを異神あだしかみにのべしことあらんには 21 神かみはこれを糺たゞしたまはざらんや 神かみはこころの隱かくれたることをも知しりたまふ 22 われらは終󠄃日ひねもすなんぢのために死しにわたされ屠󠄃ほふられんとする羊ひつじの如ごとくせられたり 23 主しゆよさめたまへ何いかなればねぶりたまふや起󠄃おきたまへ われらをとこしへに棄すてたまふなかれ 24 いかなれば聖󠄃顏みかほをかくしてわれらがうくる苦難なやみと虐󠄃待しへたげとをわすれたまふや 25 われらのたましひはかがみて塵ちりにふし われらの腹はらは土つちにつきたり 26 ねがはくは起󠄃おきてわれらをたすけたまへ なんぢの仁慈いつくしみのゆゑをもてわれらを贖あがなひたまへ〘774㌻〙

第45篇

[ 百合花ゆりのはなのしらべにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるコラの子このをしへのうた 愛あいのうた ]

1 わが心こゝろはうるはしき事ことにてあふる われは王わうのために詠よみたるものをいひいでん わが舌したはすみやけく寫字人ものかくひとの筆ふでなり 2 なんぢは人ひとの子輩こらにまさりて美うるはしく文󠄃雅みやびそのくちびるにそそがる このゆゑに神かみはとこしへに汝なんぢをさいはひしたまへり 3 英雄ますらをよなんぢその劍つるぎその榮さかえその威󠄂ゐをこしに佩おぶべし 4 なんぢ眞󠄃理まことと柔和にうわとただしきとのために威󠄂ゐをたくましくし勝󠄃かちをえて乘のりすすめ なんぢの右手みぎのてなんぢに畏おそるべきことををしへん 5 なんぢの矢やは鋭とくして王わうのあたの胸むねをつらぬき もろもろの民たみはなんぢの下もとにたふる 6 神かみよなんぢの寳座みくらはいやとほ永ながくなんぢの國くにのつゑは公󠄃平󠄃こうへいのつゑなり 7 なんぢは義ぎをいつくしみ惡あくをにくむ このゆゑに神かみなんぢの神かみはよろこびの膏あぶらをなんぢの侶ともよりまさりて汝なんぢにそそぎたまへり 8 なんぢの衣ころもはみな沒藥もつやく蘆薈ろくわい肉󠄁桂にくけいのかをりあり 琴瑟をごとの音󠄃ねざうげの諸殿との〴〵よりいでて汝なんぢをよろこばしめたり 9 なんぢがたふとき婦󠄃をんなのなかにはもろもろの王わうのむすめあり 皇后きさきはオフルの金こがねをかざりてなんぢの右みぎにたつ
 1003㌻ 
10 女むすめよきけ目めをそそげ なんぢの耳みゝをかたぶけよ なんぢの民たみとなんぢが父󠄃ちゝの家いへとをわすれよ 11 さらば王わうはなんぢの美麗󠄃うるはしきをしたはん 王わうはなんぢの主しゆなりこれを伏ふし拜をがめ 12 ツロの女むすめは贈物おくりものをもてきたり民たみの間なかのとめるものも亦またなんぢの惠めぐみをこひもとめん 13 王わうのむすめは殿とののうちにていとど榮さかえかがやき そのころもは金こがねをもて織おりなせり 14 かれは鍼繍ぬひものせる衣ころもをきて王わうのもとにいざなはる 之これにともなへる處女をとめもそのあとにしたがひて汝なんぢのもとにみちびかれゆかん 15 かれらは歡喜よろこびと快樂たのしみとをもていざなはれ斯かくして王わうの殿とのにいらん 16 なんぢの子こらは列祖おやたちにかはりてたち なんぢはこれを全󠄃地ぜんちに君きみとなさん 17 我われなんぢの名なをよろづ代よにしらしめん この故ゆゑにもろもろの民たみはいやとほ永ながくなんぢに感謝󠄃かんしやすべし

第46篇

[ 女をんなの音󠄃こゑのしらべにしたがひて伶長うたのかみにうたはしめたるコラの子このうた ]

1 神かみはわれらの避󠄃所󠄃さけどころまた力ちからなり なやめるときの最いとちかき助たすけなり 2 さればたとひ地ちはかはり山やまはうみの中央もなかにうつるとも我儕われらはおそれじ 3 よしその水みづはなりとどろきてさわぐとも その溢󠄃あふれきたるによりて山やまはゆるぐとも何なにかあらん セラ 4 河かはありそのながれは神かみのみやこをよろこばしめ至上者いとたかきもののすみたまふ聖󠄃所󠄃せいじよをよろこばしむ〘775㌻〙 5 神かみそのなかにいませば都みやこはうごかじ 神かみは朝󠄃あさつとにこれを助たすけたまはん 6 もろもろの民たみはさわぎたち もろもろの國くにはうごきたり 神かみその聲こゑをいだしたまへば地ちはやがてとけぬ 7 萬軍ばんぐんのヱホバはわれらとともなり ヤコブの神かみはわれらのたかき櫓やぐらなり セラ 8 きたりてヱホバの事跡みわざをみよ ヱホバはおほくの懼おそるべきことを地ちになしたまへり 9 ヱホバは地ちのはてまでも戰鬪たたかひをやめしめ弓ゆみををり戈ほこをたち戰車いくさぐるまを火ひにてやきたまふ
 1004㌻ 
10 汝等なんぢらしづまりて我われの神かみたるをしれ われはもろもろの國くにのうちに崇あがめられ全󠄃地ぜんちにあがめらるべし 11 萬軍ばんぐんのヱホバはわれらと偕ともなり ヤコブの神かみはわれらの高たかきやぐらなり セラ

第47篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるコラの子このうた ]

1 もろもろのたみよ手てをうち歡喜よろこびのこゑをあげ神かみにむかひてさけべ 2 いとたかきヱホバはおそるべく また地ちをあまねく治しろしめす大おほいなる王わうにてましませばなり 3 ヱホバはもろもろの民たみをわれらに服󠄃まつろはせ もろもろの國くにをわれらの足下あしのもとにまつろはせたまふ 4 又󠄂またそのいつくしみたまふヤコブが譽ほまれとする嗣業ゆづりをわれらのために選󠄄えらびたまはん セラ 5 神かみはよろこびさけぶ聲こゑとともにのぼり ヱホバはラッパの聲こゑとともにのぼりたまへり 6 ほめうたへ神かみをほめうたへ 頌󠄃歌ほめうたへわれらの王わうをほめうたへ 7 かみは地ちにあまねく王わうなればなり 敎訓をしへのうたをうたひてほめよ 8 神かみはもろもろの國くにをすべをさめたまふ 神かみはそのきよき寳座みくらにすわりたまふ 9 もろもろのたみの諸侯きみたちはつどひきたりてアブラハムの神かみの民たみとなれり 地ちのもろもろの盾たては神かみのものなり神かみはいとたふとし

第48篇

[ コラの子このうたなり讃美さんびなり ]

1 ヱホバは大おほいなり われらの神かみの都みやこそのきよき山やまのうへにて甚いたくほめたたへられたまふべし 2 シオンの山やまはきたの端はしたかくしてうるはしく喜悅よろこびを地ちにあまねくあたふ ここは大おほいなる王わうのみやこなり 3 そのもろもろの殿とののうちに神かみはおのれをたかき櫓やぐらとしてあらはしたまへり 4 みよ王等わうたちはつどひあつまりて偕ともにすぎゆきぬ 5 かれらは都みやこをみてあやしみ且かつおそれて忽たちまちのがれされり 6 戰慄をののきはかれらにのぞみ その苦痛くるしみは子こをうまんとする婦󠄃をんなのごとし
 1005㌻ 
7 なんぢは東風こちかぜをおこしてタルシシの舟ふねをやぶりたまふ 8 曩さきにわれらが聞きゝしごとく今いまわれらは萬軍ばんぐんのヱホバの都みやこわれらの神かみのみやこにて之これをみることをえたり 神かみはこの都みやこをとこしへまで固かたくしたまはん セラ 9 神かみよ我われらはなんぢの宮みやのうちにて仁慈みいつくしみをおもへり〘776㌻〙 10 神かみよなんぢの譽ほまれはその名みなのごとく地ちの極はてにまでおよべり なんぢの右手みぎのてはただしきにて充みてり 11 なんぢのもろもろの審判󠄄さばきによりてシオンの山やまはよろこびユダの女むすめ輩たちはたのしむべし 12 シオンの周󠄃圍󠄃まはりをありき徧あまねくめぐりてその櫓やぐらをかぞへよ 13 その石垣いしがきに目めをとめよ そのもろもろの殿とのをみよ なんぢらこれを後代のちのよにかたりつたへんが爲ためなり 14 そはこの神かみはいや遠󠄄長とほながにわれらの神かみにましましてわれらを死しぬるまでみちびきたまはん

第49篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるコラの子このうた ]

1 -2 もろもろの民たみよきけ賤いやしきも貴たふときも富とめるも貧󠄃まづしきもすべて地ちにすめる者ものよ なんぢらともに耳みゝをそばだてよ 3 わが口くちはかしこきことをかたり わが心こゝろはさときことを思おもはん 4 われ耳みゝを喩󠄄言たとへにかたぶけ琴ことをならしてわが幽玄かすかなる語ことばをときあらはさん 5 わが踵くびすにちかかる不義ふぎのわれを打うち圍󠄃かこむわざはひの日ひもいかで懼おそるることあらんや 6 おのが富とみをたのみ財たからおほきを誇ほこるもの 7 たれ一人ひとりおのが兄弟はらからをあがなふことあたはず之これがために贖價あがなひしろを神かみにささげ 8 -9 之これをとこしへに生存いかながらへしめて朽くちざらしむることあたはず(靈魂たましひをあがなふには費つひえいとおほくして此事このことをとこしへに捨󠄃置すておかざるを得えざればなり) 10 そは智かしこきものも死しに おろかものも獸心者しれものもひとしくほろびてその富とみを他人あだしびとにのこすことは常つねにみるところなり 11 かれら竊ひそかにおもふ わが家いへはとこしへに存のこりわがすまひは世々よゝにいたらんと かれらはその地ちにおのが名なをおはせたり 12 されど人ひとは譽ほまれのなかに永ながくとゞまらず亡ほろびうする獸けもののごとし
 1006㌻ 
13 斯かくのごときは愚おろかなるものの途󠄃みちなり 然しかはあれど後のちの人ひとはその言ことばをよしとせん セラ 14 かれらは羊ひつじのむれのごとくに陰府よみのものと定さだめらる 死しこれが牧者ぼくしゃとならん直なほきもの朝󠄃あしたにかれらををさめん その美容うるはしきは陰府よみにほろぼされて宿やどるところなかるべし 15 されど神かみわれを接うけたまふべければわが靈魂たましひをあがなひて陰府よみのちからより脱まぬかれしめたまはん セラ 16 人ひとのとみてその家いへのさかえくははらんとき汝なんぢおそるるなかれ 17 かれの死しぬるときは何なに一ひとつたづさへゆくことあたはず その榮さかえはこれにしたがひて下くだることをせざればなり 18 かかる人ひとはいきながらふるほどに己おのがたましひを祝しゆくするとも みづからを厚あつうするがゆゑに人々ひと〴〵なんぢをほむるとも 19 なんぢ列祖おやたちの世よにゆかん かれらはたえて光ひかりをみざるべし〘777㌻〙 20 尊󠄅貴たふときなかにありて曉さとらざる人ひとはほろびうする獸けもののごとし

第50篇

[ アサフのうた ]

1 ぜんのうの神かみヱホバ詔命みことのりして日ひのいづるところより日ひのいるところまであまねく地ちをよびたまへり 2 かみは美麗󠄃うるはしきの極きはみなるシオンより光ひかりをはなちたまへり 3 われらの神かみはきたりて默もだしたまはじ火ひその前󠄃まへにものをやきつくし暴風はやちその四周󠄃まはりにふきあれん 4 神かみはその民たみをさばかんとて上うへなる天てんおよび地ちをよびたまへり 5 いはく祭物そなへものをもて我われとけいやくをたてしわが聖󠄃徒せいとをわがもとに集あつめよと 6 もろもろの天てんは神かみの義ぎをあらはせり 神かみはみづから審士さばきびとたればなり セラ 7 わが民たみよきけ我われものいはんイスラエルよきけ我われなんぢにむかひて證あかしをなさん われは神かみなんぢの神かみなり 8 わがなんぢを責せむるは祭物そなへもののゆゑにあらず なんぢの燔祭はんさいはつねにわが前󠄃まへにあり
 1007㌻ 
9 我われはなんぢの家いへより牡牛をうしをとらず なんぢの牢をりより牡山羊をやぎをとらず 10 林はやしのもろもろのけもの山やまのうへの千々ちぢの牲畜けだものはみなわが有󠄃ものなり 11 われは山やまのすべての鳥とりをしる 野ののたけき獸けものはみなわがものなり 12 世界せかいとそのなかに充みつるものとはわが有󠄃ものなれば縱たとひわれ饑󠄃うゝるともなんぢに吿つげじ 13 われいかで牡牛をうしの肉󠄁にくをくらひ牡山羊をやぎの血ちをのまんや 14 感謝󠄃かんしやのそなへものを神かみにささげよ なんぢのちかひを至上者いとたかきものにつくのへ 15 なやみの日ひにわれをよべ我われなんぢを援󠄃たすけん而しかしてなんぢ我われをあがむべし 16 -17 然しかはあれど神かみあしきものに言いひ給たまはく なんぢは敎をしへをにくみ わが言ことばをその後うしろにすつるものなるに何なにのかかはりありてわが律法おきてをのべ わがけいやくを口くちにとりしや 18 なんぢ盜人ぬすびとをみれば之これをよしとし姦淫たはれをおこなふものの伴󠄃侶かたうどとなれり 19 なんぢその口くちを惡あくにわたす なんぢの舌したは詭計たばかりをくみなせり 20 なんぢ坐すわりて兄弟はらからをそしり己おのがははの子こを誣しひののしれり 21 汝なんぢこれらの事ことをなししをわれ默もだしぬれば なんぢ我われをおのれに恰きもにたるものとおもへり されど我われなんぢを責いましめてその罪つみをなんぢの目前󠄃まのあたりにつらぬべし 22 神かみをわするるものよ今いまこのことを念おもへ おそらくは我われなんぢを抓かきさかんとき助たすくるものあらじ 23 感謝󠄃かんしやのそなへものを獻さゝぐるものは我われをあがむ おのれの行爲おこなひをつつしむ者ものにはわれ神かみの救すくひをあらはさん

第51篇

[ ダビデがバテセバにかよひしのち預言よげん者しやナタンの來きたれるときよみて伶長うたのかみにうたはしめたる歌うた ]

1 ああ神かみよねがはくはなんぢの仁慈いつくしみによりて我われをあはれみ なんぢの憐憫あはれみのおほきによりてわがもろもろの愆とがをけしたまへ〘778㌻〙 2 わが不義ふぎをことごとくあらひさり我われをわが罪つみよりきよめたまへ 3 われはわが愆とがをしる わが罪つみはつねにわが前󠄃まへにあり 4 我われはなんぢにむかひて獨たゞなんぢに罪つみををかし聖󠄃前󠄃みまへにあしきことを行おこなへり されば汝なんぢものいふときは義ただしとせられ なんぢ鞫さばくときは咎とがめなしとせられ給たまふ
 1008㌻ 
5 視みよわれ邪󠄅曲よこしまのなかにうまれ罪つみありてわが母はゝわれをはらみたりき 6 なんぢ眞󠄃實まことをこころの衷うちにまでのぞみ わが隱かくれたるところに智慧󠄄ちゑをしらしめ給たまはん 7 なんぢヒソブをもて我われをきよめたまへ さらばわれ淨きよまらん 我われをあらひたまへ さらばわれ雪󠄃ゆきよりも白しろからん 8 なんぢ我われによろこびと快樂たのしみとをきかせ なんぢが碎くだきし骨ほねをよろこばせたまへ 9 ねがはくは聖󠄃顏みかほをわがすべての罪つみよりそむけ わがすべての不義ふぎをけしたまへ 10 ああ神かみよわがために淸きよき心こゝろをつくり わが衷うちになほき靈みたまをあらたにおこしたまへ 11 われを聖󠄃前󠄃みまへより棄すてたまふなかれ 汝なんぢのきよき靈みたまをわれより取とりたまふなかれ 12 なんぢの救すくひのよろこびを我われにかへし自由じいうの靈みたまをあたへて我われをたもちたまへ 13 さらばわれ愆とがををかせる者ものになんぢの途󠄃みちををしへん罪人つみびとはなんぢに歸かへりきたるべし 14 神かみよわが救すくひのかみよ血ちをながしし罪つみより我われをたすけいだしたまへ わが舌したは聲こゑたからかになんぢの義ぎをうたはん 15 主しゆよわが口唇くちびるをひらきたまへ 然さらばわが口くちなんぢの頌󠄃美ほまれをあらはさん 16 なんぢは祭物そなへものをこのみたまはず もし然しからずば我われこれをささげん なんぢまた燔祭はんさいをも悅よろこびたまはず 17 神かみのもとめたまふ祭物そなへものはくだけたる靈魂たましひなり 神かみよなんぢは碎くだけたる悔くいしこころを藐かろしめたまふまじ 18 ねがはくは聖󠄃意みこころにしたがひてシオンにさいはひし ヱルサレムの石垣いしがきをきづきたまへ 19 その時ときなんぢ義ぎのそなへものと燔祭はんさいと全󠄃またきはんさいとを悅よろこびたまはん かくて人々ひと〴〵なんぢの祭壇さいだんに牡牛をうしをささぐべし

第52篇

[ エドム人びとドエグ、サウルにきたりてダビデはアビメレクの家いへにきぬと吿つげしときダビデがよみて伶長うたのかみにうたはしめたる敎訓をしへのうた ]

 1009㌻ 
1 猛者たけきものよなんぢ何いかなればあしき企圖󠄃くはだてをもて自みずからほこるや神かみのあはれみは恒つねにたえざるなり 2 なんぢの舌したはあしきことをはかり利とき剃刀かみそりのごとくいつはりをおこなふ 3 なんぢは善ぜんよりも惡あくをこのみ正義たゞしきをいふよりも虛僞いつはりをいふをこのむ セラ 4 たばかりの舌したよなんぢはすべての物ものをくひほろぼす言ことばをこのむ 5 されば神かみとこしへまでも汝なんぢをくだき また汝なんぢをとらへてその幕屋まくやよりぬきいだし生いけるものの地ちよりなんぢの根ねをたやしたまはん セラ〘779㌻〙 6 義者ただしきものはこれを見みておそれ彼かれをわらひていはん 7 神かみをおのが力ちからとなさず その富とみのゆたかなるをたのみ その惡あくをもて己おのれをかたくせんとする人ひとをみよと 8 然しかはあれどわれは神かみの家いへにあるあをき橄欖かんらんの樹きのごとし 我われはいやとほながに神かみのあはれみに依賴よりたのまん 9 なんぢこの事ことをおこなひ給たまひしによりて我われとこしへになんぢに感謝󠄃かんしやし なんぢの聖󠄃徒せいとのまへにて聖󠄃名みなをまちのぞまん こは宜よろしきことなればなり

第53篇

[ マハラツ(樂器の名、あるひはいふ調󠄃べの名)にあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデの敎訓をしへのうた ]

1 愚おろかなるものは心こゝろのうちに神かみなしといへり かれらは腐くされたりかれらは憎にくむべき不義ふぎをおこなへり善ぜんをおこなふ者ものなし 2 神かみは天てんより人ひとの子こをのぞみて悟さとるものと神かみをたづぬる者ものとありやなしやを見みたまひしに 3 みな退󠄃ぞきてことごとく汚けがれたり善ぜんをなすものなし一人ひとりだになし 4 不義ふぎをおこなふものは知覺さとりなきか かれらは物ものくふごとくわが民たみをくらひ また神かみをよばふことをせざるなり 5 かれらは懼おそるべきことのなきときに大おほいにおそれたり 神かみはなんぢにむかひて營えいをつらぬるものの骨ほねをちらしたまへばなり 神かみかれらを棄すてたまひしによりて汝なんぢかれらを辱はづかしめたり 6 願ねがはくはシオンよりイスラエルの救すくひのいでんことを 神かみその民たみのとらはれたるを返󠄄かへしたまふときヤコブはよろこびイスラエルは樂たのしまん
 1010㌻ 

第54篇

[ ジフ人びとのサウルにきたりてダビデはわれらの處ところにかくれをるにあらずやといひたりしとき ダビデうたのかみに琴ことにてうたはしめたる敎訓をしへのうた ]

1 神かみよねがはくは汝なんぢの名みなによりて我われをすくひ なんぢの力ちからをもて我われをさばきたまへ 2 神かみよわが祈いのりをききたまへ わが口くちのことばに耳みゝをかたぶけたまへ 3 そは外人あだしびとはわれにさからひて起󠄃おこりたち强暴人あらきひとはわがたましひを索もとむるなり かれらは神かみをおのが前󠄃まへにおかざりき セラ 4 みよ神かみはわれをたすくるものなり 主しゆはわがたましひを保たもつものとともに在いませり 5 主しゆはわが仇あたにそのあしきことの報むくいをなしたまはん 願ねがはくはなんぢの眞󠄃實まことによりて彼等かれらをほろぼしたまへ 6 我われよろこびて祭物そなへものをなんぢに献さゝげん ヱホバよ我われなんぢの名みなにむかひて感謝󠄃かんしやせん こは宜よろしきことなればなり〘780㌻〙 7 そはヱホバはすべての患難なやみより我われをすくひたまへり わが目めはわが仇あたにつきての願望󠄇ねがひをみたり

第55篇

[ ダビデうたのかみに琴ことにてうたはしめたる敎訓をしへのうた ]

1 神かみよねがはくは耳みゝをわが祈いのりにかたぶけたまへ わが懇求ねがひをさけて身みをかくしたまふなかれ 2 われに聖󠄃意みこころをとめ 我われにこたへたまへ われ歎息なげきによりてやすからず悲かなしみうめくなり 3 これ仇あたのこゑと惡あしきものの暴虐󠄃しひたげとのゆゑなり そはかれら不義ふぎをわれに負󠄅おはせ いきどほりて我われにおひせまるなり 4 わが心こゝろわがうちに憂うれひいたみ死しのもろもろの恐懼おそれわがうへにおちたり 5 おそれと戰慄をののきとわれにのぞみ甚はなはだしき恐懼おそれわれをおほへり 6 われ云いふねがはくは鴿はとのごとく羽翼󠄅つばさのあらんことを さらば我われとびさりて平󠄃安やすきをえん 7 みよ我われはるかにのがれさりて野のにすまん セラ 8 われ速󠄃すみやかにのがれて暴風はやちと狂風つむじとをはなれん 9 われ都みやこのうちに强暴あらびとあらそひとをみたり 主しゆよねがはくは彼等かれらをほろぼしたまへ かれらの舌したをわかれしめたまへ
 1011㌻ 
10 彼等かれらはひるもよるも石垣いしがきのうへをあるきて邑まちをめぐる 邑まちのうちには邪󠄅曲よこしまとあしき企圖󠄃くはだてとあり 11 また惡あしきこと邑まちのうちにあり しへたげと欺詐あざむきとはその街衢ちまたをはなるることなし 12 われを謗そしれるものは仇あたたりしものにあらず もし然しかりしならば尙なほしのばれしなるべし 我われにむかひて己おのれをたかくせし者ものはわれを恨うらみたりしものにあらず若もししかりしならば身みをかくして彼かれをさけしなるべし 13 されどこれ汝なんぢなり われとおなじきもの わが友ともわれと親したしきものなり 14 われら互たがひにしたしき語かたらひをなし また會衆つどひのなかに在ありてともに神かみの家いへにのぼりたりき 15 死しは忽然ゆくりなくかれらにのぞみ その生いけるままにて陰府よみにくだらんことを そは惡あしき事ことその住󠄃處すみかにありその中なかにあればなり 16 されど我われはただ神かみをよばんヱホバわれを救すくひたまふべし 17 夕ゆふべにあしたに晝ひるにわれなげき且かつかなしみうめかん ヱホバわが聲こゑをききたまふべし 18 ヱホバは我われをせむる戰鬪たたかひよりわが靈魂たましひをあがなひいだして平󠄃安やすきをえしめたまへり そはわれを攻せむるもの多おほかりければなり 19 太古むかしよりいます者ものなる神かみはわが聲こゑをききてかれらを惱なやめたまべし セラ かれらには變かはることなく神かみをおそるることなし 20 かの人ひとはおのれと睦むつみをりしものに手てをのべてその契󠄅約けいやくをけがしたり 21 その口くちはなめらかにして乳󠄃ちちの酥あぶらのごとくなれどもその心こゝろはたたかひなり その言ことばはあぶらに勝󠄃まさりてやはらかなれどもぬきたる劍つるぎにことならず〘781㌻〙 22 なんぢの荷にをヱホバにゆだねよさらば汝なんぢをささへたまはん ただしき人ひとのうごかさるることを常つねにゆるしたまふまじ 23 かくて神かみよなんぢはかれらを亡ほろびの坑あなにおとしいれたまはん血ちをながすものと詭計たばかりおほきものとは生いきておのが日ひの半󠄃なかばにもいたらざるべし 然しかはあれどわれは汝なんぢによりたのまん
 1012㌻ 

第56篇

[ ダビデがガテにてペリシテ人びとにとらへられしとき詠よみて「遠󠄄とほきところにをる音󠄃ねをたてぬ鴿はと」のしらべにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるミクタムの歌うた ]

1 ああ神かみよねがはくは我われをあはれみたまへ 人ひといきまきて我われをのまんとし終󠄃日ひねもすたたかひて我われをしへたぐ 2 わが仇あたひねもす急󠄃喘いきまきてわれをのまんとす誇ほこりたかぶりて我われとたたかふものおほし 3 われおそるるときは汝なんぢによりたのまん 4 われ神かみによりてその聖󠄃言みことばをほめまつらん われ神かみに依賴よりたのみたればおそるることあらじ肉󠄁體にくたいわれになにをなし得えんや 5 かれらは終󠄃日ひねもすわがことばを曲まぐるなり その思念おもひはことごとくわれにわざはひをなす 6 かれらは群むれつどひて身みをひそめ わが步あゆみに目めをとめてわが靈魂たましひをうかがひもとむ 7 かれらは不義ふぎをもてのがれんとおもへり 神かみよねがはくは憤いきどほりてもろもろの民たみをたふしたまへ 8 汝なんぢわがあまた土つちの流離さすらへをかぞへたまへり なんぢの革嚢かはぶくろにわが淚なみだをたくはへたまへ こは皆みななんぢの册ふみにしるしあるにあらずや 9 わがよびもとむる日ひにはわが仇あたしりぞかん われ神かみのわれを守まもりたまふことを知しる 10 われ神かみによりてその聖󠄃言みことばをはめまつらん 我われヱホバによりてそのみことばを讃ほめまつらん 11 われ神かみによりたのみたれば懼おそるることあらじ 人ひとはわれに何なにをなしえんや 12 神かみよわがなんぢにたてし誓ちかひはわれをまとへり われ感謝󠄃かんしやのささげものを汝なんぢにささげん 13 汝なんぢわがたましひを死しよりすくひたまへばなり なんぢ我われをたふさじとわが足あしをまもり生命いのちの光ひかりのうちにて神かみのまへに我われをあゆませ給たまひしにあらずや

第57篇

[ ダビデが洞ほらにいりてサウルの手てをのがれしとき詠よみて「ほろぼすなかれ」にといふ調󠄃しらべにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるミクタムのうた ]

 1013㌻ 
1 我われをあはれみたまへ神かみよわれをあはれみたまへ わが靈魂たましひはなんぢを避󠄃所󠄃さけどころとす われ禍害󠄅わざはひのすぎさるまではなんぢの翼󠄅つばさのかげを避󠄃所󠄃さけどころとせん 2 我われはいとたかき神かみによばはん わがために百事すべてのことをなしをへたまふ神かみによばはん〘782㌻〙 3 神かみはたすけを天てんよりおくりて我われをのまんとする者もののそしるときに我われを救すくひたまはん セラ 神かみはその憐憫あはれみその眞󠄃實まことをおくりたまはん 4 わがたましひは群むれゐる獅しゝのなかにあり 火ひのごとくもゆる者もの その齒はは戈ほこのごとく矢やのごとくその舌したはとき劍つるぎのごとき人ひとの子このなかに我われふしぬ 5 神かみよねがはくはみづからを天てんよりも高たかくしみさかえを全󠄃地ぜんちのうへに擧あげたまへ 6 かれらはわが足あしをとらへんとて網󠄄あみをまうく わが靈魂たましひはうなたる かれらはわがまへに阱あなをほりたり而しかしてみづからその中なかにおちいれり セラ 7 わが心こゝろさだまれり神かみよわがこころ定さだまれり われ謳うたひまつらん頌󠄃たたへまつらん 8 わが榮さかえよさめよ 筝さうよ琴ことよさめよ われ黎明しののめをよびさまさん 9 主しゆよわれもろもろの民たみのなかにてなんぢに感謝󠄃かんしやし もろもろの國くにのなかにて汝なんぢをほめうたはん 10 そは汝なんぢのあはれみは大おほいにして天あめにまでいたり なんぢの眞󠄃實まことは雲くもにまでいたる 11 神かみよねがはくは自みづからを天てんよりも高たかくし光榮みさかえをあまねく地ちのうへに擧あげたまへ

第58篇

[ ダビデがよみて「ほろぼすなかれ」といふ調󠄃しらべにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるミクタムのうた ]

1 なんぢら默もだしゐて義ぎをのべうるか 人ひとの子こよなんぢらなほき審判󠄄さばきをおこなふや 2 否いななんぢらは心こゝろのうちに惡あしき事ことをおこなひ その手ての强暴あらびをこの地ちにはかりいだすなり 3 あしきものは胎たいをはなるるより背そむきとほざかり生うまれいづるより迷󠄃まよひていつはりをいふ 4 -5 かれらの毒󠄂どくは蛇へびのどくのごとし かれらは蠱術󠄃まじわざをおこなふものの甚いとたくみにまじなふその聲こゑをだにきかざる耳みゝふさぐ聾󠄃みみしひの蝮まむしのごとし
 1014㌻ 
6 神かみよかれらの口くちの齒はををりたまヘ ヱホバよ壯獅わかきししの牙󠄂きばをぬきくだきたまへ 7 願ねがはくはかれらを流ながれゆく水みづのごとくに消󠄃失きえうせしめ その矢やをはなつときは折をられたるごとくなし給たまはんことを 8 また融とけてきえゆく蝸牛かたつむりのごとく婦󠄃をんなのときならず產うみたる目めをみぬ嬰このごとくならしめ給たまへ 9 なんぢらの釜󠄃かまいまだ荊蕀いばらの火ひをうけざるさきに靑あをきをも燃もえたるをもともに狂風つむじにて吹ふきさりたまはん 10 義者ただしきものはかれらが讎あたかへさるるを見みてよろこび その足あしをあしきものの血ちのなかにてあらはん 11 かくて人ひとはいふべし實げにただしきものに報賞むくいあり實げにさばきをほどこしたまふ神かみはましますなりと

第59篇

[ サウル、ダビデを殺ころさんとし人ひとをおくりてその家いへをうかがはしめし時ときダビデがよみて「ほろぼすなかれ」といふ調󠄃しらべにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるミクタムの歌うた ]〘783㌻〙

1 わが神かみよねがはくは我われをわが仇あたよりたすけいだし われを高處たかきにおきて我われにさからひ起󠄃おこり立たつものより脱まぬかれしめたまへ 2 邪󠄅曲よこしまをおこなふものより我われをたすけいだし血ちをながす人ひとより我われをすくひたまへ 3 視みよかれらは潜ひそみかくれてわが靈魂たましひをうかがひ猛者たけきものむれつどひて我われをせむ ヱホバよ此こはわれに愆とがあるにあらず われに罪つみあるにあらず 4 かれら趨はしりまはりて過󠄃失あやまちなきに我われをそこなはんとて備そなへをなす ねがはくは我われをたすくるために目めをさまして見みたまへ 5 なんぢヱホバ萬軍ばんぐんの神かみイスラエルの神かみよ ねがはくは目めをさましてもろもろの國くににのぞみたまへ あしき罪人つみびとにあはれみを加くはへたまふなかれ セラ 6 かれらは夕ゆふべにかへりきたり犬いぬのごとくほえて邑まちをへありく 7 視みよかれらは口くちより惡あくをはく そのくちびるに劍つるぎあり かれらおもへらく誰たれありてこの言ことをきかんやと 8 されどヱホバよ汝なんぢはかれらをわらひ もろもろの國くにをあざわらひたまはん 9 わが力ちからよわれ汝なんぢをまちのぞまん 神かみはわがたかき櫓やぐらなり
 1015㌻ 
10 憐憫あはれみをたまふ神かみはわれを迎󠄃むかへたまはん 神かみはわが仇あたにつきての願望󠄇ねがひをわれに見みさせたまはん 11 願ねがはくはかれらを殺ころしたまふなかれ わが民たみつひに忘󠄃わすれやはせん 主しゆわれらの盾たてよ 大能みちからをもてかれらを散ちらし また卑おとしたまへ 12 かれらがくちびるの言ことばはその口くちのつみなり かれらは詛のろひと虛僞いつはりとをいひいづるによりてその傲慢たかぶりのためにとらへられしめたまへ 13 忿恚いきどほりをもてかれらをほろぼしたまへ 再ふたゝびながらふることなきまでに彼等かれらをほろぼしたまへ ヤコブのなかに神かみいまして統治すべをさめたまふことをかれらに知しらしめて地ちの極はてにまでおよぼしたまへ セラ 14 かれらは夕ゆふべにかへりきたり犬いぬのごとくほえて邑まちをへありくべし 15 かれらはゆききして食󠄃物くひものをあさり もし飽󠄄あくことなくば終󠄃夜よもすがらとゞまれり 16 されど我われはなんぢの大能ちからをうたひ淸晨あしたにこゑをあげてなんぢの憐憫あはれみをうたひまつらん なんぢわが迫󠄃せまりくるしみたる日ひにたかき櫓やぐらとなり わが避󠄃所󠄃さけどころとなりたまひたればなり 17 わがちからよ我われなんぢにむかひて頌󠄃辭たたへごとをうたひまつらん 神かみはわがたかき櫓やぐらわれにあはれみをたまふ神かみなればなり

第60篇

[ ダビデ、ナハライムのアラムおよびゾバのアラムとたたかひをりしがヨアブかへりゆき鹽しほの谷たににてエドム人びと一萬まん二千せんをころししとき敎訓をしへをなさんとてダビデがよみて「證詞あかしの百合花ゆり」といふ調󠄃しらべにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるミクタムの歌うた ]〘784㌻〙

1 神かみよなんぢわれらを棄すてわれらをちらし給たまへり なんぢは憤いきどほりたまへり ねがはくは再ふたゝびわれらを歸かへしたまへ 2 なんぢ國くにをふるはせてこれを裂さきたまへり ねがはくはその多おほくの𨻶すきをおぎなひたまへ そは國くにゆりうごくなり 3 なんぢはその民たみにたへがたきことをしめし 人ひとをよろめかする酒さけをわれらに飮のましめ給たまへり 4 なんぢ眞󠄃理まことのために擧あげしめんとて汝なんぢをおそるるものに一ひとつの旗はたをあたへたまへり セラ
 1016㌻ 
5 ねがはくは右みぎの手みてをもて救すくひをほどこし われらに答こたへをなして愛いつくしみたまふものに助たすけをえしめたまへ 6 神かみはその聖󠄃きよきをもていひたまへり われ甚いたくよろこばん われシケムをわかちスコテの谷たにをはからん 7 ギレアデはわがもの マナセはわが有󠄃ものなり エフライムも亦またわが首かうべのまもりなり ユダはわが杖つゑ 8 モアブはわが足盥あしだらひなり エドムにはわが履くつをなげん ペリシテよわが故ゆゑによりて聲こゑをあげよと 9 たれかわれを堅固けんごなる邑まちにすすましめんや 誰たれかわれをみちびきてエドムにゆきたるか 10 神かみよなんぢはわれらを棄すてたまひしにあらずや 神かみよなんぢはわれらの軍いくさとともにいでゆきたまはず 11 ねがはくは助たすけをわれにあたへて敵てきにむかはしめたまへ 人ひとのたすけは空󠄃むなしければなり 12 われらは神かみによりて勇󠄃いさましくはたらかん われらの敵てきをみたまふものは神かみなればなり

第61篇

[ 琴ことにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 ああ神かみよねがはくはわが哭なく聲こゑをききたまへ わが祈いのりにみこころをとめたまへ 2 わが心こゝろくづほるるとき地ちのはてより汝なんぢをよばん なんぢ我われをみちびきてわが及およびがたきほどの高たかき磐いはにのぼらせたまへ 3 なんぢはわが避󠄃所󠄃さけどころわれを仇あたよりのがれしむる堅固けんごなる櫓やぐらなればなり 4 われ永遠󠄄とこしへになんぢの帷幄あけばりにすまはん我われなんぢの翼󠄅つばさの下したにのがれん セラ 5 神かみよなんぢはわがもろもろの誓ちかひをきき名みなをおそるるものにたまふ嗣業ゆづりをわれにあたへたまへり 6 なんぢは王わうの生命いのちをのばし その年としを幾代いくよにもいたらせたまはん 7 王わうはとこしへに神かみのみまへにとゞまらん ねがはくは仁慈いつくしみと眞󠄃實まこととをそなへて彼かれをまもりたまへ 8 さらば我われとこしへに名みなをほめうたひて日ひごとにわがもろもろの誓ちかひをつくのひ果はたさん
 1017㌻ 

第62篇

[ エドトンの體さまにしたがひて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]〘785㌻〙

1 わがたましひは默もだしてただ神かみをまつ わがすくひは神かみよりいづるなり 2 神かみこそはわが磐いはわがすくひなれ またわが高たかき櫓やぐらにしあれば我われいたくは動うごかされじ 3 なんぢらは何いづれのときまで人ひとにおしせまるや なんぢら相あひ共ともにかたぶける石垣いしがきのごとく搖ゆるぎうごける籬󠄂かきのごとくに人ひとをたふさんとするか 4 かれらは人ひとをたふとき位くらゐよりおとさんとのみ謀はかり いつはりをよろこびまたその口くちにてはいはひその心こゝろにてはのろふ セラ 5 わがたましひよ默もだしてただ神かみをまて そはわがのぞみは神かみよりいづ 6 神かみこそはわが磐いはわがすくひなれ 又󠄂またわがたかき櫓やぐらにしあれば我われはうごかされじ 7 わが救すくひとわが榮さかえとは神かみにあり わがちからの磐いはわがさけどころは神かみにあり 8 民たみよいかなる時ときにも神かみによりたのめ その前󠄃みまへになんぢらの心こゝろをそそぎいだせ 神かみはわれらの避󠄃所󠄃さけどころなり セラ 9 實げにひくき人ひとはむなしくたかき人ひとはいつはりなり すべてかれらを權衡はかりにおかば上うへにあがりて虛むなしきものよりも輕かろきなり 10 暴虐󠄃しひたげをもて恃たのみとするなかれ 掠奪かすめうばふをもてほこるなかれ 富とみのましくははる時ときはこれに心こゝろをかくるなかれ 11 ちからは神かみにあり神かみひとたび之これをのたまへり われ二次󠄄ふたゝびこれをきけり 12 ああ主しゆよあはれみも亦またなんぢにあり なんぢは人ひとおのおのの作わざにしたがひて報むくいをなしたまへばなり

第63篇

[ ユダの野のにありしときに詠よめるダビデのうた ]

1 ああ神かみよなんぢはわが神かみなり われ切せちになんぢをたづねもとむ 水みづなき燥かはきおとろへたる地ちにあるごとくわが靈魂たましひはかわきて汝なんぢをのぞみ わが肉󠄁體にくたいはなんぢを戀こひしたふ 2 曩さきにも我われかくのごとく大權みちからと榮光みさかえとをみんことをねがひ聖󠄃所󠄃せいじよにありて目めをなんぢより離はなれしめざりき
 1018㌻ 
3 なんぢの仁慈いつくしみはいのちにも勝󠄃まされるゆゑにわが口唇くちびるはなんぢを讃ほめまつらん 4 斯かくわれはわが生いくるあひだ汝なんぢをいはひ名みなによりてわが手てをあげん 5 -6 われ床とこにありて汝なんぢをおもひいで夜よの更󠄃ふくるままになんぢを深ふかくおもはん時とき わがたましひは髓ずゐと脂あぶらとにて饗もてなさるるごとく飽󠄄あくことをえ わが口くちはよろこびの口唇くちびるをもてなんぢを讃ほめたたへん 7 そはなんぢわが助たすけとなりたまひたれば 我われなんぢの翼󠄅つばさのかげに入いりてよろこびたのしまん 8 わがたましひはなんぢを慕追󠄃したひおふ みぎの手みてはわれを支󠄂さゝふるなり 9 然されどわがたましひを滅ほろぼさんとて尋󠄃たづねもとむるものは地ちのふかきところにゆき 10 又󠄂またつるぎの刃󠄃はにわたされ野の犬いぬの獲うるところとなるべし 11 しかれども王わうは神かみをよろこばん 神かみによりて誓ちかひをたつるものはみな誇ほこることをえん 虛僞いつはりをいふものの口くちはふさがるべければなり〘786㌻〙

第64篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 神かみよわがなげくときわが聲こゑをききたまへ わが生命いのちをまもりて仇あたのおそれより脱まぬかれしめたまへ 2 ねがはくは汝なんぢわれをかくして惡あくをなすものの陰ひそかなる謀略はかりごとよりまぬかれしめ不義ふぎをおこなふものの喧嘩かまびすしきよりまぬかれしめ給たまへ 3 かれらは劍つるぎのごとくおのが舌したをとぎ その弓ゆみをはり矢やをつがへるごとく苦にがき言ことばをはなち 4 隱かくれたるところにて全󠄃またき者ものを射󠄂いんとす俄にはかにこれを射󠄂いておそるることなし 5 また彼此たがひにあしき企圖󠄃くはだてをはげまし共ともにはかりてひそかに羂わなをまうく 斯かくていふ誰たれかわれらを見みんと 6 かれらはさまざまの不義ふぎをたづねいだして云いふわれらは懇ねんごろにたづね終󠄃をはれりと おのおのの衷うちのおもひと心こゝろとはふかし 7 然しかはあれど神かみは矢やにてかれらを射󠄂いたまふべし かれらは俄にはかに傷きずをうけん 8 斯かくてかれらの舌したは其その身みにさからふがゆゑに遂󠄅つひにかれらは蹟つまづかん これを見みるものみな逃󠄄のがれさるべし
 1019㌻ 
9 もろもろの人ひとはおそれん而しかして神かみのみわざをのべつたへ その作なしたまへることを考かんがふべし 10 義者ただしきものはヱホバをよろこびて之これによりたのまん すべて心こゝろのなほきものは皆みなほこることを得えん

第65篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたる歌うたダビデの讃美さんびなり ]

1 ああ神かみよさんびはシオンにて汝なんぢをまつ 人ひとはみまへにて誓ちかひをはたさん 2 祈いのりをききたまふものよ諸人もろびとこぞりて汝なんぢにきたらん 3 不義ふぎのことば我われにかてり なんぢ我儕われらのもろもろの愆とがをきよめたまはん 4 汝なんぢにえらばれ汝なんぢにちかづけられて大おほ庭󠄄にはにすまふ者ものはさいはひなり われらはなんぢの家いへなんぢの宮みやのきよき處ところのめぐみにて飽󠄄あくことをえん 5 われらが救すくひのかみよ 地ちと海うみとのもろもろの極はてなるきはめて遠󠄄とほきものの恃たのみとするなんぢは公󠄃義ただしきによりて畏おそるべきことをもて我儕われらにこたへたまはん 6 かみは大能たいのうをおび その權力みちからによりてもろもろの山やまをかたくたたしめ 7 海うみのひびき狂瀾おほなみのひびき もろもろの民たみのかしがましきを鎭しづめたまへり 8 されば極遠󠄄はてにすめる人々ひと〴〵もなんぢのくさぐさの豫兆󠄃しるしをみておそる なんぢ朝󠄃夕あしたゆふべのいづる處ところをよろこび謳うたはしめたまふ 9 なんぢ地ちにのぞみて漑󠄅みづそそぎおほいに之これをゆたかにしたまへり 神かみのかはに水みづみちたり なんぢ如此かくそなへをなして穀たなつ物ものをかれらにあたへたまへり 10 なんぢ畎たみぞをおほいにうるほし畝うねをたひらにし白雨むらさめにてこれをやはらかにし その萌芽もえいづるを祝しゆくし〘787㌻〙 11 また恩惠みめぐみをもて年としの冕󠄅弁かんむりとしたまへり なんぢの途󠄃みちには膏あぶらしたたれり 12 その恩滴したたりは野のの牧場まきをうるほし小こ山やまはみな歡よろこびにかこまる 13 牧場まきはみな羊ひつじのむれを衣きもろもろの谷たには穀物たなつものにおほはれたり かれらは皆みなよろこびてよばはりまた謳うたふ
 1020㌻ 

第66篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたる讃美さんびなり 歌うたなり ]

1 全󠄃地ぜんちよ神かみにむかひて歡よろこびよばはれ 2 その名みなの榮光えいくわうをうたへその頌󠄃美ほまれをさかえしめよ 3 かみに吿つげまつれ 汝なんぢのもろもろの功用みわざはおそるべきかな大おほいなる力ちからによりてなんぢの仇あたはなんぢに畏おそれしたがひ 4 全󠄃地ぜんちはなんぢを拜をがみてうたひ名みなをほめうたはんと セラ 5 來きたりて神かみのみわざをみよ 人ひとの子輩こらにむかひて作なしたまふことはおそるべきかな 6 神かみはうみをかへて乾かわける地ちとなしたまへり ひとびと步行かちにて河かはをわたりき その處ところにてわれらは神かみをよろこべり 7 神かみはその大能たいのうをもてとこしへに統治すべをさめ その目めは諸國くに〴〵をみたまふ そむく者ものみづからを崇あがむべからず セラ 8 もろもろの民たみよ われらの神かみをほめまつれ神かみをほめたたふる聲こゑをきこえしめよ 9 神かみはわれらの靈魂たましひをながらへしめ われらの足あしのうごかさるることをゆるしたまはず 10 神かみよなんぢはわれらを試こゝろみて白銀しろかねをねるごとくにわれらを鍊ねりたまひたればなり 11 汝なんぢわれらを網󠄄あみにひきいれ われらの腰󠄃こしにおもき荷にをおき 12 人々ひと〴〵をわれらの首かうべのうへに騎のりこえしめたまひき われらは火ひのなか水みづのなかをすぎゆけり されど汝なんぢその中なかよりわれらをひきいたし豐盛󠄃ゆたかなる處ところにいたらしめたまへり 13 -14 われ燔祭はんさいをもてなんぢの家いへにゆかん 迫󠄃せまりくるしみたるときにわが口唇くちびるのいひいでわが口くちののべし誓ちかひをなんぢに償つくのはん 15 われ肥こえたるものを燔祭はんさいとし牡羊をひつじを馨香かほりとして汝なんぢにささげ牡牛をうしと牡山羊をやぎとをそなへまつらん セラ 16 神かみをおそるる人ひとよ みな來きたりてきけ われ神かみのわがたましひのために作なしたまへることをのべん 17 われわが口くちをもて神かみによばはり また舌したをもてあがむ 18 然しかるにわが心こゝろにしれる不義ふぎあらば主しゆはわれにききたまふまじ 19 されどまことに神かみはききたまへり聖󠄃意みこころをわがいのりの聲こゑにとめたまへり 20 神かみはほむべきかな わが祈いのりをしりぞけず その憐憫あはれみをわれよりとりのぞきたまはざりき
 1021㌻ 

第67篇

[ 琴ことにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたる歌うたなり 讃美さんびなり ]

1 ねがはくは神かみわれらをあはれみ われらをさきはひてその聖󠄃顏みかほをわれらのうへに照てらしたまはんことを セラ〘788㌻〙 2 此こはなんぢの途󠄃みちのあまねく地ちにしられ なんぢの救すくひのもろもろの國くにのうちに知しられんがためなり 3 かみよ庶民たみらはなんぢに感謝󠄃かんしやし もろもろの民たみはみな汝なんぢをほめたたへん 4 もろもろの國くにはたのしみ又󠄂またよろこびうたふべし なんぢ直なほきをもて庶民たみらをさばき地ちのうへなる萬よろづの國くにををさめたまべければなり セラ 5 神かみよたみらはなんぢに感謝󠄃かんしやし もろもろの民たみはみな汝なんぢをほめたたへん 6 地ちは產物なりいでものをいだせり 神かみわが神かみはわれらを福さきはひたまはん 7 神かみわれらをさきはひたまふべし かくて地ちのもろもろの極はてことごとく神かみをおそれん

第68篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうたなり 讃美さんびなり ]

1 ねがはくは神かみおきたまへ その仇あたはことごとくちり 神かみをにくむものは前󠄃みまへよりにげさらんことを 2 煙󠄃けぶりのおひやらるるごとくかれらを驅逐󠄃おひやりたまへ 惡あしきものは火ひのまへに蝋らふのとくるごとく 神かみのみまへにてほろぶべし 3 されど義ただしきものには歡喜よろこびあり かれら神かみの前󠄃みまへにてよろこびをどらん實げにたのしみて喜よろこばん 4 神かみのみまへにうたへ その名みなをほめたたへよ 乘のりて野のをすぐる者もののために大道󠄃おほぢをきづけ かれの名なをヤハとよぶ その前󠄃まへによろこびをどれ 5 きよき住󠄃居すまひにまします神かみはみなしごの父󠄃ちゝやもめの審士さばきびとなり 6 神かみはよるべなきものを家族やからの中うちにをらしめ囚人めしうどをとき福祉さいはひにみちびきたまふ されど悖逆󠄃そむく者ものはうるほひなき地ちにすめり 7 神かみよなんぢは民たみにさきだちいでて野のをすすみゆきたまひき セラ 8 そのとき地ちふるひ天てんかみのみまへに漏もる シナイの山やますら神かみイスラエルの神かみの前󠄃みまへにふるひうごけり
 1022㌻ 
9 神かみよなんぢの嗣業ゆづりの地ちのつかれおとろへたるとき豐ゆたかなる雨あめをふらせて之これをかたくしたまへり 10 曩さきになんぢの公󠄃會こうくわいはその中なかにとゞまれり 神かみよなんぢは惠めぐみをもて貧󠄃まづしきもののために預備そなへをなしたまひき 11 主しゆみことばを賜たまふ その佳音󠄃おとづれをのぶる婦󠄃女をんなはおほくして群むれをなせり 12 もろもろの軍旅󠄃いくさの王わうたちはにげさる 逃󠄄にげ去さりたれば家いへなる婦󠄃女をんなはその掠物えものをわかつ 13 なんぢら羊ひつじの牢をりのうちにふすときは鴿はとのつばさの白銀しろかねにおほはれその毛けの黃金こがねにおほはるるがごとし 14 全󠄃能者ぜんのうしやかしこにて列王わうたちをちらし給たまへるときはサルモンの山やまに雪󠄃ゆきふりたるがごとくなりき 15 バシャンのやまは神かみの山やまなりバシャンのやまは峰みねかさなれる山やまなり 16 峰みねかさなれるもろもろの山やまよ なんぢら何いかなれば神かみの住󠄃所󠄃すまひにえらびたまへる山やまをねたみ見みるや 然さはれヱホバは永遠󠄄とこしへにこの山やまにすみたまはん〘789㌻〙 17 神かみの戰車いくさぐるまはよろづに萬よろづをかさね千ちぢにちぢをくはふ 主しゆその中なかにいませり 聖󠄃所󠄃せいじよにいますがごとくシナイの山やまにいまししがごとし 18 なんぢ高處たかきところにのぼり虜者とりこをとりこにしてひきゐ禮物いやしろを人ひとのなかよりも叛󠄃逆󠄃者そむくもののなかよりも受うけたまへり ヤハの神かみここに住󠄃すみたまはんが爲ためなり 19 日々ひごとにわれらの荷にをおひたまふ主しゆわれらのすくひの神かみはほむべきかな セラ 20 神かみはしばしばわれらを助たすけたまへる神かみなり 死しよりのがれうるは主しゆヱホバに由よる 21 神かみはその仇あたのかうべを擊うちやぶりたまはん 愆とがのなかにとゞまるものの髮かみけおほき顱頂いたゞきをうちやぶりたまはん 22 主しゆいへらく我われバシャンよりかれらを携たづさへかへり海うみのふかき所󠄃ところよりたづさへ歸かへらん 23 斯かくてなんぢの足あしをそのあたの血ちにひたし之これをなんぢの犬いぬの舌したになめしめん 24 神かみよすべての人ひとはなんぢの進󠄃すすみ行ゆきたまふをみたり わが神かみわが王わうの聖󠄃所󠄃せいじよにすすみゆきたまふを見みたり 25 鼗つづみうつ童女をとめのなかにありて謳うたふものは前󠄃まへにゆき琴ことひくものは後あとにしたがへり
 1023㌻ 
26 なんぢらすべての會つどひにて神かみをほめよイスラエルのみなもとより出いづるなんぢらよ 主しゆをほめまつれ 27 彼處かしこにかれらを統すぶるとしわかきベニヤミンあり ユダの諸侯きみたちとその群衆ともがらとありまたゼブルンのきみたちナフタリの諸侯きみたちあり 28 なんぢの神かみはなんぢの力ちからをたてたまへり 神かみよなんぢ我儕われらのためになしたまひし事ことをかたくしたまヘ 29 ヱルサレムなるなんぢの宮みやのために列王わうたちなんぢに禮物いやしろをささげん 30 ねがはくは葦あし間まの獸けものむらがれる牯をうし犢こうしのごときもろもろの民たみをいましめてかれらに白銀しろかねをたづさへきたり みづから服󠄃まつろふことを爲せしめたまへ 神かみはたたかひを好このむもろもろの民たみをちらしたまへり 31 諸侯きみたちはエジプトよりきたり エテオピアはあわただしく神かみにむかひて手てをのべん 32 地ちのもろもろのくによ神かみのまへにうたへ主しゆをほめうたへ セラ 33 上古いにしへよりの天てんの天てんにのりたまふ者ものにむかひてうたへ みよ主しゆはみこゑを發いだしたまふ勢力いきほひある聲みこゑをいだしたまふ 34 なんぢらちからを神かみに歸きせよその稜威󠄂みいづはイスラエルの上うへにとゞまり その大能みちからは雲くものなかにあり 35 神かみのおそるべき狀さまはきよき所󠄃ところよりあらはる イスラエルの神かみはその民たみにちからと勢力いきほひとをあたへたまふ 神かみはほむべきかな

第69篇

[ 百合花ゆりのはなにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 神かみよねがはくは我われをすくひたまへ 大水おほみづながれきたりて我わがたましひにまでおよべり〘790㌻〙 2 われ立たち止どなきふかき泥ひぢの中なかにしづめり われ深ふかき水みづにおちいるおほみづわが上うへをあふれすぐ 3 われ歎息なげきによりてつかれたり わが喉のどはかわき わが目めはわが神かみをまちわびておとろへぬ 4 故ゆゑなくしてわれをにくむ者ものわがかしらの髮けよりもおほく謂いはれなくしてわが仇あたとなり我われをほろぼさんとするものの勢力いきほひつよし われ掠かすめざりしものをも償つくのはせらる
 1024㌻ 
5 神かみよなんぢはわが愚おろかなるをしりたまふ わがもろもろの罪つみはなんぢにかくれざるなり 6 萬軍ばんぐんのヱホバ主しゆよ ねがはくは汝なんぢをまちのぞむ者ものをわが故ゆゑによりて辱はづかしめらるることなからしめたまへ イスラエルの神かみよねがはくはなんぢを求もとむる者ものをわが故ゆゑによりて恥はぢをおはしめらるることなからしめたまへ 7 我われはなんぢのために謗そしりをおひ恥はぢはわが面かほをおほひたればなり 8 われわが兄弟はらからには旅󠄃人たびゞとのごとく わが母はゝの子こには外人あだしびとのごとくなれり 9 そはなんぢの家いへをおもふ熱心ねつしんわれをくらひ汝なんぢをそしるものの謗そしりわれにおよべり 10 われ淚なみだをながして食󠄃しよくをたち わが靈魂たましひをなげかすれば反かへりてこれによりて謗そしりをうく 11 われ麁󠄃布あらたへをころもとなししにかれらが諺語ことわざとなりぬ 12 門かどにすわる者ものはわがうへをかたる われは醉ゑひ狂しれたるものに謳うたひはやされたり 13 然しかはあれどヱホバよわれは惠めぐみのときに汝なんぢにいのる ねがはくは神かみよなんぢの憐憫あはれみのおほきによりて汝なんぢのすくひの眞󠄃實まことをもて我われにこたへたまへ 14 ねがはくは泥ひぢのなかより我われをたすけいだして沈しづまざらしめたまへ 我われをにくむものより深ふかき水みづよりたすけいだしたまへ 15 大水おほみづわれを淹おほふことなく淵ふちわれをのむことなく坑あなその口くちをわがうへに閉とづることなからしめたまへ 16 ヱホバよねがはくは我われにこたへたまへ なんぢの仁慈いつくしみうるはしければなり なんぢの憐憫あはれみはおほしわれに歸かへりきたりたまへ 17 面みかほをなんぢの僕しもべにかくしたまふなかれ われ迫󠄃せまりくるしめり ねがはくは速󠄃すみやかに我われにこたへたまへ 18 わがたましひに近󠄃ちかくよりて之これをあがなひわが仇あたのゆゑに我われをすくひたまへ 19 汝なんぢはわがうくる謗そしりとはぢと侮辱あなどりとをしりたまへり わが敵てきはみな汝なんぢのみまへにあり 20 譭謗そしりわが心こゝろをくだきぬれば我われいたくわづらへり われ憐憫あはれみをあたふる者ものをまちたれど一人ひとりだになく慰なぐさむるものを俟まちたれど一人ひとりをもみざりき 21 かれら苦にがき草くさをわがくひものにあたへ わが渇かわけるときに醋すをのませたり
 1025㌻ 
22 ねがはくは彼等かれらのまへなる筵えんは網󠄄あみとなり そのたのむ安逸やすきはつひに羂わなとなれ 23 その目めをくらくして見みえしめず その腰󠄃こしをつねにふるはしめたまへ〘791㌻〙 24 願ねがはくはなんぢの忿恚いきどほりをかれらのうへにそそぎ汝なんぢのいかりの猛烈はげしきをかれらに追󠄃及おひしかせたまへ 25 かれらの屋いへをむなしくせよ その幕屋まくやに人ひとをすまはするなかれ 26 かれらはなんぢが擊うちたまひたる者ものをせめ なんぢが傷きずつけたまひたるものの痛いたみをかたりふるればなり 27 ねがはくはれらの不義ふぎに不義ふぎをくはへてなんぢの義ぎにあづからせ給たまふなかれ 28 かれらを生命いのちの册ふみよりけして義ただしきものとともに記しるさるることなからしめたまへ 29 斯かくてわれはくるしみ且かつうれひあり 神かみよねがはくはなんぢの救すくひわれを高處たかきところにおかんことを 30 われ歌うたをもて神かみの名みなをほめたたへ 感謝󠄃かんしやをもて神かみをあがめまつらん 31 此こはをうしまたは角つのと蹄ひづめとある力ちからつよき牡牛をうしにまさりてヱホバよろこびたまはん 32 謙󠄃遜者へりくだるものはこれを見みてよろこべり 神かみをしたふ者ものよなんぢらの心こゝろはいくべし 33 ヱホバは乏ともしきものの聲こゑをきき その俘囚とらはれびとをかろしめたまはざればなり 34 天地あめつちはヱホバをほめ蒼海おほうみとその中なかにうごくあらゆるものとはヱホバを讃ほむまつるべし 35 神かみはシオンをすくひユダのもろもろの邑まちを建󠄄たてたまふべければなり かれらは其處そこにすみ且かつこれをおのが有󠄃ものとせん 36 その僕しもべのすゑも亦またこれを嗣つぎその名みなをいつくしむ者ものその中なかにすまん

第70篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデが記念きねんのうた ]

1 神かみよねがはくは我われをすくひたまヘ ヱホバよ速󠄃とくきたりて我われをたすけたまへ 2 わが靈魂たましひをたづぬるものの恥はぢあわてんことを わが害󠄅そこなはるるをよろこぶものの後うしろにしりぞきて恥はぢをおはんことを 3 ああ視みよや視みよやといふもののおのが恥はぢによりて後うしろにしりぞかんことを
 1026㌻ 
4 すべて汝なんぢをたづねもとむる者もののなんぢによりて樂たのしみよろこばんことを なんぢの救すくひをしたふもののつねに神かみは大おほいなるかなととなへんことを 5 われは苦くるしみ且かつともし神かみよいそぎて我われにきたりたまへ 汝なんぢはわが助たすけわれを救すくふものなり ヱホバよねがはくは猶󠄅豫ためらひたまふなかれ

第71篇

1 ヱホバよ我われなんぢに依賴よりたのむ ねがはくは何いづれの日ひまでも恥はぢうくることなからしめ給たまへ 2 なんぢの義ぎをもて我われをたすけ我われをまぬかれしめたまへ なんぢの耳みゝをわれに傾かたぶけて我われをすくひたまへ 3 ねがはくは汝なんぢわがすまひの磐いはとなりたまへ われ恒つねにそのところに往󠄃ゆくことを得えん なんぢ我われをすくはんとて勅命みことのりをいだしたまへり そは汝なんぢはわが磐いはわが城󠄃しろなり 4 わが神かみよあしきものの手てより不義ふぎ殘忍󠄄ざんにんなる人ひとのてより 我われをまぬかれしめたまへ〘792㌻〙 5 主しゆヱホバよなんぢはわが望󠄇のぞみなり わが幼少おさなきよりの恃たのみなり 6 われ胎たいをはなるるより汝なんぢにまもられ母はゝの腹はらにありしときより汝なんぢにめぐまれたり 我われつねに汝なんぢをほめたたへん 7 我われおほくの人ひとにあやしまるるごとき者ものとなれり 然されどなんぢはわが堅固けんごなる避󠄃所󠄃さけどころなり 8 なんぢの頌󠄃たたへ辭ごととなんぢの頌󠄃美ほまれとは終󠄃日ひねもすわが口くちにみちん 9 わが年とし老おいぬるとき我われをすてたまふなかれ わが力ちからおとろふるとき我われをはなれたまなかれ 10 わが仇あたはわがことを論あげつらひ ひわが靈魂たましひをうかがふ者ものはたがひに議はかりていふ 11 神かみかれを離はなれたり彼かれをたすくる者ものなし かれを追󠄃おひてとらへよと 12 神かみよわれに遠󠄄とほざかりたまふなかれ わが神かみよとく來きたりて我われをたすけたまへ 13 わがたましひの敵てきははぢ且かつおとろへ我われをそこなはんとするものは謗そしりと辱はぢとにおほはれよ 14 されど我われはたえず望󠄇のぞみをいだきていやますます汝なんぢをほめたたへん 15 わが口くちはひねもす汝なんぢの義ぎとなんぢの救すくひとをかたらん われその數󠄄かずをしらざればなり
 1027㌻ 
16 われは主しゆヱホバの大能たいのうの事跡みわざをたづさへゆかん われは只たゞなんぢの義ぎのみをかたらん 17 神かみよなんぢわれを幼少おさなきより敎をしへたまへり われ今いまにいたるまで汝なんぢのくすしき事跡みわざをのべつたへたり 18 神かみよねがはくはわれ老おいて頭髮かみげしろくなるとも我わがなんぢの力ちからを次󠄄代つぎのよにのべつたへ なんぢの大能みちからを世よにうまれいづる凡すべてのものに宣のべ傳つたふるまで我われをはなれ給たまふなかれ 19 神かみよなんぢの義ぎもまた甚いとたかし なんぢは大おほいなることをなしたまへり 神かみよたれか汝なんぢにひとしき者ものあらんや 20 汝なんぢわれらを多おほくのおもき苦難なやみにあはせたまへり なんぢ再ふたゝびわれらを活いかしわれらを地ちの深ふかき所󠄃ところよりあげたまはん 21 ねがはくは我われをいよいよ大おほいならしめ歸かへりきたりて我われをなぐさめ給たまへ 22 わが神かみよさらばわれ筝さうをもて汝なんぢをほめ なんぢの眞󠄃實まことをほめたたへん イスラエルの聖󠄃者せいじやよわれ琴ことをもてなんぢを讃ほめうたはん 23 われ聖󠄃前󠄃みまへにうたときわが口唇くちびるよろこびなんぢの贖あがなひたまへるわが靈魂たましひおほいに喜よろこばん 24 わが舌したもまた終󠄃日ひねもすなんぢの義ぎをかたらん われを害󠄅そこなはんとするもの愧はぢ惶あわつればなり

第72篇

[ ソロモンのうた ]

1 神かみよねがはくは汝なんぢのもろもろの審判󠄄さばきを王わうにあたへ なんぢの義ぎをわうの子こにあたへたまへ 2 かれは義ぎをもてなんぢの民たみをさばき公󠄃平󠄃こうへいをもて苦くるしむものを鞫さばかん 3 義ぎによりて山やまと岡をかとは民たみに平󠄃康やすきをあたふべし 4 かれは民たみのくるしむ者もののために審判󠄄さばきをなし乏ともしきものの子輩こらをすくひ虐󠄃しへたぐるものを壞くだきたまはん〘793㌻〙 5 かれらは日ひと月󠄃つきとのあらんかぎり世々よゝおしなべて汝なんぢをおそるべし 6 かれは苅かりとれる牧まきにふる雨あめのごとく地つちをうるほす白雨むらさめのごとくのぞまん 7 かれの世よにただしき者ものはさかえ平󠄃和へいわは月󠄃つきのうするまで豐ゆたかならん 8 またその政治まつりごとは海うみより海うみにいたり河かはより地ちのはてにおよぶべし
 1028㌻ 
9 野のにをる者ものはそのまへに屈かがみ そり仇あたは塵ちりをなめん 10 タルシシおよび島々しま〴〵の王わうたちは貢みつぎををさめ シバとセバの王わうたちは禮物いやしろをささげん 11 もろもろの王わうはそのまへに俯伏ひれふし もろもろの國くにはかれにつかへん 12 かれは乏ともしき者ものをその叫さけぶときにすくひ 助たすけなき苦くるしむ者ものをたすけ 13 弱󠄃よわきものと乏ともしき者ものとをあはれみ乏ともしきものの靈魂たましひをすくひ 14 かれらのたましひを暴虐󠄃しひたげと强暴あらびとよりあがなひたまふ その血ちはみまへに貴たふとかるべし 15 かれらは存ながらふべし 人ひとはシバの黃金こがねをささげてかれのために恒つねにいのり終󠄃日ひねもすかれをいははん 16 國くにのうち五穀たなつものゆたかにしてその實みはレバノンのごとく山やまのいただきにそよぎ 邑まちの人々ひと〴〵は地ちの草くさのごとく榮さかゆべし 17 かれの名なはつねにたえず かれの名なは日ひの久ひさしきごとくに絕たゆることなし 人ひとはかれによりて福祉さいはひをえん もろもろの國くにはかれをさいはひなる者ものととなへん 18 ただイスラエルの神かみのみ奇くすしき事跡みわざをなしたまへり 神かみヱホバはほむべきかな 19 その榮光えいくわうの名なはよよにほむべきかな全󠄃地ぜんちはその榮光えいくわうにて滿みつべしアーメン アーメン 20 ヱッサイの子こダビデの祈いのりはをはりぬ

第73篇

[ アサフのうた ]

1 神かみはイスラエルにむかひ心こゝろのきよきものに對むかひてまことに惠めぐみあり 2 然しかはあれどわれはわが足あしつまづくばかりわが步あゆみすべるばかりにてありき 3 こはわれ惡あしきものの榮さかゆるを見みてその誇ほこれる者ものをねたみしによる 4 かれらは死しぬるに苦くるしみなくそのちからは反かへりてかたし 5 かれらは人ひとのごとく憂うれひにをらず人ひとのごとく患難なやみにあふことなし 6 このゆゑに傲慢たかぶりは妝飾󠄃かざりのごとくその頸くびをめぐり强暴あらびはころものごとく彼等かれらをおほへり 7 かれら肥こえふとりてその目めとびいで心こゝろの欲ねがひにまさりて物ものをうるなり 8 また嘲󠄂笑あざけりをなし惡あくをもて暴虐󠄃しへたげのことばをいだし高たかぶりてものいふ
 1029㌻ 
9 その口くちを天てんにおきその舌したを地ちにあまねく往󠄃ゆかしむ 10 このゆゑにかれの民たみはここにかへり水みづのみちたる杯さかづきをしぼりいだして 11 いへらく神かみいかで知しりたまはんや至上者いとたかきものに知識さとりあらんやと 12 視みよかれらは惡あしきものなるに常つねにやすらかにしてその富とみましくははれり〘794㌻〙 13 誠󠄃まことに我われはいたづらに心こゝろをきよめ罪つみををかさずして手てをあらひたり 14 そはわれ終󠄃日ひねもすなやみにあひ朝󠄃あさごとに責せめをうけしなり 15 われもし斯かゝることを述󠄃のべんといひしならば我われなんぢが子輩こらの代よをあやまらせしならん 16 われこれらの道󠄃理ことはりをしらんとして思おもひめぐらししにわが眼めいたく痛いたみたり 17 われ神かみの聖󠄃所󠄃せいじよにゆきてかれらの結局いやはてをふかく思おもへるまでは然しかりき 18 誠󠄃まことになんぢはかれらを滑なめらかなるところにおきかれらを滅亡ほろびにおとしいれ給たまふ 19 かれらは瞬またたく間ひまにやぶれたるかな彼等かれらは恐怖おそれをもてことごとく滅ほろびたり 20 主しゆよなんぢ目めをさましてかれらが像󠄃ざうをかろしめたまはんときは夢ゆめみし人ひとの目めさめたるがごとし 21 わが心こゝろはうれへ わが腎むらとはさされたり 22 われおろかにして知覺さとりなし聖󠄃前󠄃みまへにありて獸けものにひとしかりき 23 されど我われつねになんぢとともにあり汝なんぢわが右手みぎのてをたもちたまへり 24 なんぢその訓諭󠄄さとしをもて我われをみちびき後のちまたわれをうけて榮光さかえのうちに入いれたまはん 25 汝なんぢのほかに我われたれをか天てんにもたん地ちにはなんぢの他ほかにわが慕したふものなし 26 わが身みとわが心こゝろとはおとろふ されど神かみはわがこころの磐いはわがとこしへの嗣業ゆづりなり 27 視みよなんぢに遠󠄄とほきものは滅ほろびん 汝なんぢをはなれて姦淫たはれをおこなふ者ものはみななんぢ之これをほろぼしたまひたり 28 神かみにちかづき奉まつるは我われによきことなり われは主しゆヱホバを避󠄃所󠄃さけどころとしてそのもろもろの事跡みわざをのべつたへん

第74篇

[ アサフの敎訓をしへのうた ]

 1030㌻ 
1 神かみよいかなれば汝なんぢわれらをかぎりなく棄すてたまひしや 奈何いかなればなんぢの草苑まきの羊ひつじにみいかりの煙󠄃けぶりあがれるや 2 ねがはくは往󠄃昔むかしなんぢが買かひ求もとめたまへる公󠄃會こうくわいゆづりの支󠄂派󠄄やからとなさんとて贖あがなひたまへるものを思おもひいでたまへ又󠄂またなんぢが住󠄃すみたまふシオンの山やまをおもひいで給たまへ 3 とこしへの滅亡ほろびの跡あとにみあしを向むけたまへ仇あたは聖󠄃所󠄃せいじよにてもろもろの惡あしきわざをおこなへり 4 なんぢの敵てきはなんぢの集つどひのなかに吼ほえたけびおのが旗はたをたてて誌しるしとせり 5 かれらは林はやしのしげみにて斧をのをあぐる人ひとの狀さまにみゆ 6 いま鉞てをのと鎚󠄃つちとをもて聖󠄃所󠄃せいじよのなかなる彫󠄃刻󠄂ほりきざめるものをことごとく毀こぼちおとせり 7 かれらはなんぢの聖󠄃所󠄃せいじよに火ひをかけ名なの居所󠄃すみかをけがして地ちにおとしたり 8 かれら心こゝろのうちにいふ われらことごとく之これをこぼちあらさんと かくて國內くにのうちなる神かみのもろもろの會堂くわいだうをやきつくせり 9 われらの誌しるしはみえず預言者よげんしやも今いまはなし 斯かくていくその時ときをかふべき われらのうちに知しるものなし〘795㌻〙 10 神かみよ敵てきはいくその時ときをふるまでそしるや 仇あたはなんぢの名みなをとこしへに汚けがすならんか 11 いかなれば汝なんぢその手みてみぎの手みてをひきたまふや ねがはくは手みてをふところよりいだしてかれらを滅ほろぼしたまへ 12 神かみはいにしへよりわが王わうなり すくひを世よの中なかにおこなひたまへり 13 なんぢその力ちからをもて海うみをわかち水みづのなかなる龍󠄇たつの首かうべをくだき 14 鰐󠄂わにのかうべをうちくだき野のにすめる民たみにあたへて食󠄃しよくとなしたまへり 15 なんぢは泉いづみと水流ながれとをひらき又󠄂またもろもろの大河おほかはをからしたまへり 16 晝ひるはなんぢのもの夜よるも又󠄂また汝なんぢのものなり なんぢは光ひかりと日ひとをそなへ 17 あまねく地ちのもろもろの界さかひをたて夏なつと冬󠄃ふゆとをつくりたまへり 18 ヱホバよ仇あたはなんぢをそしり愚おろかなる民たみはなんぢの名みなをけがせり この事ことをおもひいでたまへ 19 願ねがはくはなんぢの鴿はとのたましひを野ののあらき獸けものにわたしたまふなかれ 苦くるしむものに命いのちをとこしへに忘󠄃わすれたまふなかれ
 1031㌻ 
20 契󠄅約けいやくをかへりみたまへ地ちのくらきところは强暴あらびの宅すまひにて充みちたればなり 21 ねがはくは虐󠄃しへたげらるるものを慚はぢ退󠄃しりぞかしめ給たまふなかれ 惱なやめるものと苦くるしむものとに聖󠄃名みなをほめたたへしめたまへ 22 神かみよおきてなんぢの訟󠄃うたへをあげつらひ愚おろかなるものの終󠄃日ひねもすなんぢを謗そしれるをみこころに記とめたまへ 23 なんぢの敵てきの聲こゑをわすれたまふなかれ 汝なんぢにさからひて起󠄃おこりたつ者もののかしがましき聲こゑはたえずあがれり

第75篇

[ 「滅ほろぼすなかれ」といふ調󠄃しらべにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるアサフの歌うたなり讃美さんびなり ]

1 神かみよわれら汝なんぢにかんしやす われら感謝󠄃かんしやすなんぢの名みなはちかく坐いませばなり もろもろの人ひとはなんぢの奇くすしき事跡みわざをかたりあへり 2 定さだまりたる期ときいたらば我われなほき審判󠄄さばきをなさん 3 地ちとすべての之これにすむものと消󠄃とけ去さりしとき我われそのもろもろの柱󠄃はしらをたてたり セラ 4 われ誇ほこれるものに誇ほこりかにおこなふなかれといひ 惡あしきものに角つのをあぐるなかれといへり 5 なんぢらの角つのをたかく擧あぐるなかれ頸くびをかたくして高たかぶりいふなかれ 6 擧あぐることは東ひがしよりにあらず西にしよりにあらずまた南みなみよりにもあらざるなり 7 ただ神かみのみ審士さばきびとにましませば此これをさげ彼かれをあげたまふ 8 ヱホバの手みてにさかづきありて酒さけあわだてり その中なかにものまじりてみつ 神かみこれをそそぎいだせり 誠󠄃まことにその滓おりは地ちのすべてのあしき者ものしぼりて飮のむべし 9 されど我われはヤコブの神かみをのべつたへん とこしへに讃ほめうたはん 10 われ惡あしきもののすべての角つのをきりはなたん 義ただしきものの角つのはあげらるべし〘796㌻〙

第76篇

[ 琴ことにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるアサフの歌うたなり讃美さんびなり ]

1 神かみはユダにしられたまへり その名みなはイスラエルに大おほいなり 2 またサレムの中なかにその幕屋まくやあり その居所󠄃ゐすまひはシオンにあり 3 彼所󠄃かしこにてかれは弓ゆみの火ひ矢やををり盾たてと劍つるぎと戰陣いくさとをやぶりたまひき セラ 4 なんぢ榮光えいくわうあり掠かすめうばふ山やまよりもたふとし
 1032㌻ 
5 心こゝろのつよきものは掠かすめらる かれらは睡ねぶりにしづみ勇󠄃いさましきものは皆みなその手てを見みうしなへり 6 ヤコブの神かみよなんぢの叱咤しつたによりて戰車いくさぐるまと馬むまとともに深ふかき睡ねぶりにつけり 7 神かみよなんぢこそ懼おそるべきものなれ 一ひとたび怒いかりたまふときは誰たれかみまへに立たちえんや 8 -9 なんぢ天てんより宣吿せんこくをのりたまへり 地ちのへりくだる者ものをみなすくはんとて神かみのさばきに立たちたまへるとき地ちはおそれて默もだしたり セラ 10 實げに人ひとのいかりは汝なんぢをほむべし 怒いかりのあまりは汝なんぢおのれの帶おびとしたまはん 11 なんぢの神かみヱホバにちかひをたてて償つくのへ そのまはりなるすべての者ものはおそるべきヱホバに禮物いやしろをささぐべし 12 ヱホバはもろもろの諸侯きみたちのたましひを絕たちたまはん ヱホバは地ちの王わうたちのおそるべき者ものなり

第77篇

[ エドトンの體さまにしたがひて伶長うたのかみにうたはしめたるアサフのうた ]

1 我われわがこゑをあげて神かみによばはん われ聲こゑを神かみにあげなばその耳みゝをわれにかたぶけたまはん 2 わがなやみの日ひにわれ主しゆをたづねまつれり 夜よるわが手てをのべてゆるむることなかりき わがたましひは慰なぐさめらるるをいなみたり 3 われ神かみをおもひいでて打うちなやむ われ思おもひなげきてわが靈魂たましひおとろへぬ セラ 4 なんぢはわが眼めをささへて閉ふさがしめたまはず 我われはものいふこと能あたはぬほどに惱なやみたり 5 われむかしの日ひいにしへの年としをおもへり 6 われ夜よるわが歌うたをむもひいづ 我われわが心こゝろにてふかくおもひわが靈魂たましひはねもころに尋󠄃たづねもとむ 7 主しゆはとこしへに棄すてたまふや 再ふたゝびめぐみを垂たれたまはざるや 8 その憐憫あはれみはのこりなく永遠󠄄とこしへにさり そのちかひは世々よゝながく廢すたれたるや 9 神かみは恩おんをほどこすことを忘󠄃わすれたまふや 怒いかりをもてそのあはれみを絨とぢたまふや セラ
 1033㌻ 
10 斯かゝるときに我われいへらく此こはただわが弱󠄃よわきがゆゑのみいで至上者いとたかきもののみぎの手みてのもろもろの年としをおもひいでん 11 われヤハの作爲みわざをのべとなへん われ往󠄃古いにしへよりありし汝なんぢがくすしきみわざを思おもひいたさん 12 また我われなんぢのすべての作爲みわざをおもひいで汝なんぢのなしたまへることを深ふかくおもはん〘797㌻〙 13 神かみよなんぢの途󠄃みちはいときよし 神かみのごとく大おほいなる神かみはたれぞや 14 なんぢは奇くすきみわざをなしたまへる神かみなり もろもろの民たみのあひだにその大能みちからをしめし 15 その臂かひなをもてヤコブ、ヨセフの子輩こらなんぢの民たみをあがなひたまへり セラ 16 かみよ大水おほみづなんぢを見みたり おほみづ汝なんぢをみてをののき淵ふちもまたふるへり 17 雲くもはみづをそそぎいだし空󠄃からはひびきをいだし なんぢの矢やははしりいでたり 18 なんぢの雷鳴いかづちのこゑは暴風はやちのうちにありき 電光いなづまは世よをてらし地ちはふるひうごけり 19 なんぢの大道󠄃おほぢは海うみのなかにあり なんぢの徑みちはおほみづの中なかにあり なんぢの蹤跡みあとはたづねがたかりき 20 なんぢその民たみをモーセとアロンとの手てによりて羊ひつじの群むれのごとくみちびきたまへり

第78篇

[ アサフの敎訓をしへのうた ]

1 わが民たみよわが敎訓をしへをきき、わが口くちのことばになんぢらの耳みゝをかたぶけよ 2 われ口くちをひらきて譬喩󠄄たとへをまうけ いにしへの玄幽かすかなる語ことばをかたりいでん 3 是これわれらが曩さきにききしところ知しりしところ又󠄂またわれらが列祖おやたちのかたりつたへし所󠄃ところなり 4 われら之これをその子孫こらにかくさずヱホバのもろもろの頌󠄃美ほまれと能力ちからとそのなしたまへる奇くすしき事跡みわざとをきたらんとする世よにつげん 5 そはヱホバ證詞あかしをヤコブのうちにたて律法おきてをイスラエルのうちに定さだめてその子孫こらにしらすべきことをわれらの列祖おやたちにおほせたまひたればなり 6 これ來きたらんとする代よのちに生うまるる子孫こらがこれを知しりみづから起󠄃おこりてそのまた子孫こらにつたへ
 1034㌻ 
7 かれらをして神かみによりたのみ神かみのみわざを忘󠄃わすれずその誡命いましめをまもらしめん爲ためなり 8 またその列祖おやたちのごとく頑󠄂固かたくなにしてそむくものの類たぐひとなり そのこころ修をさまらず そのたましひ神かみに忠まめならざる類たぐひとならざらん爲ためなり 9 エフライムのこらは武具󠄄もののぐととのへ弓ゆみをたづさへしに戰たゝかひの日ひにうしろをそむけたり 10 かれら神かみのちかひをまもらず そのおきてを履ふむことをいなみ 11 ヱホバのなしたまへることとかれらに示しめしたまへる奇くすしき事跡みわざとをわすれたり 12 神かみはエジプトの國くににてゾアンの野のにて妙たへなる事ことをかれらの列祖おやたちのまへになしたまへり 13 すなはち海うみをさきてかれらを過󠄃すぎしめ水みづをつみて堆うづたかくしたまへり 14 ひるは雲くもをもてかれらをみちびき夜よるはよもすがら火ひの光ひかりをもてこれを導󠄃みちびきたまへり 15 神かみはあれのにて磐いはをさき大おほいなる淵ふちより汲󠄂くむがごとくにかれらに飮のましめ 16 また磐いはより流ながれをひきて河かはのごとくに水みづをながれしめたまへり〘798㌻〙 17 然しかるにかれら尙なほたえまなく罪つみををかして神かみにさからひ荒野あれのにて至上者いとたかきものにそむき 18 またおのが慾よくのために食󠄃しよくをもとめてその心こゝろのうちに神かみをこころみたり 19 然しかのみならずかれらは神かみにさからひていへり 神かみは荒野あれのにて筵えんをまうけたまふを得えんや 20 みよ神かみいはを擊うちたまへば水みづほどばしりいで流ながれあぶれたり 糧かてをもあたへたまふを得えんや神かみはその民たみのために肉󠄁にくをそなへたまはんやと 21 この故ゆゑにヱホバこれを聞きゝていきどほりたまひき 火ひはヤコブにむかひてもえあがり怒いかりはイスラエルにむかひて立たち騰󠄃のぼれり 22 こはかれら神かみを信しんぜずその救すくひにたのまざりし故ゆゑなり 23 されどなほ神かみはうへなる雲くもに命めいじて天あめの戶とをひらき 24 彼等かれらのうへにマナをふらせて食󠄃くらはしめ天あめの穀物たなつものをあたへたまへり 25 人ひとみな勇󠄃士ますらをの糧かてをくらへり 神かみはかれらに食󠄃物くひものをおくりて飽󠄄あき足たらしめたまふ
 1035㌻ 
26 神かみは天てんに東風こちをふかせ大能みちからもて南みなみの風かぜをみちびきたまへり 27 神かみはかれらのうへに塵ちりのごとく肉󠄁にくをふらせ海うみの沙いさごのごとく翼󠄅つばさある鳥とりをふらせて 28 その營えいのなかその住󠄃所󠄃すむところのまはりに落おとしたまへり 29 斯かくてかれらは食󠄃くらひて飽󠄄あきたりぬ 神かみはこれにその欲のぞみしものを與あたへたまへり 30 かれらが未いまだその慾よくをはなれず食󠄃物くひもののなほ口くちのうちにあるほどに 31 神かみのいかり旣󠄁はやにかれらに對むかひてたちのぼり彼等かれらのうちにて最もつともこえたる者ものをころしイスラエルのわかき男をとこをうちたふしたまへり 32 これらの事ことありしかど彼等かれらはなほ罪つみををかしてその奇くすしきみわざを信しんぜざりしかば 33 神かみはかれらの日ひを空󠄃むなしくすぐさせ その年としをおそれつつ過󠄃すぐさせたまへり 34 神かみかれらを殺ころしたまへる時ときかれら神かみをたづね歸かへりきたりて懇ねんごろに神かみをもとめたり 35 かくて神かみはおのれの磐いはいとたかき神かみはおのれの贖主あがなひぬしなることをおもひいでたり 36 然しかはあれど彼等かれらはただその口くちをもて神かみにへつらひその舌したをもて神かみにいつはりをいひたりしのみ 37 そはかれらのこころは神かみにむかひて堅かたからず その契󠄅約けいやくをまもるに忠信ちゆうしんならざりき 38 されど神かみはあはれみに充みちたまへばかれらの不義ふぎをゆるして亡ほろぼしたまはず屡しばしばそのみいかりを轉うつしてことごとくは忿恚いきどほりをふりおこし給たまはざりき 39 又󠄂またかれがただ肉󠄁にくにして過󠄃去すぎさればふたゝび歸かへりこぬ風かぜなるをおもひいで給たまへり 40 かれらは野のにて神かみにそむき荒野あれのにて神かみをうれへしめしこと幾次󠄄いくたびぞや 41 かれらかへすがへす神かみをこころみイスラエルの聖󠄃者せいじやをはづかしめたり 42 かれらは神かみの手みてをも敵てきより贖あがなひたまひし日ひをもおもひいでざりき 43 神かみはそのもろもろの豫兆󠄃しるしをエジプトにあらはしその奇くすしき事みわざをゾアンの野のにあらはし〘799㌻〙 44 かれらの河かはを血ちにかはらせてその流ながれを飮のみあたはざらしめ 45 また蠅󠄄はへの群むれをおくりてかれらをくはしめ蛙かはづをおくりてかれらを亡ほろぼさせたまへり
 1036㌻ 
46 神かみはかれらの田產なりいでものを蟊賊󠄄おほねむしにわたし かれらの勤勞きんらうを蝗いなごにあたへたまへり 47 神かみは雹へうをもてかれらの葡萄ぶだうの樹きをからし霜しもをもてかれらの桑くはの樹きをからし 48 その家畜けものをへうにわたしその群むれをもゆる閃電いなづまにわたし 49 かれらの上うへにはげしき怒いかりといきどほりと怨恨うらみとなやみと禍害󠄅わざはひのつかひの群むれとをなげいだし給たまへり 50 神かみはその怒いかりをもらす道󠄃みちをまうけ かれらのたましひを死しよりまぬかれしめず そのいのちを疫癘えやみにわたし 51 エジプトにてすべての初子うひごをうちハムの幕屋まくやにてかれらの力ちからの始はじめをうちたまへり 52 されどおのれの民たみを羊ひつじのごとくに引ひきいだし かれらを曠野あらのにてけだものの群むれのごとくにみちびき 53 かれらをともなひておそれなく安やすけからしめ給たまへり されど海うみはかれらの仇あたをおほへり 54 神かみはその聖󠄃所󠄃せいじよのさかひ その右みぎの手てにて購󠄄かひたまへるこの山やまに彼かれらを携たづさへたまへり 55 又󠄂またかれらの前󠄃まへにてもろもろの國人くにびとをおもひいだし準繩󠄂はかりなはをもちゐ その地ちをわかちて嗣業ゆづりとなし イスラエルの族やからをかれらの幕屋まくやにすまはせたまへり 56 然しかはあれど彼等かれらはいとたかき神かみをこころみ之これにそむきてそのもろもろの證詞あかしをまもらず 57 叛󠄃そむきしりぞきてその列祖おやたちの如ごとく眞󠄃實まことをうしなひ くるへる弓ゆみのごとくひるがへりて逸それゆけり 58 高處たかきところをまうけて神かみのいきどほりをひき刻󠄂きざめる像󠄃ざうにて神かみの嫉妬ねたみをおこしたり 59 神かみききたまひて甚はなはだしくいかり大おほいにイスラエルを憎にくみたまひしかば 60 人々ひと〴〵の間なかにおきたまひし幕屋まくやなるシロのあげばりを棄すてさり 61 その力ちからをとりことならしめ その榮光えいくわうを敵てきの手てにわたし 62 その民たみを劍つるぎにあたへ その嗣業ゆづりにむかひて甚はなはだしく怒いかりたまへり 63 火ひはかれらのわかき男をとこをやきつくし かれらの處女をとめはその婚姻こんいんの歌うたによりて譽ほめらるることなく 64 かれらの祭司さいしはつるぎにて仆たふれ かれらの寡婦󠄃やもめは喪ものなげきだにせざりき 65 斯かゝるときに主しゆはねぶりし者もののさめしごとく勇󠄃士ますらをの酒さけによりてさけぶがごとく目めさめたまひて
 1037㌻ 
66 その敵てきをうちしりぞけ とこしへの辱はぢをかれらに負󠄅おはせたまへり 67 またヨセフの幕屋まくやをいなみエフライムの族やからをえらばず 68 ユダの族やからそのいつくしみたまふシオンの山やまをえらびたまへり 69 その聖󠄃所󠄃せいじよを山やまのごとく永遠󠄄とこしへにさだめたまへる地ちのごとくに立たてたまへり〘800㌻〙 70 またその僕しもべダビデをえらびて羊ひつじの牢をりのなかよりとり 71 乳󠄃ちをあたふる牝め羊ひつじにしたがひゆく勤つとめのうちより携たづさへきたりてその民たみヤコブその嗣業ゆづりイスラエルを牧やしなはせたまへり 72 斯かくてダビデはそのこころの完全󠄃またきにしたがひてかれらを牧やしなひ その手てのたくみをもて之これをみちびけり

第79篇

[ アサフのうた ]

1 ああ神かみよもろもろの異邦󠄆人ことくにびとはなんぢの嗣業ゆづりの地ちををかし なんぢの聖󠄃宮きよきみやをけがしヱルサレムをこぼちて礫堆いしづかとなし 2 なんぢの僕しもべのしかばねをそらの鳥とりに與あたへて餌󠄉ゑとなし なんぢの聖󠄃徒せいとの肉󠄁にくを地ちのけものにあたへ 3 その血ちをヱルサレムのめぐりに水みづのごとく流ながしたりされど之これをはうむる人ひとなし 4 われらは隣人となりびとにそしられ四周󠄃めぐりのひとびとに侮あなどられ嘲󠄂あざけらるるものとなれり 5 ヱホバよ斯かくて幾いく何時そのときをへたまふや 汝なんぢとこしへに怒いかりたまふや なんぢのねたみは火ひのごとく燃もゆるか 6 願ねがはくはなんぢを識しらざることくにびと聖󠄃名みなをよばざるもろもろの國くにのうへに烈怒みいかりをそそぎたまへ 7 かれらはヤコブを呑のみその住󠄃處すみかをあらしたればなり 8 われらにむかひて先祖とほつおやのよこしまなるわざを記念きねんしたまふなかれ願ねがはくはなんぢの憐憫あはれみをもて速󠄃すみやかにわれらを迎󠄃むかへたまへ われらは貶おとされて甚はなはだしく卑ひくくなりたればなり 9 われらのすくひの神かみよ名みなのえいくわうのために我儕われらをたすけ名みなのためにわれらを救すくひ われらの罪つみをのぞきたまへ
 1038㌻ 
10 いかなれば異邦󠄆人ことくにびとはいふ かれらの神かみはいづくにありやと 願ねがはくはなんぢの僕しもべ等らがながされし血ちの報むくいをわれらの目前󠄃まのあたりになして異邦󠄆人ことくにびとにしらしめたまへ 11 ねがはくは汝なんぢのみまへにとらはれびとの嘆息なげきのとどかんことを なんぢの大おほいなる能力みちからにより死しにさだめられし者ものをまもりて存ながらへしめたまへ 12 主しゆよわれらの隣人となりびとのなんぢをそしりたる謗そしりを七倍ななかさましてその懷ふところにむくいかへしたまへ 13 然さらばわれらなんぢの民たみなんぢの草苑まきのひつじは永遠󠄄とこしへになんぢに感謝󠄃かんしやしその頌󠄃辭たたへごとを世々よゝあらはさん

第80篇

[ 證詞あかしの百合花ゆりのはなといへる調󠄃しらべにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるアサフの歌うた ]

1 イスラエルの牧者ぼくしゃよひつじの群むれのごとくヨセフを導󠄃みちびきたまものよ 耳みゝをかたぶけたまへ ケルビムのうへに坐ざしたまふものよ 光ひかりをはなちたまへ 2 エフライム、ベニヤミン、マナセの前󠄃まへになんぢの力ちからをふりおこし來きたりてわれらを救すくひたまへ 3 神かみよふたゝびわれらを復かへし なんぢの聖󠄃顏みかほのひかりをてらしたまへ 然さらばわれら救すくひをえん〘801㌻〙 4 ばんぐんの神かみヱホバよなんぢその民たみの祈いのりにむかひて何いづれのときまで怒いかりたまふや 5 汝なんぢかれらになみだの糧かてをくらはせ淚なみだを量器ますにみちみつるほどあたへて飮のましめ給たまへり 6 汝なんぢわれらを隣人となりびとのあひあらそふ種料たねぐさとなしたまふ われらの仇あたはたがひにあざわらへり 7 萬軍ばんぐんの神かみよふたゝびわれらを復かへしたまへ 汝なんぢのみかほの光ひかりをてらしたまへ さらばわれら救すくひをえん 8 なんぢ葡萄ぶだうの樹きをエジプトより携たづさへいだしもろもろの國人くにびとをおひしりぞけて之これをうゑたまへり 9 汝なんぢそのまへに地ちをまうけたまひしかば深ふかく根ねざして國くににはびこれり 10 その影かげはもろもろの山やまをおほひ そのえだは神かみの香柏かうはくのごとくにてありき 11 その樹きはえだを海うみにまでのべ その若枝わかえを河かはにまでのべたり
 1039㌻ 
12 汝なんぢいかなればその垣かきをくづして路みちゆくすべての人ひとに摘つみ取とらせたまふや 13 はやしの猪ゐのこはこれをあらし野ののあらき獸けものはこれをくらふ 14 ああ萬軍ばんぐんの神かみよねがはくは歸かへりたまへ 天てんより俯ふし視みてこの葡萄ぶだうの樹きをかへりみ 15 なんぢが右みぎの手てにてうゑたまへるもの自己みづからのために强つよくなしたまへる枝えだをまもりたまへ 16 その樹きは火ひにて燒やかれまた斫きりたふさる かれらは聖󠄃顏みかほのいかりにて亡ほろぶ 17 ねがはくはなんぢの手てをその右みぎの手ての人ひとのうへにおき自己みづからのためにつよくなしたまへる人ひとの子このうへにおきたまへ 18 さらばわれら汝なんぢをしりぞき離はなるることなからん 願ねがはくはわれらを活いかしたまへ われら名みなをよばん 19 ああ萬軍ばんぐんの神かみヱホバよふたゝび我儕われらをかへしたまへ なんぢの聖󠄃顏みかほのひかりを照てらしたまへ 然さらばわれら救すくひをえん

第81篇

[ ギテトの琴ことにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるアサフのうた ]

1 われらの力ちからなる神かみにむかひて高たからかにうたひヤコブの神かみにむかひてよろこびの聲こゑをあげよ 2 歌うたをうたひ鼓つづみとよき音󠄃ねのことと筝さうとをもちきたれ 3 新月󠄃しんげつと滿月󠄃まんげつとわれらの節󠄄會せちゑの日ひとにラッパをふきならせ 4 これイスラエルの律法おきてヤコブのかみの格さだめなり 5 神かみさきにエジプトを攻せめたまひしときヨセフのなかに之これをたてて證あかしとなしたまへり 我われかしこにて未いまだしらざりし方言ことばをきけり 6 われかれの肩󠄃かたより重荷おもにをのぞき かれの手てを籃かごよりまぬかれしめたり 7 汝なんぢなやめるとき呼よびしかば我われなんぢをすくへり われ雷鳴いかづちのかくれたるところにて汝なんぢにこたへメリバの水みづのほとりにて汝なんぢをこころみたり セラ 8 わが民たみよきけ我われなんぢに證あかしせん イスラエルよ汝なんぢがわれに從したがはんことをもとむ〘802㌻〙 9 汝なんぢのうちに他神あだしかみあるべからず なんぢ他神あだしかみををがむべからず 10 われはエジプトの國くによりなんぢを携たづさへいでたる汝なんぢの神かみヱホバなり なんぢの口くちをひろくあけよ われ物ものをみたしめん 11 されどわが民たみはわか聲こゑにしたがはず イスラエルは我われをこのまず
 1040㌻ 
12 このゆゑに我われかれらが心こゝろのかたくななるにまかせ彼等かれらがその任意こころままにゆくにまかせたり 13 われはわが民たみのわれに從したがひイスラエルのわが道󠄃みちにあゆまんことを求もとむ 14 さらば我われすみやかにかれらの仇あたをしたがへ わが手てをかれらの敵てきにむけん 15 斯かくてヱホバをにくみし者ものもかれらに從したがひ かれらの時ときはとこしへにつづかん 16 神かみはむぎの最いと嘉よきをもてかれらをやしなひ 磐いはよりいでたる蜜みつをもて汝なんぢをあかしむべし

第82篇

[ アサフのうた ]

1 かみは神かみのつどひの中なかにたちたまふ 神かみはもろもろの神かみのなかに審判󠄄さばきをなしたまふ 2 なんぢらは正たゞしからざる審判󠄄さばきをなし あしきものの身みをかたよりみて幾いく何時そのときをへんとするや セラ 3 よわきものと孤兒みなしごとのためにさばき苦くるしむものと乏ともしきものとのために公󠄃平󠄃こうへいをほどこせ 4 弱󠄃よわきものと貧󠄃まづしきものとをすくひ彼等かれらをあしきものの手てよりたすけいだせ 5 かれらは知しることなく悟さとることなくして暗󠄃中くらきなかをゆきめぐりぬ 地ちのもろもろの基もとゐはうごきたり 6 我われいへらく なんぢらは神かみなりなんぢらはみな至上者いとたかきものの子こなりと 7 然されどなんぢらは人ひとのごとくに死しにもろもろの侯きみのなかの一人ひとりのごとく仆たふれん 8 神かみよおきて全󠄃地ぜんちをさばきたまへ 汝なんぢもろもろの國くにを嗣つぎたまふべければなり

第83篇

[ アサフの歌うたなり讃美さんびなり ]

1 神かみよもだしたまふなかれ神かみよものいはで寂靜しづまりたまふなかれ 2 視みよなんぢの仇あたはかしがきしき聲こゑをあげ汝なんぢをにくむものは首かしらをあげたり
 1041㌻ 
3 かれらはたくみなる謀略はかりごとをもてなんぢの民たみにむかひ相あひ共ともにはかりて汝なんぢのかくれたる者ものにむかふ 4 かれらいひたりき 來いざかれらを斷たち滅ほろぼしてふたゝび國くにをたつることを得えざらしめイスラエルの名なをふたゝび人ひとにしられざらしめんと 5 かれらは心こゝろを一ひとつにしてともにはかり互たがひにちかひをなしてなんぢに逆󠄃さかふ 6 こはエドムの幕屋まくやにすめる人ひとイシマエル人びとモアブ、ハガル人びと 7 ゲバル、アンモン、アマレク、ペリシテおよびツロの民たみなどなり 8 アッスリヤも亦またかれらにくみせり 斯かくてロトの子輩こらのたすけをなせり セラ 9 なんぢ曩さきにミデアンになしたまへる如ごとくキションの河かはにてシセラとヤビンとに作なしたまへるごとく彼等かれらにもなしたまへ〘803㌻〙 10 かれらはエンドルにてほろび地ちのために肥料こえとなれり 11 かれらの貴人きにんをオレブ、ゼエブのごとくそのもろもろの侯きみをゼバ、ザルムンナのごとくなしたまへ 12 かれらはいへり われら神かみの草苑まきをえてわが有󠄃ものとすべしと 13 わが神かみよかれらをまきあげらるる塵ちりのごとく風かぜのまへの藁わらのごとくならしめたまへ 14 林はやしをやく火ひのごとく山やまをもやす熖ほのほのごとく 15 なんぢの暴風はやちをもてかれらを追󠄃おひなんぢの旋風つむじかぜをもてかれらを怖おそれしめたまへ 16 かれらの面かほに恥はぢをみたしめたまへ ヱホバよ然さらばかれらなんぢの名なをもとめん 17 かれらをとこしへに恥はぢおそれしめ惶あわてまどひて亡ほろびうせしめたまへ 18 然さらばかれらはヱホバてふ名なをもちたまふ汝なんぢのみ全󠄃地ぜんちをしろしめす至上者いとたかきものなることを知しるべし

第84篇

[ ギテトの琴ことにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるコラの子このうた ]

1 萬軍ばんぐんのヱホバよなんぢの帷幄あけばりはいかに愛あいすべきかな 2 わが靈魂たましひはたえいるばかりにヱホバの大おほ庭󠄄にはをしたひ わが心こゝろわが身みはいける神かみにむかひて呼よばふ 3 誠󠄃まことやすずめは窩やどりをえ燕子つばくらめはその雛ひなをいるる巢すをえたり萬軍ばんぐんのヱホバわが王わうわが神かみよ これなんぢの祭壇さいだんなり
 1042㌻ 
4 なんぢの家いへにすむものは福さいはひなり かかるひとはつねに汝なんぢをたたへまつらん セラ 5 その力ちからなんぢにあり その心こゝろシオンの大路おほぢにある者ものはさいはひなり 6 かれらは淚なみだの谷たにをすぐれども其處そこをおほくの泉いづみあるところとなす また前󠄃まへの雨あめはもろもろの惠めぐみをもて之これをおほへり 7 かれらは力ちからより力ちからにすすみ遂󠄅つひにおのおのシオンにいたりて神かみにまみゆ 8 ばんぐんの神かみヱホバよわが祈いのりをききたまへ ヤコブの神かみよ耳みゝをかたぶけたまへ セラ 9 われらの盾たてなる神かみよ みそなはして なんぢの受膏者じゆかうじやの顏かほをかへりみたまへ 10 なんぢの大おほ庭󠄄にはにすまふ一日いちにちは千日せんにちにもまされり われ惡あくの幕屋まくやにをらんよりは 寧むしろわが神かみのいへの門守かどもりとならんことを欲ねがふなり 11 そは神かみヱホバは日ひなり盾たてなり ヱホバは恩おんとえいくわうとをあたへ直なほくあゆむものに善よき物ものをこばみたまふことなし 12 萬軍ばんぐんのヱホバよなんぢに依賴よりたのむものはさいはひなり

第85篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるコラの子このうた ]

1 ヱホバよなんぢは御國みくににめぐみをそそぎたまへり なんぢヤコブの俘囚とらはれをかへしたまひき〘804㌻〙 2 なんぢおのが民たみの不義ふぎをゆるしそのもろもろの罪つみをおほひたまひき セラ 3 汝なんぢすべての怒いかりをすてその烈はげしきいきどほりを遠󠄄とほざけたまへり 4 われらのすくひの神かみよかへりきたり我儕われらにむかひて忿怒みいかりをやめたまへ 5 なんぢ永遠󠄄とこしへにわれらをいかり萬世よろづよにみいかりをひきのべたまふや 6 汝なんぢによりてなんぢの民たみの喜悅よろこびをえんが爲ために我儕われらを活いかしたまはざるか 7 ヱホバよなんぢの憐憫あはれみをわれらにしめし汝なんぢのすくひを我儕われらにあたへたまへ 8 わが神かみヱホバのいたりたまふ事ことをきかん ヱホバはその民たみその聖󠄃徒せいとに平󠄃和へいわをかたりたまへばなり さればかれらは愚おろかなる行爲おこなひにふたゝび歸かへるなかれ
 1043㌻ 
9 實げにそのすくひは神かみをおそるる者ものにちかし かくて榮光えいくわうはわれらの國くににとゞまらん 10 あはれみと眞󠄃實まこととともにあひ義ぎと平󠄃和へいわとたがひに接吻くちつけせり 11 まことは地ちよりはえ義ぎは天てんよりみおろせり 12 ヱホバ善よき物ものをあたへたまへばわれらの國くには物產なりいでものをいださん 13 義ぎはヱホバのまへにゆきヱホバのあゆみたまふ跡あとをわれに踏ふましめん

第86篇

[ ダビデの祈禱いのり ]

1 ヱホバよなんぢ耳みゝをかたぶけて我われにこたへたまへ 我われはくるしみかつ乏ともしければなり 2 ねがはくはわが靈魂たましひをまもりたまへ われ神かみをうやまふ者ものなればなり わが神かみよなんぢに依賴よりたのめる汝なんぢのしもべを救すくひ給たまへ 3 主しゆよわれを憐あはれみたまへ われ終󠄃日ひねもすなんぢによばふ 4 なんぢの僕しもべのたましひを悅よろこばせたまへ 主しゆよわが靈魂たましひはなんぢを仰あふぎのぞむ 5 主しゆよなんぢは惠めぐみふかくまた赦ゆるしをこのみたまふ 汝なんぢによばふ凡すべてのものを豐ゆたかにあはれみたまふ 6 ヱホバよわがいのりに耳みゝをかたぶけ わが懇求ねがひのこゑをききたまへ 7 われわが患難なやみの日ひになんぢに呼よばはん なんぢは我われにこたへたまふべし 8 主しゆよもろもろの神かみのなかに汝なんぢにひとしきものはなく汝なんぢのみわざに侔ひとしきものはなし 9 主しゆよなんぢの造󠄃つくれるもろもろの國くにはなんぢの前󠄃まへにきたりて伏ふし拜をがまん かれらは聖󠄃名みなをあがむべし 10 なんぢは大おほいなり奇くすしき事跡みわざをなしたまふ 唯たゞなんぢのみ神かみにましませり 11 ヱホバよなんぢの道󠄃みちをわれに敎をしへたまへ我われなんぢの眞󠄃理まことをあゆまん ねがはくは我われをして心こゝろひとつに聖󠄃名みなをおそれしめたまへ 12 主しゆわが神かみよ我われ心こゝろをつくして汝なんぢをほめたたへ とこしへに聖󠄃名みなをあがめまつらん 13 そはなんぢの憐憫あはれみはわれに大おほいなり わがたましひを陰府よみのふかき處ところより助たすけいだしたまへり
 1044㌻ 
14 神かみよたかぶれるものは我われにさからひて起󠄃おこりたち暴あらぶる人ひとの會つどひはわがたましひをもとめ 斯かくてなんぢを己おのがまへに置おかざりき〘805㌻〙 15 されど主しゆよなんぢは憐憫あはれみとめぐみとにとみ怒いかりをおそくし愛いつくしみと眞󠄃實まこととにゆたかなる神かみにましませり 16 我われをかへりみ我われをあはれみたまへ ねがはくは汝なんぢのしもべに能力ちからを與あたへ汝なんぢのはしための子こをすくひたまへ 17 我われにめぐみの憑據しるしをあらはしたまへ 然さらばわれをにくむ者ものこれをみて恥はぢをいだかん そはヱホバよなんぢ我われをたすけ我われをなぐさめたまへばなり

第87篇

[ コラの子このうたなり讃美さんびなり ]

1 ヱホバの基もとゐはきよき山やまにあり 2 ヱホバはヤコブのすべての住󠄃居すまひにまさりてシオンのもろもろの門かどを愛あいしたまふ 3 神かみの都みやこよなんぢにつきておほくの榮光えいくわうのことを語かたりはやせり セラ 4 われはラハブ、バビロンをも我われをしるものの中うちにあげん ペリシテ、ツロ、エテオピアを視みよこの人ひとはかしこに生うまれたりといはん 5 シオンにつきては如此かくいはん 此このもの彼かのものその中なかにうまれたり至上者いとたかきものみづからシオンを立たてたまはんと 6 ヱホバもろもろの民たみをしるしたまふ時ときこのものは彼處かしこにうまれたりと算かぞへあげたまはん セラ 7 うたふもの踴をどるもの皆みないはん わがもろもろの泉いづみはなんぢの中うちにありと

第88篇

[ マハラテ、レアノテの調󠄃しらべにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるコラの子このうたなり 讃美さんびなり、エズフ人びとヘマンのをしへの歌うたなり ]

1 わがすくひの神かみヱホバよわれ晝ひるも夜よるもなんぢの前󠄃まへにさけべり 2 願ねがはくはわが祈いのりをみまへにいたらせ汝なんぢのみみをわが號呼さけびのこゑにかたぶけたまへ 3 わがたましひは患難なやみにてみち我わがいのちは陰府よみにちかづけり
 1045㌻ 
4 われは穴󠄄あなにいるものとともにかぞへられ依仗よるべなき人ひとのごとくなれり 5 われ墓はかのうちなる殺ころされしもののごとく死しねる者もののうちにすてらる汝なんぢかれらを再ふたゝびこころに記とめたまはず かれらは御手みてより斷たち滅ほろぼされしものなり 6 なんぢ我われをいとふかき穴󠄄あな くらき處ところ ふかき淵ふちにおきたまひき 7 なんぢの怒いかりはいたくわれにせまれり なんぢそのもろもろの浪なみをもて我われをくるしめ給たまへり セラ 8 わが相あひ識しるものを我われよりとほざけ我われをかれらに憎にくませたまへり われは錮こめ閉とざされていづることあたはず 9 わが眼めはなやみの故ゆゑをもておとろへぬ われ日ひごとに汝なんぢをよべり ヱホバよなんぢに向むかひてわが兩手もろてをのべたり 10 なんぢ死しねる者ものにくすしき事跡みわざをあらはしたまはんや 亡うせにしもの立たちてなんぢを讃ほめたたへんや セラ〘806㌻〙 11 汝なんぢのいつくしみは墓はかのうちに汝なんぢのまことは滅亡ほろびのなかに宣傳のべつたへられんや 12 汝なんぢのくすしきみわざは幽暗󠄃くらきになんぢの義ぎは忘󠄃失わすれのくにに知しらるることあらんや 13 されどヱホバよ我われなんぢに向むかひてさけべり わがいのりは朝󠄃あしたにみまへに達󠄃いたらん 14 ヱホバよなんぢ何いかなればわが靈魂たましひをすてたまふや何いかなればわれに面みかほをかくしたまふや 15 われ幼稚をさなきよりなやみて死しぬるばかりなり我われなんぢの恐嚇おびやかしにあひてくるしみまどへり 16 汝なんぢのはげしき怒いかりわがうへをすぐ汝なんぢのおびやかし我われをほろぼせり 17 これらの事ことひねもす大水おほみづのごとく我われをめぐり ことごとく來きたりて我われをかこみふさげり 18 なんぢ我われをいつくしむ者ものとわが友ともとをとほざけ わが相あひ識しるものを幽暗󠄃くらきにいれたまへり

第89篇

[ エズラ人びとエタンのをしへの歌うた ]

1 われヱホバの憐憫あはれみをとこしへにうたはん われ口くちもてヱホバの眞󠄃實まことをよろづ代よにつげしらせん
 1046㌻ 
2 われいふ あはれみは永遠󠄄とこしへにたてらる 汝なんぢはその眞󠄃實まことをかたく天てんにさだめたまはんと 3 われわが撰えらびたるものと契󠄅約けいやくをむすびわが僕しもべダビデにちかひたり 4 われなんぢの裔すゑをとこしへに固かたうしなんぢの座位くらゐをたてて代々よゝにおよばしめん セラ 5 ヱホバよもろもろの天てんはなんぢの奇くすしき事跡みわざをほめん なんぢの眞󠄃實まこともまた潔󠄄きよきものの會つどひにてほめらるべし 6 蒼天おほぞらにてたれかヱホバに類たぐふものあらんや 神かみの子このなかに誰たれかヱホバのごとき者ものあらんや 7 神かみはきよきものの公󠄃會こうくわいのなかにて畏かしこむべきものなり その四周󠄃まはりにあるすべての者ものにまさりて懼おそるべきものなり 8 萬軍ばんぐんの神かみヱホバよヤハよ汝なんぢのごとく大能たいのうあるものは誰たれぞや なんぢの眞󠄃實まことはなんぢをめぐりたり 9 なんぢ海うみのあるるををさめ その浪なみのたちあがらんときは之これをしづめたまふなり 10 なんぢラハブを殺ころされしもののごとく擊うち碎くだきおのれの仇あたどもを力ちからある腕みうでをもて打うち散ちらしたまへり 11 もろもろの天てんはなんぢのもの地ちもまた汝なんぢのものなり世界せかいとその中なかにみつるものとはなんぢの基もとゐしたまへるなり 12 北きたと南みなみはなんぢ造󠄃つくりたまへり タボル、ヘルモンはなんぢの名みなによりて歡よろこびよばふ 13 なんぢは大能たいのうのみうでをもちたまふ なんぢの手みてはつよく汝なんぢのみぎの手みてはたかし 14 義ぎと公󠄃平󠄃こうへいはなんぢの寳座みくらのもとゐなり あはれみと眞󠄃實まこととは聖󠄃顏みかほのまへにあらはれゆく 15 よろこびの音󠄃おとをしる民たみはさいはひなり ヱホバよかれらはみかほの光ひかりのなかをあゆめり 16 かれらは名みなによりて終󠄃日ひねもすよろこび 汝なんぢの義ぎによりて高たかくあげられたり〘807㌻〙 17 かれらの力ちからの榮光えいくわうはなんぢなり 汝なんぢの惠めぐみによりてわれらの角つのはたかくあげられん 18 そはわれらの盾たてはヱホバに屬つきわれらの王わうはイスラエルの聖󠄃者せいじやにつけり 19 そのとき異象まぼろしをもてなんぢの聖󠄃徒せいとにつげたまはく われ佑助たすけをちからあるものに委ゆだねたり わが民たみのなかより一人ひとりをえらびて高たかくあげたり
 1047㌻ 
20 われわが僕しもべダビデをえて之これにわが聖󠄃きよき膏あぶらをそそげり 21 わが手てはかれとともに堅かたくわが臂かひなはかれを强つよくせん 22 仇あたかれをしへたぐることなし惡あくの子こかれを苦くるしむることなからん 23 われかれの前󠄃まへにそのもろもろの敵てきをたふし彼かれをにくめるものを擊うたん 24 されどわが眞󠄃實まこととわが憐憫あはれみとはダビデとともに居をり わが名なによりてその角つのはたかくあげられん 25 われ亦またかれの手てを海うみのうへにおき そのみぎの手てを河かはのうへにおかん 26 ダビデ我われにむかひて汝なんぢはわが父󠄃ちゝわが神かみわがすくひの岩いはなりとよばん 27 われまた彼かれをわが初子うひごとなし地ちの王わうたちのうち最いともたかき者ものとなさん 28 われとこしへに憐憫あはれみをかれがためにたもち 之これとたてし契󠄅約けいやくはかはることなかるべし 29 われまたその裔すゑをとこしへに存ながらへ そのくらゐを天てんの日ひ數󠄄かずのごとくながらへしめん 30 もしその子こわが法のりをはなれ わが審判󠄄さばきにしたがひて步あゆまず 31 わが律法おきてをやぶりわが誡命いましめをまもらずば 32 われ杖つゑをもてかれらの愆とがをただし鞭むちをもてその邪󠄅曲よこしまをただすべし 33 されど彼かれよりわが憐憫あはれみをことごとくはとりさらず わが眞󠄃實まことをおとろへしむることなからん 34 われおのれの契󠄅約けいやくをやぶらず己おのれのくちびるより出いでしことをかへじ 35 われ曩さきにわが聖󠄃きよきをさして誓ちかへり われダビデに虛僞いつはりをいはじ 36 その裔すゑはとこしへにつづきその座位くらゐは日ひのごとく恒つねにわが前󠄃まへにあらん 37 また月󠄃つきのごとく永遠󠄄とこしへにたてられん空󠄃そらにある證あかし人びとはまことなり セラ 38 されどその受膏者じゆかうじやをとほざけて棄すてたまへり なんぢ之これをいきどほりたまへり 39 なんぢ己おのがしもべの契󠄅約けいやくをいみ 其そのかんむりをけがして地ちにまでおとし給たまへり 40 またその垣かきをことごとく倒たふし その保砦とりでをあれすたれしめたまへり 41 その道󠄃みちをすぐるすべての者ものにかすめられ隣人となりびとにののしらる 42 なんぢかれが敵てきのみぎの手てをたかく擧あげそのもろもろの仇あたをよろこばしめたまへり
 1048㌻ 
43 なんぢかれの劍つるぎの刃󠄃はをふりかへして戰鬪たたかひにたつに堪たへざらしめたまひき 44 またその光輝かがやきをけしその座位くらゐを地ちになげおとし 45 その年とし若わかき日ひをちぢめ恥はぢをそのうへに覆󠄄おほひたまへり セラ 46 ヱホバよかくて幾いく何時そのときをへたまふや自己みづからをとこしへに隱かくしたまふや忿怒みいかりは火ひのもゆるごとくなるべきか〘808㌻〙 47 ねがはくはわが時ときのいかに短みぢかきかを思おもひたまへ 汝なんぢいたづらにすべての人ひとの子こをつくりたまはんや 48 誰たれかいきて死しをみず又󠄂またおのがたましひを陰府よみより救すくひうるものあらんや セラ 49 主しゆよなんぢが眞󠄃實まことをもてダビデに誓ちかひたまへる昔日むかしのあはれみはいづこにありや 50 -51 主しゆよねがはくはなんぢの僕しもべのうくる謗そしりをみこころにとめたまへ ヱホバよ汝なんぢのもろもろの仇あたはわれをそしりなんぢの受膏者じゆかうじやのあしあとをそしれり 我われもろもろの民たみのそしりをわが懷中ふところにいだく 52 ヱホバは永遠󠄄とこしへにほむべきかな アーメン アーメン

第90篇

[ 神かみの人ひとモーセの祈禱いのり ]

1 主しゆよなんぢは往󠄃古いにしへより世々よゝわれらの居所󠄃すみかにてましませり 2 山やまいまだ生なりいでず汝なんぢいまだ地ちと世界せかいとをつくりたまはざりしとき 永遠󠄄とこしへよりとこしへまでなんぢは神かみなり 3 なんぢ人ひとを塵ちりにかへらしめて宣のたまはく 人ひとの子こよなんぢら歸かへれと 4 なんぢの目前󠄃めのまへには千年ちとせもすでにすぐる昨日きのふのごとく また夜間よのまのひとときにおなじ 5 なんぢこれらを大水おほみづのごとく流ながれ去さらしめたまふ かれらは一夜ひとよの寢ねむりのごとく朝󠄃あしたにはえいづる靑あを草くさのごとし 6 朝󠄃あしたにはえいでてさかえ夕ゆふべにはかられて枯かるるなり 7 われらはなんぢの怒いかりによりて消󠄃きえうせ 汝なんぢのいきどほりによりて怖おぢまどふ 8 汝なんぢわれらの不義ふぎをみまへに置おき われらの隱かくれたるつみを聖󠄃顏みかほのひかりのなかにおきたまへり 9 われらのもろもろの日ひはなんぢの怒いかりによりて過󠄃去すぎさらり われらがすべての年としのつくるは一息ひといきのごとし 10 われらが年としをふる日ひは七十歳ななそじにすぎず あるひは壯すこやかにして八十歳やそじにいたらん されどその誇ほこるところはただ勤勞きんらうとかなしみとのみ その去さりゆくこと速󠄃すみやかにしてわれらもまた飛とび去されり
 1049㌻ 
11 誰たれかなんぢの怒いかりのちからを知しらんや たれか汝なんぢをおそるる畏おそれにたくらべて汝なんぢのいきどほりをしらんや 12 願ねがはくはわれらにおのが日ひをかぞふることををしへて智慧󠄄ちゑのこころを得えしめたまへ 13 ヱホバよ歸かへりたまへ斯かくていくそのときを歷へたまふや ねがはくは汝なんぢのしもべらに係かゝはれるみこころを變かへたまへ 14 ねがはくは朝󠄃あしたにわれらを汝なんぢのあはれみにてあきたらしめ 世よをはるまで喜よろこびたのしませたまへ 15 汝なんぢがわれらを苦くるしめたまへるもろもろの日ひと われらが禍害󠄅わざはひにかかれるもろもろの年としとにたくらべて我儕われらをたのしませたまへ 16 なんぢの作爲みわざをなんぢの僕しもべ等らに なんぢの榮光えいくわうをその子等こらにあらはしたまへ 17 斯かくてわれらの神かみヱホバの佳美うるはしきをわれらのうへにのぞましめ われらの手てのわざをわれらのうへに確かたからしめたまへ 願ねがはくはわれらの手てのわざを確かたからしめたまへ〘809㌻〙

第91篇

1 至上者いとたかきもののもとなる隱かくれたるところにすまふその人ひとは全󠄃能者ぜんのうしやの蔭かげにやどらん 2 われヱホバのことを宣のべて ヱホバはわが避󠄃所󠄃さけどころわが城󠄃しろわがよりたのむ神かみなりといはん 3 そは神かみなんぢを狩人かりうどのわなと毒󠄂どくをながす疫癘えやみよりたすけいだしたまふべければなり 4 かれその翮はねをもてなんぢを庇おほひたまはん なんぢその翼󠄅つばさの下したにかくれん その眞󠄃實まことは盾たてなり干こだてなり 5 夜よるはおどろくべきことあり晝ひるはとびきたる矢やあり 6 幽暗󠄃くらきにはあゆむ疫癘えやみあり日午ひるにはそこなふ勵はげしき疾やまひあり されどなんぢ畏おそるることあらじ 7 千せん人にんはなんぢの左ひだりにたふれ萬まん人にんはなんぢの右みぎにたふる されどその災害󠄅わざはひはなんぢに近󠄃ちかづくことなからん 8 なんぢの眼めはただこの事ことをみるのみ なんぢ惡者あしきもののむくいを見みん 9 なんぢ曩さきにいへりヱホバはわが避󠄃所󠄃さけどころなりと なんぢ至上者いとたかきものをその住󠄃居すまひとなしたれば
 1050㌻ 
10 災害󠄅わざはひなんぢにいたらず苦難なやみなんぢの幕屋まくやに近󠄃ちかづかじ 11 そは至上者いとたかきものなんぢのためにその使󠄃者つかひ輩たちにおほせて 汝なんぢがあゆむもろもろの道󠄃みちになんぢを守まもらせ給たまへばなり 12 彼かれら手てにてなんぢの足あしの石いしにふれざらんために汝なんぢをささへん 13 なんぢは獅しゝと蝮まむしとをふみ壯獅わかきししと蛇へびとを足あしの下したにふみにじらん 14 彼かれその愛あいをわれにそそげるがゆゑに我われこれを助たすけん かれわが名なをしるがゆゑに我われこれを高處たかきところにおかん 15 かれ我われをよはば我われこたへん 我われその苦難なやみのときに偕ともにをりて之これをたすけ之これをあがめん 16 われ長ながき壽いのちをもてかれを足たらはしめ且かつわが救すくひをしめさん

第92篇

[ 安息日あんそくにちにもちゐる歌うたなり 讃美さんびなり ]

1 いとたかき者ものよヱホバにかんしやし聖󠄃名みなをほめたたふるは善よきかな 2 あしたに汝なんぢのいつくしみをあらはし 夜々よな〳〵なんぢの眞󠄃實まことをあらはすに 3 十絃とををのなりものと筝さうとをもちゐ 琴ことの妙たへなる音󠄃ねをもちゐるはいと善よきかな 4 そはヱホバよ なんぢその作爲みわざをもて我われをたのしませたまへり 我われなんぢの手みてのわざをよろこびほこらん 5 ヱホバよ汝なんぢのみわざは大おほいなるかな汝なんぢのもろもろの思念おもひはいとふかし 6 無知者しれものはしることなく愚おろかなるものは之これをさとらず 7 惡あしきものは草くさのごとくもえいで 不義ふぎをおこなふ衆庶もろ〳〵はさかゆるとも 遂󠄅つひにはとこしへにほろびん 8 されどヱホバよ汝なんぢはとこしへに高處たかきところにましませり 9 ヱホバよ吁あゝなんぢの仇あたああなんぢの仇あたはほろびん 不義ふぎをおこなふ者ものはことごとく散ちらされん〘810㌻〙 10 されど汝なんぢわが角つのをたかくあげて 野のの牛うしのつののごとくならしめたまへり 我われはあたらしき膏あぶらをそそがれたり 11 又󠄂またわが目めはわが仇あたにつきて願ねがへることを見みわが耳みゝはわれにさからひておこりたつ惡あくをなすものにつきて願ねがへることをききたり 12 義たゞしきものは棕櫚しゆろの樹きのごとく榮さかえ レバノンの香柏かうはくのごとくそだつべし
 1051㌻ 
13 ヱホバの宮みやにうゑられしものはわれらの神かみの大おほ庭󠄄にはにさかえん 14 かれらは年とし老おいてなほ果みをむすび豐ゆたかにうるほひ緑みどりの色いろみちみちて 15 ヱホバの直なほきものなることを示しめすべし ヱホバはわが巖いはなりヱホバには不義ふぎなし

第93篇

1 ヱホバは統治すべをさめたまふ ヱホバは稜威󠄂みいづをきたまへり ヱホバは能力ちからをころもとなし帶おびとなしたまへり さればまた世界せかいもかたくたちて動うごかさるることなし 2 なんぢの寳座みくらはいにしへより堅かたくたちぬ 汝なんぢはとこしへより在いませり 3 大水おほみづはこゑをあげたり ヱホバよおほみづは聲こゑをあげたり おほみづは浪なみをあぐ 4 ヱホバは高處たかきところにいましてその威󠄂力いきほひはおほくの水みづのこゑ海うみのさかまくにまさりて盛󠄃さかんんなり 5 なんぢの證詞あかしはいとかたし ヱホバよ聖󠄃潔󠄄きよきはなんぢの家いへにとこしへまでも適󠄄應ふさはしきなり

第94篇

1 ヱホバよ仇あたをかへすは汝なんぢにあり神かみよあたを報かへすはなんぢにあり ねがはくは光ひかりをはなちたまへ 2 世よをさばきたまふものよ 願ねがはくは起󠄃たちてたかぶる者ものにそのうくべき報むくいをなしたまへ 3 ヱホバよ惡あしきもの幾何いくそのときを經へんとするや あしきもの勝󠄃誇かちほこりていくそのとしを經ふるや 4 かれらはみだりに言ことばをいだして誇ほこりものいふ すべて不義ふぎをおこなふ者ものはみづから高たかぶれり 5 ヱホバよ彼等かれらはなんぢの民たみをうちくだき なんぢの業もちものをそこなふ 6 かれらは嫠婦󠄃やもめと旅󠄃人たびゞととの生命いのちをうしなひ孤子みなしごをころす 7 かれらはいふ ヤハは見みずヤコブの神かみはさとらざるべしと 8 民たみのなかなる無知しれものよ なんぢらさとれ 愚おろかなる者ものよ いづれのときにか智かしこからん 9 みみを植うゝるものきくことをせざらんや 目めをつくれるもの見みることをせざらんや 10 もろもろの國くにををしふる者ものただすことを爲せざらんや 人ひとに知識ちしきをあたふる者ものしることなからんや 11 ヱホバは人ひとの思念おもひのむなしきを知しりたまふ
 1052㌻ 
12 ヤハよなんぢの懲こらしめたまふ人ひとなんぢの法のりををしへらるる人ひとは さいはひなるかな 13 かかる人ひとをわざはひの日ひよりのがれしめ 惡あしきもののために坑あなのほらるるまで これに平󠄃安やすきをあたへたまはん〘811㌻〙 14 そはヱホバその民たみをすてたまはず その嗣業ゆづりをはなれたまはざるなり 15 審判󠄄さばきはただしきにかへり心こゝろのなほき者ものはみなその後あとにしたがはん 16 誰たれかわがために起󠄃おこりたちて惡あしきものを責せめんや 誰たれか我わがために立たちて不義ふぎをおこなふ者ものをせめんや 17 もしヱホバ我われをたすけたまはざりせば わが靈魂たましひはとくに幽寂おとなきところに住󠄃すまひしならん 18 されどわが足あしすべりぬといひしとき ヱホバよなんぢの憐憫あはれみわれをささへたまへり 19 わがうちに憂おもひ慮わづらひのみつる時とき なんぢの安慰なぐさめわがたましひを喜よろこばせたまふ 20 律法おきてをもて害󠄅そこなふことをはかる惡あくの位くらゐはなんぢに親したしむことを得えんや 21 彼等かれらはあひかたらひて義人ただしきひとのたましひをせめ罪つみなき血ちをつみに定さだむ 22 然しかはあれどヱホバはわがたかき櫓やぐら わが神かみはわが避󠄃所󠄃さけどころの磐いはなりき 23 神かみはかれらの邪󠄅曲よこしまをその身みにおはしめ かれらをその惡あしき事ことのなかに滅ほろぼしたまはん われらの神かみヱホバはこれを滅ほろぼしたまはん

第95篇

1 率󠄃いざわれらヱホバにむかひてうたひ すくひの磐いはにむかひてよろこばしき聲こゑをあげん 2 われら感謝󠄃かんしやをもてその前󠄃みまへにゆき ヱホバにむかひ歌うたをもて歡よろこばしきこゑをあげん 3 そはヱホバは大おほいなる神かみなり もろもろの神かみにまされる大おほいなる王わうなり 4 地ちのふかき處ところみなその手みてにあり 山やまのいただきもまた神かみのものなり 5 うみは神かみのものその造󠄃つくりたまふところ旱かわける地ちもまたその手みてにて造󠄃つくりたまへり 6 いざわれら拜をがみひれふし我儕われらをつくれる主しゆヱホバのみまへに曲跪ひざまづくべし 7 彼かれはわれらの神かみなり われらはその草苑まきの民たみその手みてのひつじなり 今日けふなんぢらがその聲みこゑをきかんことをのぞむ
 1053㌻ 
8 なんぢらメリバに在ありしときのごとく 野のなるマサにありし日ひの如ごとく その心こゝろをかたくなにするなかれ 9 その時ときなんぢらの列祖おやたちわれをこころみ我われをためし 又󠄂またわがわざをみたり 10 われその代よのためにうれへて四十しじふ年ねんを歷ふ われいへり かれらは心こゝろあやまれる民たみわが道󠄃みちを知しらざりきと 11 このゆゑに我われいきどほりて彼等かれらはわが安息やすみにいるべからずと誓ちかひたり

第96篇

1 あたらしき歌うたをヱホバにむかひてうたへ 全󠄃地ぜんちよヱホバにむかひて謳うたふべし 2 ヱホバに向むかひてうたひその名みなをほめよ 日ひごとにその救すくひをのべつたへよ 3 もろもろの國くにのなかにその榮光えいくわうをあらはし もろもろの民たみのなかにその奇くすしきみわざを顯あらはすべし 4 そはヱホバはおほいなり大おほいにほめたたふべきものなり もろもろの神かみにまさりて畏おそるべきものなり〘812㌻〙 5 もろもろの民たみのすべての神かみはことごとく虛むなし されどヱホバはもろもろの天てんをつくりたまへり 6 尊󠄅貴たふときと稜威󠄂みいづとはその前󠄃みまへにあり能ちからと善美うるはしきとはその聖󠄃所󠄃せいじよにあり 7 もろもろの民たみのやからよ榮光えいくわうとちからとをヱホバにあたへよヱホバにあたへよ 8 その聖󠄃名みなにかなふ榮光えいくわうをもてヱホバにあたへ 献さゝげ物ものをたづさへてその大おほ庭󠄄にはにきたれ 9 きよき美うるはしきものをもてヱホバををがめ 全󠄃地ぜんちよその前󠄃みまへにをののけ 10 もろもろの國くにのなかにいへ ヱホバは統治すべをさめたまふ世界せかいもかたくたちて動うごかさるることなし ヱホバは正直なほきをもてすべての民たみをさばきたまはんと 11 天てんはよろこび地ちはたのしみ海うみとそのなかに盈みつるものとはなりどよみ 12 田畑たはたとその中なかのすべての物ものとはよろこぶべし かくて林はやしのもろもろの樹きもまたヱホバの前󠄃みまへによろこびうたはん 13 ヱホバ來きたりたまふ地ちをさばかんとて來きたりたまふ 義ぎをもて世界せかいをさばきその眞󠄃實まことをもてもろもろの民たみをさばきたまはん
 1054㌻ 

第97篇

1 ヱホバは統治すべをさめたまふ 全󠄃地ぜんちはたのしみ多おほくの島々しま〴〵はよろこぶべし 2 雲くもとくらきとはそり周󠄃環󠄃めぐりにあり 義ぎと公󠄃平󠄃こうへいとはその寳座みくらのもとゐなり 3 火ひありそのみまへにすすみ その四周󠄃まはりの敵てきをやきつくす 4 ヱホバのいなびかりは世界せかいをてらす 地ちこれを見みてふるへり 5 もろもろの山やまはヱホバのみまへ全󠄃地ぜんちの主しゆのみまへにて蝋らふのごとくとけぬ 6 もろもろの天てんはその義ぎをあらはし よろづの民たみはその榮光えいくわうをみたり 7 すべてきざめる像󠄃ざうにつかへ虛むなしきものによりてみづから誇ほこるものは恥辱はづかしめをうくべし もろもろの神かみよみなヱホバをふしをがめ 8 ヱホバよなんぢの審判󠄄さばきのゆゑによりシオンはききてよろこびユダの女むすめ輩らはみな樂たのしめり 9 ヱホバよなんぢ全󠄃地ぜんちのうへにましまして至高いとたかく なんぢもろもろの神かみのうへにましまして至いと貴たふとし 10 ヱホバを愛いつくしむものよ惡あくをにくめ ヱホバはその聖󠄃徒せいとのたましひをまもり 之これをあしきものの手てより助たすけいだしたまふ 11 光ひかりはただしき人ひとのためにまかれ 欣喜よろこびはこころ直なほきもののために播まかれたり 12 義人ただしきひとよヱホバにより喜よろこべ そのきよき名みなに感謝󠄃かんしやせよ

第98篇

[ 歌うたなり ]

1 あたらしき歌うたをヱホバにむかひてうたへ そは妙たへなる事ことをおこなひその右みぎの手みてそのきよき臂かひなをもて 己おのれのために救すくひをなし畢をへたまへり 2 ヱホバはそのすくひを知しらしめ その義ぎをもろもろの國人くにびとの目めのまへにあらはし給たまへり〘813㌻〙 3 又󠄂またその憐憫あはれみと眞󠄃實まこととをイスラエルの家いへにむかひて記念きねんしたまふ 地ちの極はてもことごとくわが神かみのすくひを見みたり
 1055㌻ 
4 全󠄃地ぜんちよヱホバにむかひて歡よろこばしき聲こゑをあげよ 聲こゑをはなちてよろこびうたへ讃ほめうたへ 5 琴ことをもてヱホバをほめうたへ 琴ことの音󠄃ねと歌うたのこゑとをもてせよ 6 ラッパと角つの笛ぶえをふきならし 王わうヱホバのみまへによろこばしき聲こゑをあげよ 7 海うみとそのなかに盈みつるもの 世界せかいとせかいにすむものと鳴なり響どよむべし 8 大水おほみづはその手てをうち もろもろの山やまはあひともにヱホバの前󠄃みまへによろこびうたふべし 9 ヱホバ地ちをさばかんために來きたりたまへばなり ヱホバ義ぎをもて世界せかいをさばき 公󠄃平󠄃こうへいをもてもろもろの民たみをさばきたまはん

第99篇

1 ヱホバは統治すべをさめたまふ もろもろの民たみはをののくべし ヱホバはケルビムの間あひだにいます 地ちふるはん 2 ヱホバはシオンにましまして大おほいなり もろもろの民たみにすぐれてたふとし 3 かれらは汝なんぢのおほいなる畏おそるべき名みなをほめたたふべし ヱホバは聖󠄃せいなるかな 4 王わうのちからは審判󠄄さばきをこのみたまふ 汝なんぢはかたく公󠄃平󠄃こうへいをたてヤコブのなかに審判󠄄さばきと公󠄃義ただしきとをおこなひたまふ 5 われらの神かみヱホバをあがめ その承足せうそくのもとにて拜をがみまつれ ヱホバは聖󠄃せいなるかな 6 その祭司さいしのなかにモーセとアロンとあり その名みなをよぶ者もののなかにサムエルあり かれらヱホバをよびしに應こたへたまへり 7 ヱホバ雲くもの柱󠄃はしらのうちにましましてかれらに語かたりたまへり かれらはその證詞あかしとその賜たまはりたる律法おきてとを守まもりたりき 8 われらの神かみヱホバよなんぢ彼等かれらにこたへたまへり かれらのなしし事わざにむくいたまひたれど また赦免ゆるしをあたへたまへる神かみにてましませり 9 われらの神かみヱホバを崇あがめそのきよき山やまにてをがみまつれ そはわれらの神かみヱホバは聖󠄃せいなるなり

第100篇

[ 感謝󠄃かんしやのうた ]

 1056㌻ 
1 全󠄃地ぜんちよヱホバにむかひて歡よろばしき聲こゑをあげよ 2 欣喜よろこびをいだきてヱホバに事つかへ うたひつつその前󠄃みまへにきたれ 3 知しれヱホバこそ神かみにますなれ われらを造󠄃つくりたまへるものはヱホバにましませば我儕われらはその屬ものなり われらはその民たみその草苑まきのひつじなり 4 感謝󠄃かんしやしつつその門みかどにいり ほめたたへつつその大おほ庭󠄄にはにいれ 感謝󠄃かんしやしてその名みなをほめたたへよ 5 ヱホバはめぐみふかくその憐憫あはれみかぎりなく その眞󠄃實まことよろづ世よにおよぶべければなり〘814㌻〙

第101篇

[ ダビデのうた ]

1 われ憐憫あはれみと審判󠄄さばきとをうたはん ヱホバよ我われなんぢを讃ほめうたはん 2 われ心こゝろをさとくして全󠄃またき道󠄃みちをまもらん なんぢいづれの時ときわれにきたりたまふや 我われなほき心こゝろをもてわが家いへのうちをありかん 3 われわが眼前󠄃めのまへにいやしき事ことをおかず われ叛󠄃そむくものの業わざをにくむ そのわざは我われにつかじ 4 僻ひがめるこころは我われよりはなれん 惡あしきものを知しることをこのまず 5 隱ひそかにその友ともをそしるものは我われこれをほろぼさん 高たかぶる眼めまた驕おごれる心こゝろのものは我われこれをしのばじ 6 わが眼めは國くにのうちの忠まめなる者ものをみて之これをわれとともに住󠄃すまはせん 全󠄃またき道󠄃みちをあゆむ人ひとはわれに事つかへん 7 欺あざむくことをなす者ものはわが家いへのうちに住󠄃すむことをえず 虛僞いつはりをいふものはわが目前󠄃めのまへにたつことを得えじ 8 われ朝󠄃あさな朝󠄃あさなこの國くにのあしき者ものをことごとく滅ほろぼし ヱホバの邑まちより不義ふぎをおこなふ者ものをことごとく絕除たちのぞかん

第102篇

[ なやみたる者ものおもひくづほれてその歎息なげきをヱホバの前󠄃みまへにそそぎいだせるときの祈禱いのり ]

1 ヱホバよわが祈いのりをききたまへ 願ねがはくはわが號呼さけびのこゑの御前󠄃みまへにいたらんことを 2 わが窮󠄃苦なやみの日ひみかほを蔽おほひたまふなかれ なんぢの耳みゝをわれにかたぶけ 我わがよぶ日ひにすみやかに我われにこたへたまへ 3 わがもろもろの日ひは煙󠄃けぶりのごとくきえ わが骨ほねはたきぎのごとく焚やかるるなり
 1057㌻ 
4 わがこころは草くさのごとく擊うたれてしほれたり われ糧かてをくらふを忘󠄃わすれしによる 5 わが歎息なげきのこゑによりてわが骨ほねはわが肉󠄁にくにつく 6 われは野のの鸅鸕をすめどりのごとく荒あれたる跡あとのふくろふのごとくになりぬ 7 われ醒さめてねぶらず ただ友ともなくして屋蓋やねにをる雀すずめのごとくなれり 8 わが仇あたはひねもす我われをそしる 猖たけび狂くるひて我われをせむるもの我われをさして誓ちかふ 9 われは糧かてをくらふごとくに灰󠄃はひをくらひ わが飮のみものには淚なみだをまじへたり 10 こは皆みななんぢの怒いかりと忿恚いきどほりとによりてなり なんぢ我われをもたげてなげすて給たまへり 11 わが齡よはいはかたぶける日ひ影かげのごとし またわれは草くさのごとく萎しほれたり 12 されどヱホバよなんぢは永遠󠄄とこしへにながらへ その名みなはよろづ世よにながらへん 13 なんぢ起󠄃たちてシオンをあはれみたまはん そはシオンに恩惠めぐみをほどこしたまふときなり そのさだまれる期ときすでに來きたれり 14 なんぢの僕しもべはシオンの石いしをもよろこび その塵ちりをさへ愛いとほしむ 15 もろもろの國くにはヱホバの名みなをおそれ 地ちのもろもろの王わうはその榮光えいくわうをおそれん 16 ヱホバはシオンをきづき榮光えいくわうをもてあらはれたまへり 17 ヱホバは乏ともしきものの祈いのりをかへりみ彼等かれらのいのりを藐かろしめたまはざりき〘815㌻〙 18 來きたらんとするのちの世よのためにこの事ことをしるさん 新あたらしくつくられたる民たみはヤハをほめたたふべし 19 ヱホバその聖󠄃所󠄃せいじよのたかき所󠄃ところよりみおろし天てんより地ちをみたまへり 20 こは俘囚とらはれびとのなげきをきき死しにさだまれる者ものをときはなち 21 人々ひと〴〵のシオンにてヱホバの名みなをあらはしヱルサレムにてその頌󠄃美ほまれをあらはさんが爲ためなり 22 かかる時ときにもろもろの民たみもろもろの國くにつどひあつまりてヱホバに事つかへまつらん 23 ヱホバはわがちからを途󠄃みちにておとろへしめ わが齡よはひをみじかからしめ給たまへり 24 我われいへりねがはくはわが神かみよわがすべての日ひのなかばにて我われをとりさりたまふなかれ 汝なんぢのよはひは世々よゝかぎりなし
 1058㌻ 
25 汝なんぢいにしへ地ちの基もとゐをすゑたまへり 天てんもまたなんぢの手みての工わざなり 26 これらは亡ほろびん されど汝なんぢはつねに存ながらへたまはん これらはみな衣ころものごとくふるびん 汝なんぢこれらを袍うはぎのごとく更󠄃かへたまはん されば彼等かれらはかはらん 27 然しかれども汝なんぢはかはることなし なんぢの齡よはひはをはらざるなり 28 汝なんぢのしもべの子輩こらはながらへん その裔すゑはかたく前󠄃みまへにたてらるべし

第103篇

[ ダビデのうた ]

1 わが靈魂たましひよヱホバをほめまつれ わが衷うちなるすべてのものよそのきよき名みなをほめまつれ 2 わがたましひよヱホバを讃ほめまつれ そのすべての恩惠めぐみをわするるなかれ 3 ヱホバはなんぢがすべての不義ふぎをゆるし汝なんぢのすべての疾やまひをいやし 4 なんぢの生命いのちをほろびより贖あがなひいだし 仁慈いつくしみと憐憫あはれみとを汝なんぢにかうぶらせ 5 なんぢの口くちを嘉物よきものにてあかしめたまふ 斯かくてなんぢは壯わかやぎて鷲わしのごとく新あらたになるなり 6 ヱホバはすべて虐󠄃しへたげらるる者もののために公󠄃義ただしきと審判󠄄さばきとをおこなひたまふ 7 おのれの途󠄃みちをモーセにしらしめ おのれの作爲しわざをイスラエルの子輩こらにしらしめ給たまへり 8 ヱホバはあはれみと恩惠めぐみにみちて怒いかりたまふことおそく仁慈いつくしみゆたかにましませり 9 恒つねにせむることをせず永遠󠄄とこしへにいかりを懷いだきたまはざるなり 10 ヱホバはわれらの罪つみの量かさにしたがひて我儕われらをあしらひたまはず われらの不義ふぎのかさにしたがひて報むくいたまはざりき 11 ヱホバをおそるるものにヱホバの賜たまふそのあはれみは大おほいにして 天てんの地ちよりも高たかきがごとし 12 そのわれらより愆とがをとほざけたまふことは東ひがしの西にしより遠󠄄とほきがごとし 13 ヱホバの己おのれをおそるる者ものをあはれみたまふことは父󠄃ちゝがその子こをあはれむが如ごとし〘816㌻〙 14 ヱホバは我儕われらのつくられし狀さまをしり われらの塵ちりなることを念おもひ給たまへばなり
 1059㌻ 
15 人ひとのよはひは草くさのごとく その榮さかえはのの花はなのごとし 16 風かぜすぐれば失うせてあとなくその生おひいでし處ところにとへど尙なほしらざるなり 17 然しかはあれどヱホバの憐憫あはれみはとこしへより永遠󠄄とこしへまで ヱホバをおそるるものにいたり その公󠄃義ただしきは子孫こらのまた子孫こらにいたらん 18 その契󠄅約けいやくをまもりその訓諭󠄄みさとしを心こゝろにとめて行おこなふものぞその人ひとなる 19 ヱホバはその寳座みくらをもろもろの天てんにかたく置すゑたまへり その政權まつりごとはよろづのもののうへにあり 20 ヱホバにつかふる使󠄃者つかひよ ヱホバの聖󠄃言みことばのこゑをきき その聖󠄃言みことばをおこなふ勇󠄃士ますらをよ ヱホバをほめまつれ 21 その萬軍ばんぐんよ その聖󠄃旨みこころをおこなふ僕しもべ等らよ ヱホバをほめまつれ 22 その造󠄃つくりたまへる萬物よろづのものよ ヱホバの政權まつりごとの下したなるすべての處ところにてヱホバをほめよ わがたましひよヱホバを讃ほめまつれ

第104篇

1 わが靈魂たましひよヱホバをほめまつれ わが神かみヱホバよなんぢは至いと大おほいにして尊󠄅貴たふときと稜威󠄂みいづとを衣きたまへり 2 なんぢ光ひかりをころものごとくにまとひ天てんを幕まくのごとくにはり 3 水みづのなかにおのれの殿とのの棟梁うつばりをおき 雲くもをおのれの車くるまとなし 風かぜの翼󠄅つばさにのりあるき 4 かぜを使󠄃者つかひとなし熖ほのほのいづる火ひを僕しもべとなしたまふ 5 ヱホバは地ちを基もとゐのうへにおきて 永遠󠄄とこしへにうごくことなからしめたまふ 6 衣ころもにておほふがごとく大水おほみづにて地ちをおほひたまへり 水みづたたへて山やまのうへをこゆ 7 なんぢ叱咤しつたすれば水みづしりぞき 汝なんぢいかづちの聲こゑをはなてば水みづたちまち去さりぬ 8 あるひは山やまにのぼり或あるひは谷たににくだりて 汝なんぢのさだめたまへる所󠄃ところにゆけり 9 なんぢ界さかひをたてて之これをこえしめず ふたゝび地ちをおほふことなからしむ 10 ヱホバはいづみを谷たににわきいだし給たまふ その流ながれは山やまのあひだにはしる 11 かくて野ののもろもろの獸けものにのましむ 野のの驢馬うさぎむまもその渇かわきをやむ 12 空󠄃からの鳥とりもそのほとりにすみ 樹梢󠄃こずゑの間ひまよりさえづりうたふ
 1060㌻ 
13 ヱホバはその殿とのよりもろもろの山やまに灌漑󠄅みづそそぎたまふ 地ちはなんぢのみわざの實みによりて飽󠄄あき足たりぬ 14 ヱホバは草くさをはえしめて家畜けだものにあたへ 田產はたつものをはえしめて人ひとの使󠄃用もちゐにそなへたまふ かく地つちより食󠄃物くひものをいだしたまふ 15 人ひとのこころを歡よろこばしむる葡萄ぶだう酒しゆ ひとの顏かほをつややかならしむるあぶら 人ひとのこころを强つよからしむる糧かてどもなり 16 ヱホバの樹きとその植うゑたまへるレバノンの香柏かうはくとは飽󠄄あき足たりぬべし 17 鳥とりはそのなかに巢すをつくり鶴つるは松󠄃まつをその棲すまひとせり 18 たかき山やまは山羊やぎのすまひ磐石いはは山やま鼠ねづみのかくるる所󠄃ところなり〘817㌻〙 19 ヱホバは月󠄃つきをつくりて時ときをつかさどらせたまへり 日ひはその西にしにいることをしる 20 なんぢ黑暗󠄃くらきをつくりたまへば夜よるあり そのとき林はやしのけものは皆みなしのびしのびに出いできたる 21 わかき獅しゝほえて餌󠄉えをもとめ神かみにくひものをもとむ 22 日ひいづれば退󠄃しりぞきてその穴󠄄あなにふす 23 人ひとはいでて工わざをとりその勤勞きんらうはゆふべにまでいたる 24 ヱホバよなんぢの事跡みわざはいかに多さはなる これらは皆みななんぢの智慧󠄄ちゑにてつくりたまへり 汝なんぢのもろもろの富とみは地ちにみつ 25 かしこに大おほいなるひろき海うみあり そのなかに數󠄄かずしられぬ匍はふもの小ちひさなる大おほきなる生いけるものあり 26 舟ふねそのうへをはしり汝なんぢのつくりたまへる鱷わにそのうちにあそびたはぶる 27 彼かれら皆みななんぢを俟まち望󠄇のぞむ なんぢ宜よき時ときにくひものを之これにあたへたまふ 28 彼等かれらはなんぢの予あたへたまふ物ものをひろふ なんぢ手みてをひらきたまへばかれら嘉物よきものにあきたりぬ 29 なんぢ面みかほをおほひたまへば彼等かれらはあわてふためく 汝なんぢかれらの氣息いきをとりたまへばかれらは死しにて塵ちりにかへる 30 なんぢ靈みたまをいだしたまへば百物すべてのものみな造󠄃つくらるなんぢ地ちのおもてを新あらたにしたまふ 31 願ねがはくはヱホバの榮光えいくわうとこしへにあらんことを ヱホバそのみわざを喜よろこびたまはんことを 32 ヱホバ地ちをみたまへば地ちふるひ山やまにふれたまへば山やまは煙󠄃けぶりをいだす 33 生いけるかぎりはヱホバに向むかひてうたひ 我われながらふるほどはわが神かみをほめうたはん
 1061㌻ 
34 ヱホバをおもふわが思念おもひはたのしみ深ふかからん われヱホバによりて喜よろこぶべし 35 罪人つみびとは地ちより絕たち滅ほろぼされ あしきものは復またあらざるべし わが靈魂たましひよヱホバをほめまつれヱホバを讃稱󠄄ほめたたへよ

第105篇

1 ヱホバに感謝󠄃かんしやしてその名みなをよび そのなしたまへる事ことをもろもろの民たみ輩らのなかにしらしめよ 2 ヱホバにむかひてうたへヱホバを讃ほめうたへ そのもろもろの妙たへなる事跡みわざをかたれ 3 そのきよき名みなをほこれ ヱホバをたづねもとむるものの心こゝろはよろこぶべし 4 ヱホバとその能力ちからとをたづねもとめよ つねにその聖󠄃顏みかほをたづねよ 5 -6 その僕しもべアブラムの裔すゑよヤコブの子輩こらよ そのえらびたまひし所󠄃ところのものよ そのなしたまへる妙たへなるみわざと奇くすしき事跡みわざとその口くちのさばきとを心こゝろにとむれ 7 彼かれはわれらの神かみヱホバなり そのみさばきは全󠄃地ぜんちにあり 8 ヱホバはたえずその契󠄅約けいやくをみこころに記とめたまへり 此これはよろづ代よに命めいじたまひし聖󠄃言みことばなり 9 アブラハムとむすびたまひし契󠄅約けいやくイサクに與あたへたまひし誓ちかひなり〘818㌻〙 10 之これをかたくしヤコブのために律法おきてとなし イスラエルのためにとこしへの契󠄅約けいやくとなして 11 言いひたまひけるは我われなんぢにカナンの地ちをたまひてなんぢらの嗣業ゆづりの分󠄃ものとなさん 12 この時ときかれらの數󠄄かずおほからず甚いとすくなくしてかしこにて旅󠄃人たびゞととなり 13 この國くによりかの國くににゆき この國くによりほかの民たみにゆけり 14 人ひとのかれらを虐󠄃しへたぐるをゆるし給たまはず かれらの故ゆゑによりて王わうたちを懲こらしめて 15 宣給のたまはくわが受膏者じゆかうじやたちにふるるなかれ わが預言者よげんしやたちをそこなふなかれ 16 ヱホバは饑󠄃饉うゑを地ちにまねき 人ひとの杖つゑとする糧かてをことごとく碎くだきたまへり 17 又󠄂またかれらの前󠄃まへにひとりを遣󠄃つかはしたまへり ヨセフはうられて僕しもべとなりぬ
 1062㌻ 
18 かれら足械あしかせをもてヨセフの足あしをそこなひ くろかねの鏈くさりをもてその靈魂たましひをつなげり 19 斯かくてそのことばの驗しるしをうるまでに及およぶ ヱホバのみことば彼かれをこころみたまへり 20 王わうは人ひとをつかはしてこれを解とき もろもろの民たみの長をさはこれをゆるし 21 之これをその家いへ司つかさとなし その財寳たからをことごとく司つかさどらせ 22 その心こゝろのままにかの國くにのきみたちを縛󠄃いましめ 長老ちやうらうたちに智慧󠄄ちゑををしへしむ 23 イスラエルも亦またエジプトにゆき ヤコブはハムの地ちにやどれり 24 ヱホバはその民たみを大おほいにましくはへ之これをその敵てきよりも强つよくしたまへり 25 また敵てきのこころをかへておのれの民たみをにくましめ おのれの僕輩しもべらをあざむき待もてなさしめたまへり 26 又󠄂またそのしもべモーセとその選󠄄えらびたまへるアロンとを遣󠄃つかはしたまへり 27 かれらはヱホバの預兆󠄃しるしをハムの地ちにおこなひ またその國くににくすしき事わざをおこなへり 28 ヱホバは闇やみをつかはして暗󠄃くらくしたまへり かれらその聖󠄃言みことばにそむくことをせざりき 29 彼等かれらのすべての水みづを血ちにかへてその魚うををころしたまへり 30 かれらの國くには蛙かはづむれいでて王わうの殿とののうちにまでみちふさがりぬ 31 ヱホバいひたまへば蠅󠄄はへむらがり蚤のみそのすべての境さかひにいりきたりぬ 32 また雨あめにかへて霰あられをかれらに與あたへもゆる火ひをかれらの國くににふらし 33 かれらの葡萄ぶだうの樹きといちじくの樹きとをうちその境さかひのもろちろの樹きををりくだきたまへり 34 ヱホバいひたまへば算かぞへしられぬ蝗いなごと蟊賊󠄄おほねむしきたり 35 かれらの國くにのすべての田產はたつものをはみつくしその地ちのすべての實みを食󠄃はみつくせり 36 ヱホバはかれらの國くにのすべての首出者うひごをうち かれらのすべての力ちからの始はじめをうちたまへり 37 しろかね黃金こがねをたづさへて彼等かれらをいでゆかしめたまへり その家族やからのうちに一人ひとりのよわき者ものもなかりき 38 エジプトはかれらの出いづるをよろこべり かれらをおそるるの念おもひそのうちにおこりたればなり〘819㌻〙
 1063㌻ 
39 ヱホバは雲くもをしきて蓋おほひとなし夜よるは火ひをもて照てらしたまへり 40 又󠄂またかれらの求もとめによりて鶉うづらをきたらしめ天てんの餅かてにてかれらを飽󠄄あかしめたまへり 41 磐いはをひらきたまへば水みづほどばしりいで 潤うるほひなきところに川かはをなして流ながれいでたり 42 ヱホバそのきよき聖󠄃言みことばとその僕しもべアブラハムとをおもひいでたまひたればなり 43 その民たみをみちびきて歡よろこびつついでしめ そのえらべる民たみをみちびきて謳うたひつついでしめたまへり 44 もろもろの國人くにびとの地ちをかれらに與あたへたまひしかば 彼等かれらもろもろのたみの勤勞きんらうをおのが有󠄃ものとせり 45 こは彼等かれらがその律おきてにしたがひその法のりをまもらんが爲ためなり ヱホバをほめたたへよ

第106篇

1 ヱホバをほめたたへヱホバに感謝󠄃かんしやせよ そのめぐみはふかくその憐憫あはれみはかぎりなし 2 たれかヱホバの力ちからある事跡みわざをかたり その讃ほむべきことを悉ことごととくいひあらはし得えんや 3 審判󠄄さばきをまもる人々ひと〴〵つねに正義たゞしきをおこなふ者ものはさいはひなり 4 ヱホバよなんぢの民たみにたまふ惠めぐみをもて我われをおぼえ なんぢの救すくひをもてわれに臨のぞみたまへ 5 さらば我われなんぢの撰えらびたまへる者もののさいはひを見み なんぢの國くにの歡喜よろこびをよろこび なんぢの嗣業ゆづりとともに誇ほこることをせん 6 われら列祖おやたちとともに罪つみををかせり 我儕われらよこしまをなし惡あしきをおこなへり 7 われらの列祖おやたちはなんぢがエジプトにてなしたまへる奇くすしき事跡みわざをさとらず 汝なんぢのあはれみの豐ゆたかなるを心こゝろにとめず 海うみのほとり即すなはち紅海こうかいのほとりにて逆󠄃そむきたり 8 されどヱホバはその名みなのゆゑをもて彼等かれらをすくひたまへり こは大おほいなる能力ちからをしらしめんとてなり 9 また紅海こうかいを叱咤しつたしたまひたれば乾かわきたり かくて民たみをみちびきて野のをゆくがごとくに淵ふちをすぎしめ 10 恨うらむるものの手てよりかれらをすくひ 仇あたの手てよりかれらを贖あがなひたまへり 11 水みづその敵てきをおほひたればその一人ひとりだにのこりし者ものなかりき
 1064㌻ 
12 このとき彼等かれらそのみことばを信しんじその頌󠄃美ほまれをうたへり 13 彼等かれらしばしがほどにその事跡みわざをわすれその訓誨をしへをまたず 14 野のにていたくむさぼり荒野あれのにて神かみをこころみたりき 15 ヱホバはかれらの願欲ねがひをかなへたまひしかど その靈魂たましひをやせしめたまへり 16 たみは營えいのうちにてモーセを嫉ねたみヱホバの聖󠄃者せいじやアロンをねたみしかば 17 地ちひらけてダタンを呑のみアビラムの黨類たぐひをおほひ 18 火ひはこのともがらの中なかにもえおこり熖ほのほはあしき者ものをやきつくせり 19 かれらはホレブの山やまにて犢こうしをつくり鑄いたる像󠄃ざうををがみたり 20 かくの如ごとくおのが榮光えいくわうをかへて草くさをくらふ牛うしのかたちに似にす〘820㌻〙 21 救主すくひぬしなる神かみはエジプトにて大おほいなるわざをなし 22 ハムの地ちにて奇くすしき事跡みわざをなし紅海こうかいのほとりにて懼おそるべきことを爲なしたまへり かれは斯かゝる神かみをわすれたり 23 この故ゆゑにヱホバかれらを亡ほろぼさんと宣のたまへり されど神かみのえらみたまへる者ものモーセやぶれの間𨻶はざまにありてその前󠄃みまへにたちその烈怒みいかりをひきかへして滅亡ほろびをまぬかれしめたり 24 かれら美うるはしき地ちを蔑なみしそのみことばを信しんぜず 25 剩あまつさへその幕屋まくやにてつぶやきヱホバの聲みこゑをもきかざりき 26 この故ゆゑに手みてをあげて彼等かれらにむかひたまへり これ野のにてかれらを斃たふれしめんとし 27 又󠄂またもろもろの國くにのうちにてその裔すゑをたふれしめ もろもろの地ちにかれらを散ちらさんとしたまへるなり 28 彼かれらはバアルベオルにつきて死しぬるものの祭物そなへものをくらひたり 29 斯かくのごとくその行爲わざをもてヱホバの烈怒みいかりをひきいだしければえやみ侵󠄃をかしいりたり 30 そのときピネハスたちて裁判󠄄さばきをなせり かくて疫癘えやみはやみぬ 31 ピネハスは萬よろづ代よまでとこしへにこのことを義ぎとせられたり 32 民たみメリバの水みづのほとりにてヱホバの烈怒みいかりをひきおこししかば かれらの故ゆゑによりてモーセも禍害󠄅わざはひにあへり 33 かれら神かみの靈みたまにそむきしかばモーセその口唇くちびるにて妄みだりにものいひたればなり
 1065㌻ 
34 かれらはヱホバの命めいじたまへる事ことにしたがはずしてもろもろの民たみをほろぼさず 35 反かへりてもろもろの國人くにびととまじりをりてその行爲わざにならひ 36 おのが羂わなとなりしその偶像󠄃ぐうざうにつかへたり 37 かれらはその子女むすこむすめを鬼おににささぐ 38 罪つみなき血ちすなはちカナンの偶像󠄃ぐうざうにささげたる己おのがむすこむすめの血ちをながしぬ 斯かくてくには血ちにてけがされたり 39 またそのわざは自己みづからをけがし そのおこなふところは姦淫たはれなり 40 このゆゑにヱホバの怒いかりその民たみにむかひて起󠄃おこり その嗣業ゆづりをにくみて 41 かれらをもろもろの國くにの手てにわたしたまへり 彼等かれらはおのれを恨うらむるものに制おさへられ 42 おのれの仇あたにしへたげられ その手ての下したにうちふせられたり 43 ヱホバはしばしば助たすけたまひしかどかれらは謀略はかりごとをまうけて逆󠄃そむき そのよこしまに卑ひくくせられたり 44 されどヱホバはかれらの哭なく聲こゑをききたまひしとき その患難なやみをかへりみ 45 その契󠄅約けいやくをかれらの爲ためにおもひいだし その憐憫あはれみのゆたかなるにより聖󠄃意みこころをかへさせ給たまひて 46 かれらを己おのがとりこにせられたる者ものどもに憐あはれまるることを得えしめたまへり 47 われらの神かみヱホバよ われらをすくひて列邦󠄆くに〴〵のなかより取とり集あつめたまへ われらは聖󠄃名みなに謝󠄃しやし なんぢのほむべき事ことをほこらん〘821㌻〙 48 イスラエルの神かみヱホバはとこしへより永遠󠄄とこしへまでほむべきかな すべての民たみはアーメンととなふべし ヱホバを讃稱󠄄ほめたたへよ

第107篇

1 ヱホバに感謝󠄃かんしやせよ ヱホバは惠めぐみふかくましましてその憐憫あはれみかぎりなし 2 ヱホバの救贖あがなひをかうぶる者ものはみな然しかいふべきなり 3 ヱホバは敵てきの手てよりかれらを贖あがなひもろもろの地ちよ東ひがし西にし北きた南みなみよりとりあつめたまへり 4 かれら野のにてあれはてたる路みちにさまよひその住󠄃すまふべき邑まちにあはざりき 5 かれら饑󠄃うゑまた渇かわきそのうちの靈魂たましひおとろへたり
 1066㌻ 
6 斯かくてその困苦くるしみのうちにてヱホバをよばはりたればヱホバこれを患難なやみよりたすけいだし 7 住󠄃すまふべき邑まちにゆかしめんとて直なほき路みちにみちびきたまへり 8 願ねがはくはすべての人ひとはヱホバの惠めぐみにより人ひとの子こになしたまへる奇くすしき事跡みわざによりてヱホバを讃稱󠄄ほめたたへんことを 9 ヱホバは渇かわきしたふ靈魂たましひをたらはせ饑󠄃うゑたるたましひを嘉物よきものにてあかしめ給たまへばなり 10 くらきと死しの蔭かげとに居をるもの患難なやみとくろがねとに縛󠄃いましめらるるもの 11 神かみの言ことばにそむき至高者いとたかきもののをしへを蔑かろしめければ 12 勤勞きんらうをもてその心こゝろをひくうしたまへり かれら仆たふれたれど助たすくるものもなかりき 13 斯かくてその困苦くるしみのうちにてヱホバをよばはりたればヱホバこれを患難なやみよりすくひ 14 くらきと死しのかげより彼等かれらをみちびき出いだしてその械かせをこぼちたまへり 15 願ねがはくはすべての人ひとはヱホバの惠めぐみにより人ひとの子こになしたまへる奇くすしき事跡みわざによりてヱホバを讃稱󠄄ほめたたへんことを 16 そはあかがねの門もんをこぼち くろがねの關木くわんのきをたちきりたまへり 17 愚おろかなる者ものはおのが愆とがの道󠄃みちにより己おのがよこしまによりて惱なやめり 18 かれらの靈魂たましひはすべての食󠄃物くひものをきらひて死しの門かどにちかづく 19 かくてその困苦くるしみのうちにてヱホバをよばふ ヱホバこれを患難なやみよりすくひたまふ 20 その聖󠄃言みことばをつかはして之これをいやし之これをその滅亡ほろびよりたすけいだしたまふ 21 願ねがはくはすべての人ひとヱホバのめぐみにより人ひとの子こになしたまへる奇くすしき事跡みわざによりてヱホバをほめたたへんことを 22 かれらは感謝󠄃かんしやのそなへものをささげ喜よろこびうたひてその事跡みわざをいひあらはすべし 23 舟ふねにて海うみにうかび大洋おほうみにて事わざをいとなむ者ものは 24 ヱホバのみわざを見みまた淵ふちにてその奇くすしき事跡みわざをみる 25 ヱホバ命めいじたまへばあらき風かぜおこりてその浪なみをあぐ
 1067㌻ 
26 かれら天あめにのぼりまた淵ふちにくだり患難なやみによりてその靈魂たましひとけさり 27 左こなた右かなたにかたぶき醉ゑひたる者もののごとく踉蹌よろぼひてなす所󠄃ところをしらず 28 かくてその困苦くるしみのうちにてヱホバをよばふ ヱホバこれを患難なやみよりたづさへいで〘822㌻〙 29 狂風あらしをしづめて浪なみをおだやかになし給たまへり 30 かれらはおのが靜しづかなるをよろこぶ 斯かくてヱホバはかれらをその望󠄇のぞむところの湊みなとにみちびきたまふ 31 願ねがはくはすべての人ひとヱホバの惠めぐみにより人ひとの子こになしたまへる奇あやしき事跡みわざによりてヱホバをほめたたへんことを 32 かれら民たみの會つどひにてこれをあがめ長老ちやうらうの座ざにてこれを讃稱󠄄ほめたたふべし 33 ヱホバは河かはを野のにかはらせ泉いづみをかわける地ちに變かはらせ 34 また豐ゆたかなる地ちにすめる民たみの惡あくによりてそこを鹵しほの地ちにかはらせ給たまふ 35 野のを池いけにかはらせ乾かわける地ちをいづみにかはらせ 36 ここに餓󠄃うゑたるものを住󠄃すまはせたまふ されば彼かれらは己おのがすまひの邑まちをたて 37 畠はたにたねをまき葡萄園ぶだうぞのをまうけてそのむすべる實みをえたり 38 ヱホバはかれらの甚いたくふえひろごれるまでに惠めぐみをあたへ その牲畜けだもののへることをも許ゆるしたまはず 39 されどまた虐󠄃待しへたげくるしみ悲哀かなしみによりて減へりゆき且かつうなたれたり 40 ヱホバもろもろの君きみに侮辱あなどりをそそぎ道󠄃みちなき荒あれ地ちにさまよはせたまふ 41 然しかはあれど貧󠄃まづしきものを患難なやみのうちより擧あげてその家族やからをひつじの群むれのごとくならしめたまふ 42 直なほきものは之これをみて喜よろこびもろもろの不義ふぎはその口くちをふさがん 43 すべて慧󠄄さとき者ものはこれらのことに心こゝろをよせヱホバの憐憫あはれみをさとるべし

第108篇

[ ダビデの歌うたなり讃美さんびなり ]

1 神かみよわが心こゝろはさだまれり われ謳うたひまつらん 稱󠄄たたへまつらん わが榮さかえをもてたたへまつらん 2 筝さうよ琴ことよさむべし われ黎明しののめをよびさまさん 3 ヱホバよ我われもろもろの民たみのなかにてなんぢに感謝󠄃かんしやし もろもろの國くにのなかにてなんぢをほめうたはん
 1068㌻ 
4 そは汝なんぢのあはれみは大おほいにして天てんのうへにあがり なんぢの眞󠄃實まことは雲くもにまでおよぶ 5 神かみよねがはくはみづからを天てんよりもたかくし榮光みさかえを全󠄃地ぜんちのうへに擧あげたまへ 6 ねがはくは右みぎの手みてをもて救すくひをほどこし われらに答こたへをなして愛いつくしみたまふものに助たすけをえしめたまへ 7 神かみはその聖󠄃きよきをもていひたまへり われ甚いたくよろこばん我われシケムをわかちスコテの谷たにをはからん 8 ギレアデはわがものマナセはわが有󠄃ものなりエフライムも亦またわが首かうべのまもりなりユダはわが杖つゑ 9 モアブはわが足盥あしだらひなりエドムにはわが履くつをなげんペリシテよわが故ゆゑによりて聲こゑをあげよと 10 誰たれかわれを堅固けんごなる邑まちにすすましめんや 誰たれかわれをみちびきてエドムにゆきしや 11 神かみよなんぢはわれらを棄すてたまひしにあらずや 神かみよなんぢはわれらの軍いくさとともに出いでゆきたまはず〘823㌻〙 12 ねがはくは助たすけをわれにあたへて敵てきにむかはしめたまへ 人ひとのたすけは空󠄃むなしければなり 13 われらは神かみによりて勇󠄃いさましくはたらかん われらの敵てきをふみたまふものは神かみなればなり

第109篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 わが讃ほめたたふる神かみよもだしたまふなかれ 2 かれらは惡あくの口くちとあざむきの口くちとをあけて我われにむかひ いつはりの舌したをもて我われにかたり 3 うらみの言ことばをもて我われをかこみ ゆゑなく我われをせめて鬪たたかふことあればなり 4 われ愛あいするにかれら反かへりてわが敵てきとなる われただ祈いのるなり 5 かれらは惡あくをもてわが善ぜんにむくい恨うらみをもてわが愛あいにむくいたり 6 ねがはくは彼かれのうへに惡人あしきひとをたてその右方みぎりに敵てきをたたしめたまへ 7 かれが鞫さばかるるときはその罪つみをあらはにせられ又󠄂またそのいのりは罪つみとなり 8 その日ひはすくなく その職つとめはほかの人ひとにえられ 9 その子輩こらはみなしごとなり その妻はやもめとなり 10 その子輩こらはさすらひて乞丐ものこひ そのあれたる處ところよりいできたりて食󠄃しよくをもとむべし
 1069㌻ 
11 彼かれのもてるすべてのものは債主はたるものにうばはれ かれの勤勞きんらうは外人あだしびとにかすめらるべし 12 かれに惠めぐみをあたふる人ひとひとりだになく かれの孤子みなしごをあはれむ者ものもなく 13 その裔すゑはたえその名みなはつぎの世よにきえうすべし 14 その父󠄃等ちちらのよこしまはヱホバのみこころに記しるされ その母はゝのつみはきえざるべし 15 かれらは恒つねにヱホバの前󠄃まへにおかれ その名なは地ちより斷たゝるべし 16 かかる人ひとはあはれみを施ほどこすことをおもはず反かへりて貧󠄃まづしきもの乏ともしきもの心こゝろのいためる者ものをころさんとして攻せめたりき 17 かかる人ひとは詛のろふことをこのむ この故ゆゑにのろひ己おのれにいたる惠めぐむことをたのしまず この故ゆゑにめぐみ己おのれにとほざかれり 18 かかる人ひとはころものごとくに詛のろひをきる この故ゆゑにのろひ水みづのごとくにおのれの衷うちにいり油あぶらのごとくにおのれの骨ほねにいれり 19 ねがはくは詛のろひをおのれのきたる衣ころものごとく帶おびのごとくなして恒つねにみづから纒󠄂まとはんことを 20 これらの事ことはわが敵てきとわが靈魂たましひにさからひて惡あしき言ことをいふ者ものとにヱホバのあたへたまふ報むくいなり 21 されど主しゆヱホバよなんぢの名みなのゆゑをもて我われをかへりみたまへ なんぢの憐憫あはれみはいとふかし ねがはくは我われをたすけたまへ 22 われは貧󠄃まづしくして乏ともし わが心こゝろうちにて傷きずをうく 23 わがゆく狀さまはゆふ日ひの影かげのごとく また蝗いなごのごとく吹ふきさらるるなり 24 わが膝ひざは斷食󠄃だんじきによりてよろめき わが肉󠄁にくはやせおとろふ〘824㌻〙 25 われは彼等かれらにそしらるる者ものとなれり かれら我われをみるときは首かうべをふる 26 わが神かみヱホバよねがはくは我われをたすけその憐憫あはれみにしたがひて我われをすくひたまへ 27 ヱホバよこれらは皆みななんぢの手みてよりいで 汝なんぢのなしたまへることなるを彼等かれらにしらしめたまへ 28 かれらは詛のろへども汝なんぢはめぐみたまふ かれらの立たつときは恥はづかしめらるれどもなんぢの僕しもべはよろこばん 29 わがもろもろの敵てきはあなどりを衣きおのが恥はぢを外袍うはぎのごとくにまとふべし
 1070㌻ 
30 われはわが口くちをもて大おほいにヱホバに謝󠄃しやし おほくの人ひとのなかにて讃ほめまつらむ 31 ヱホバはまづしきものの右みぎにたちてその靈魂たましひを罪つみせんとする者ものより之これをすくひたまへり

第110篇

[ ダビデのうた ]

1 ヱホバわが主しゆにのたまふ 我われなんぢの仇あたをなんぢの承足せうそくとするまではわが右みぎにざすべし 2 ヱホバはなんぢのちからの杖つゑをシオンよりつきいださしめたまはん 汝なんぢはもろもろの仇あたのなかに王わうとなるべし 3 なんぢのいきほひの日ひになんぢの民たみは聖󠄃せいなるうるはしき衣ころもをつけ 心こゝろよりよろこびて己おのれをささげん なんぢは朝󠄃あしたの胎はらよりいづる壯わかきものの露つゆをもてり 4 ヱホバ誓ちかひをたてて聖󠄃意みこころをかへさせたまふことなし 汝なんぢはメルキセデクの狀さまにひとしくとこしへに祭司さいしたり 5 主しゆはなんぢの右みぎにありてそのいかりの日ひに王等わうたちをうちたまへり 6 主しゆはもろもろの國くにのなかにて審判󠄄さばきをおこなひたまはん 此處こゝにも彼處かしこにも屍かばねをみたしめ 寛濶ひろらかなる地ちをすぶる首領かしらをうちたまへり 7 かれ道󠄃みちのほとりの川かはより汲󠄂くみてのみ斯かくてかうべを擧あげん

第111篇

1 ヱホバを讃ほめたたへよ 我われはなほきものの會つどひあるひは公󠄃會こうくわいにて心こゝろをつくしてヱホバに感謝󠄃かんしやせん 2 ヱホバのみわざは大おほいなりすべてその事跡みわざをしたふものは之これをかんがへ究きはむ 3 その行おこなひたまふところは榮光さかえありまた稜威󠄂みいづあり その公󠄃義ただしきはとこしへに失うすることなし 4 ヱホバはその奇くすしきみわざを人ひとのこころに記とめしめたまへり ヱホバはめぐみと憐憫あはれみとにて充みちたまふ 5 ヱホバは己おのれをおそるるものに糧かてをあたへたまへり またその契󠄅約けいやくをとこしへに心こゝろにとめたまはん 6 ヱホバはもろもろの國くにの所󠄃領しよりやうをおのれの民たみにあたへてその作爲みわざのちからを之これにあらはしたまへり
 1071㌻ 
7 その手みてのみわざは眞󠄃實まことなり公󠄃義ただしきなり そのもろもろの訓諭󠄄みさとしはかたし 8 これらは世々よゝかぎりなく堅かたくたち眞󠄃實まことと正直なほきとにてなれり 9 ヱホバはそのたみに救贖あがなひをほどこし その契󠄅約けいやくをとこしへに立たてたまへり ヱホバの名みなは聖󠄃せいにしてあがむべきなり〘825㌻〙 10 ヱホバをおそるるは智慧󠄄ちゑのはじめなり これらを行おこなふものは皆みなあきらかなる聰さとりある人ひとなり ヱホバの頌󠄃美ほまれはとこしへに失うすることなし

第112篇

1 ヱホバを讃ほめまつれヱホバを畏おそれてそのもろもろの誡命いましめをいたく喜よろこぶものはさいはひなり 2 かかる人ひとのすゑは地ちにてつよく直なほきものの類たぐひはさいはひを得えん 3 富とみと財たからとはその家いへにあり その公󠄃義ただしきはとこしへにうすることなし 4 直なほき者もののために暗󠄃くらきなかにも光ひかりあらはる 彼かれは惠めぐみゆたかに憐憫あはれみにみつる義たゞしきものなり 5 惠めぐみをほどこし貸かすことをなす者ものはさいはひなり かかる人ひとは審判󠄄さばきをうくるときおのが訴うたへをささへうべし 6 又󠄂またとこしへまで動うごかさるることなからん義者ただしきものはながく忘󠄃わすれらるることなかるべし 7 彼かれはあしき音󠄃信おとづれによりて畏おそれず その心こゝろヱホバに依賴よりたのみてさだまれり 8 その心こゝろかたくたちて懼おそるることなく敵てきにつきての願望󠄇ねがひをつひに見みん 9 彼かれはちらして貧󠄃者まづしきものにあたふ その正義たゞしきはとこしへにうすることなし その角つのはあがめをうけて擧あげられん 10 惡者あしきものはこれを見みてうれへもだえ切齒はがみしつつ消󠄃とけさらん また惡あしきものの願望󠄇ねがひはほろぶべし

第113篇

1 ヱホバをほめまつれ汝等なんぢらヱホバの僕しもべよほめまつれヱホバの名みなをほめまつれ 2 今いまより永遠󠄄とこしへにいたるまでヱホバの名みなはほむべきかな 3 日ひのいづる處ところより日ひのいる處ところまでヱホバの名みなはほめらるべし 4 ヱホバはもろもろの國くにの上うへにありてたかく その榮光みさかえは天てんよりもたかし 5 -6 われらの神かみヱホバにたぐふべき者ものはたれぞや 寳座みくらをその高處たかきところにすゑ己おのれをひくくして天てんと地ちとをかへりみ給たまふ
 1072㌻ 
7 まづしきものを塵ちりよりあげ乏ともしきものを糞土あくたよりあげて 8 もろもろの諸侯きみたちとともにすわらせ その民たみのきみたちと共ともにすわらせたまはん 9 又󠄂またはらみなき婦󠄃をんなに家いへをまもらせ おほくの子女こらのよろこばしき母はゝたらしめたまふ ヱホバを讃ほめまつれ

第114篇

1 イスラエルの民たみエジプトをいで ヤコブのいへ異あだし言ことばの民たみをはなれしとき 2 ユダはヱホバの聖󠄃所󠄃せいじよとなりイスラエルはヱホバの所󠄃領しよりやうとなれり 3 海うみはこれを見みてにげヨルダンは後うしろにしりぞき 4 山やまは牡羊をひつじのごとくをどり小山こやまはこひつじのごとく躍󠄃をどれり 5 海うみよなんぢ何なにとてにぐるやヨルダンよなんぢ何なにとて後うしろにしりぞくや 6 山やまよなにとて牡羊をひつじのごとくをどるや小山こやまよなにとて小こ羊ひつじのごとく躍󠄃をどるや〘826㌻〙 7 地ちよ主しゆのみまへヤコブの神かみの前󠄃みまへにをののけ 8 主しゆはいはを池いけにかはらせ石いしをいづみに變かはらせたまへり

第115篇

1 ヱホバよ榮光さかえをわれらに歸きするなかれ われらに歸きするなかれ なんぢのあはれみと汝なんぢのまこととの故ゆゑによりてただ名みなにのみ歸きしたまへ 2 もろもろの國人くにびとはいかなればいふ 今いまかれらの神かみはいづくにありやと 3 然されどわれらの神かみは天てんにいます 神かみはみこころのままにすべての事ことをおこなひ給たまへり 4 かれらの偶像󠄃ぐうざうはしろかねと金こがねにして人ひとの手てのわざなり 5 その偶像󠄃ぐうざうは口くちあれどいはず目めあれどみず 6 耳みゝあれどきかず鼻はなあれどかがず 7 手てあれどとらず脚あしあれどあゆまず喉のどより聲こゑをいだすことなし 8 此これをつくる者ものとこれに依賴よりたのむものとは皆みなこれにひとしからん 9 イスラエルよなんぢヱホバに依賴よりたのめ ヱホバはかれらの助たすけかれらの盾たてなり 10 アロンの家いへよなんぢらヱホバによりたのめ ヱホバはかれらの助たすけかれらの盾たてなり 11 ヱホバを畏おそるるものよヱホバに依賴よりたのめ ヱホバはかれらの助たすけかれらの盾たてなり
 1073㌻ 
12 ヱホバは我儕われらをみこころに記とめたまへり われらを惠めぐみイスラエルの家いへをめぐみアロンのいへをめぐみ 13 また小ちひさなるも大おほきなるもヱホバをおそるる者ものをめぐみたまはん 14 願ねがはくはヱホバなんぢらを增まし加くはへ なんぢらとなんぢらの子孫こらとをましくはへ給たまはんことを 15 なんぢらは天地あめつちをつくりたまへるヱホバに惠めぐまるる者ものなり 16 天てんはヱホバの天てんなり されど地ちは人ひとの子こにあたへたまへり 17 死しぬる人ひとも幽寂おとなきところに下くだれるものもヤハを讃稱󠄄ほめたたふることなし 18 然されどわれらは今いまより永遠󠄄とこしへにいたるまでヱホバを讃ほめまつらむ 汝等なんぢらヱホバをほめたたへよ

第116篇

1 われヱホバを愛いつくしむ そはわが聲こゑとわが願望󠄇ねがひとをききたまへばなり 2 ヱホバみみを我われにかたぶけたまひしが故ゆゑに われ世よにあらんかぎりヱホバを呼よびまつらむ 3 死しの繩󠄂なはわれをまとひ陰府よみのくるしみ我われにのぞめり われは患難なやみとうれへとにあへり 4 その時ときわれヱホバの名みなをよべり ヱホバよ願ねがはくはわが靈魂たましひをすくひたまへと 5 ヱホバは恩惠めぐみゆたかにして公󠄃義ただしきましませり われらの神かみはあはれみ深ふかし 6 ヱホバは愚おろかなるものを護まもりたまふ われ卑ひくくせられしがヱホバ我われをすくひたまへり 7 わが靈魂たましひよなんぢの平󠄃安やすきにかへれ ヱホバは豐ゆたかになんぢを待あしらひたまへばなり 8 汝なんぢはわがたましひを死しより わが目めをなみだより わが足あしを顚蹶つまづきよりたすけいだしたまひき 9 われは活いけるものの國くににてヱホバの前󠄃まへにあゆまん 10 われ大おほいになやめりといひつつもなほ信しんじたり 11 われ惶あわてしときに云いへらく すべての人ひとはいつはりなりと 12 我われいかにしてその賜たまへるもろもろの恩惠めぐみをヱホバにむくいんや 13 われ救すくひのさかづきをとりてヱホバの名みなをよびまつらむ 14 我われすべての民たみのまへにてヱホバにわが誓ちかひをつくのはん 15 ヱホバの聖󠄃徒せいとの死しはそのみまへにて貴たふとし 16 ヱホバよ誠󠄃まことにわれはなんぢの僕しもべなり われはなんぢの婢女はしための子こにして汝なんぢのしもべなり なんぢわが縲絏いましめをときたまへり
 1074㌻ 
17 われ感謝󠄃かんしやをそなへものとして汝なんぢにささげん われヱホバの名みなをよばん 18 我われすべての民たみのまへにてヱホバにわがちかひを償つくのはん〘827㌻〙 19 ヱルサレムよ汝なんぢのなかにてヱホバのいへの大庭󠄄おほにはのなかにて此これをつくのふべし ヱホバを讃ほめまつれ

第117篇

1 もろもろの國くによなんぢらヱホバを讃ほめまつれ もろもろの民たみよなんぢらヱホバを稱󠄄たゝへまつれ 2 そはわれらに賜たまふその憐憫あはれみはおほいなり ヱホバの眞󠄃實まことはとこしへに絕たゆることなし ヱホバをほめまつれ

第118篇

1 ヱホバに感謝󠄃かんしやせよヱホバは恩惠めぐみふかくその憐憫あはれみとこしへに絕たゆることなし 2 イスラエルは率󠄃いざいふべし その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなしと 3 アロンの家いへはいざ言いふべし そのあはれみは永遠󠄄とこしへにたゆることなしと 4 ヱホバを畏おそるるものは率󠄃いざいふべし その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなしと 5 われ患難なやみのなかよりヱホバをよべば ヱホバこたへて我われをひろき處ところにおきたまへり 6 ヱホバわが方かたにいませばわれにおそれなし 人ひとわれに何なにをなしえんや 7 ヱホバはわれを助たすくるものとともに我わがかたに坐います この故ゆゑにわれを憎にくむものにつきての願望󠄇ねがひをわれ見みることをえん 8 ヱホバに依賴よりたのむは人ひとにたよるよりも勝󠄃まさりてよし 9 ヱホバによりたのむはもろもろの侯きみにたよるよりも勝󠄃まさりてよし 10 もろもろの國くにはわれを圍󠄃かこめり われヱホバの名みなによりて彼等かれらをほろぼさん 11 かれらは我われをかこめり我われをかこめりヱホバの名みなによりて彼等かれらをほろぼさん 12 かれらは蜂はちのごとく我われをかこめり かれらは荊いばらの火ひのごとく消󠄃きえたり われはヱホバの名みなによりてかれらを滅ほろぼさん 13 汝なんぢわれを倒たふさんとしていたく剌さしつれど ヱホバわれを助たすけたまへり
 1075㌻ 
14 ヱホバはわが力ちからわが歌うたにしてわが救すくひとなりたまへり〘828㌻〙 15 歡喜よろこびとすくひとの聲こゑはただしきものの幕屋まくやにあり ヱホバのみぎの手みてはいさましき動作はたらきをなしたまふ 16 ヱホバのみぎの手みてはたかくあがりヱホバの右みぎの手みてはいさましき動作はたらきをなしたまふ 17 われは死しぬることなからん 存ながらへてヤハの事跡みわざをいひあらはさん 18 ヤハはいたく我われをこらしたまひしかど死しには付わたしたまはざりき 19 わがために義ぎの門もんをひらけ 我われそのうちにいりてヤハに感謝󠄃かんしやせん 20 こはヱホバの門もんなりただしきものはその內うちにいるべし 21 われ汝なんぢに感謝󠄃かんしやせん なんぢ我われにこたへてわが救すくひとなりたまへばなり 22 工師いへつくりのすてたる石いしはすみの首石おやいしとなれり 23 これヱホバの成󠄃なしたまへる事ことにしてわれらの目めにあやしとする所󠄃ところなり 24 これヱホバの設まうけたまへる日ひなり われらはこの日ひによろこびたのしまん 25 ヱホバよねがはくはわれらを今いますくひたまへ ヱホバよねがはくは我儕われらをいま榮さかえしめたまヘ 26 ヱホバの名みなによりて來きたるものは福さいはひなり われらヱホバの家いへよりなんぢらを祝しゆくせり 27 ヱホバは神かみなり われらに光ひかりをあたへたまへり 繩󠄂なはをもて祭壇さいだんの角つのにいけにへをつなげ 28 なんぢはわが神かみなり我われなんぢに感謝󠄃かんしやせん なんぢはわが神かみなり我われなんぢを崇あがめまつらん 29 ヱホバにかんしやせよ ヱホバは恩惠めぐみふかくその憐憫あはれみとこしへに絕たゆることなし

第119篇

[ アレフ ]

1 おのが道󠄃みちをなほくしてヱホバの律法おきてをあゆむ者ものはさいはひなり 2 ヱホバのもろもろの證詞あかしをまもり 心こゝろをつくしてヱホバを尋󠄃たづね求もとむるものは福さいはひなり 3 かかる人ひとは不義ふぎをおこなはずしてヱホバの道󠄃みちをあゆむなり
 1076㌻ 
4 ヱホバよなんぢ訓諭󠄄さとしをわれらに命めいじてねんごろに守まもらせたまふ 5 なんぢわが道󠄃みちをかたくたててその律法おきてをまもらせたまはんことを 6 われ汝なんぢのもろもろの誡命いましめにこころをとむるときは恥はづることあらじ 7 われ汝なんぢのただしき審判󠄄さばきをまなばば 直なほき心こゝろをもてなんぢに感謝󠄃かんしやせん 8 われは律法おきてをまもらん われを棄すてはてたまふなかれ

[○ベテ ]

9 わかき人ひとはなにによりてかその道󠄃みちをきよめん 聖󠄃言みことばにしたがひて愼つゝしむのほかぞなき 10 われ心こゝろをつくして汝なんぢをたづねもとめたり 願ねがはくはなんぢの誡命いましめより迷󠄃まよひいださしめ給たまふなかれ 11 われ汝なんぢにむかひて罪つみををかすまじき爲ためになんぢの言ことばをわが心こゝろのうちに藏たくはへたり 12 讃ほむべきかなヱホバよねがはくは律法みおきてをわれに敎をしへたまへ〘829㌻〙 13 われわが口唇くちびるをもてなんぢの口くちよりいでしもろもろの審判󠄄さばきをのべつたへたり 14 我われもろもろの財貨たからをよろこぶごとくに汝なんぢのあかしの道󠄃みちをよろこべり 15 我われなんぢの訓諭󠄄さとしをおもひ汝なんぢのみちに心こゝろをとめん 16 われは律法みおきてをよろこび聖󠄃言みことばをわするることなからん

[○ギメル ]

17 ねがはくは汝なんぢのしもべを豐ゆたかにあしらひて存ながらへしめたまへ さらばわれ聖󠄃言みことばをまもらん 18 なんぢわが眼めをひらき なんぢの法のりのうちなる奇くすしきことを我われにみせたまへ 19 われは世よにある旅󠄃客たびゞとなり 我われになんぢの誡命いましめをかくしたまふなかれ 20 斷たゆるときなくなんぢの審判󠄄さばきをしたふが故ゆゑにわが靈魂たましひはくだくるなり 21 汝なんぢはたかぶる者ものをせめたまへり なんぢの誡命いましめよりまよひづる者ものはのろはる 22 我われなんぢの證詞あかしをまもりたり 我われより謗そしりとあなどりとを取とり去さりたまへ
 1077㌻ 
23 又󠄂またもろもろの侯きみは坐ざして相あひ語かたりわれをそこなはんとせり 然しかはあれど汝なんぢのしもべは律法みおきてをふかく思おもへり 24 汝なんぢのもろもろの證詞あかしはわれをよろこばせわれをさとす者ものなり

[○ダレテ ]

25 わが靈魂たましひは塵ちりにつきぬ なんぢの言ことばにしたがひて我われをいかしたまへ 26 我われわがふめる道󠄃みちをあらはししかば汝なんぢこたへを我われになしたまへり なんぢの律法おきてをわれに敎をしへたまへ 27 なんぢの訓諭󠄄さとしのみちを我われにわきまへしめたまへ われ汝なんぢのくすしき事跡みわざをふかく思おもはん 28 わがたましひ痛いためるによりてとけゆく ねがはくは聖󠄃言みことばにしたがひて我われにちからを予あたへたまへ 29 願ねがはくはいつはりの道󠄃みちをわれより遠󠄄とほざけ なんぢの法のりをもて我われをめぐみたまへ 30 われは眞󠄃實まことのみちをえらび 恒つねになんぢのもろもろの審判󠄄さばきをわが前󠄃まへにおけり 31 我われなんぢの證詞あかしをしたひて離はなれず ヱホバよねがはくは我われをはづかしめ給たまふなかれ 32 われ汝なんぢのいましめの道󠄃みちをはしらん その時ときなんぢわが心こゝろをひろく爲したまふべし

[○へ ]

33 ヱホバよ願ねがはくはなんぢの律法おきてのみちを我われにをしへたまへ われ終󠄃をはりにいたるまで之これをまもらん 34 われに智慧󠄄ちゑをあたへ給たまへ さらば我われなんぢの法のりをまもり心こゝろをつくして之これにしたがはん 35 われに汝なんぢのいましめの道󠄃みちをふましめたまへ われその道󠄃みちをたのしめばなり 36 わが心こゝろをなんぢの證詞あかしにかたぶかしめて 貪利むさぼりにかたぶかしめ給たまふなかれ 37 わが眼めをほかにむけて虛むなしきことを見みざらしめ 我われをなんぢの途󠄃みちにて活いかし給たまへ〘830㌻〙 38 ひたすらに汝なんぢをおそるる汝なんぢのしもべに 聖󠄃言みことばをかたくしたまへ
 1078㌻ 
39 わがおそるる謗そしりをのぞきたまへ そはなんぢの審判󠄄さばきはきはめて善よし 40 我われなんぢの訓諭󠄄さとしをしたへり 願ねがはくはなんぢの義ぎをもて我われをいかしたまへ

[○ワウ ]

41 ヱホバよ聖󠄃言みことばにしたがひてなんぢの憐憫あはれみなんぢの拯救すくひを我われにのぞませたまへ 42 さらば我われわれを謗そしるものに答こたふることをえん われ聖󠄃言みことばによりたのめばなり 43 又󠄂またわが口くちより眞󠄃理まことのことばをことごとく除のぞき給たまふなかれ われなんぢの審判󠄄さばきをのぞみたればなり 44 われたえずいや永久とほながになんぢの法のりをまもらん 45 われなんぢの訓諭󠄄さとしをもとめたるにより障さはりなくしてあゆまん 46 われまた王わうたちの前󠄃まへになんぢの證詞あかしをかたりて恥はづることあらじ 47 我われわが愛あいするなんぢの誡命いましめをもて己おのれをたのしましめん 48 われ手てをわがあいする汝なんぢのいましめに擧あげ なんぢの律法おきてをふかく思おもはん

[○ザイン ]

49 ねがはくは汝なんぢのしもべに宣のたまひたる聖󠄃言みことばをおもひいだしたまへ 汝なんぢわれに之これをのぞましめ給たまへり 50 なんぢの聖󠄃言みことばはわれを活いかししがゆゑに 今いまもなほわが艱難なやみのときの安慰なぐさめなり 51 高たかぶる者ものおほいに我われをあざわらへり されど我われなんぢの法のりをはなれざりき 52 ヱホバよわれ汝なんぢがふるき往󠄃昔むかしよりの審判󠄄さばきをおもひいだして自みづから慰なぐさめたり 53 なんぢの法のりをすつる惡者あしきもののゆゑによりて 我われはげしき怒いかりをおこしたり 54 なんぢの律法おきてはわが旅󠄃たびの家いへにてわが歌うたとなれり 55 ヱホバよわれ夜間よのまになんぢの名みなをおもひいだして なんぢの法のりをまもれり 56 われ汝なんぢのさとしを守まもりしによりてこの事ことをえたるなり
 1079㌻ 

[○ヘテ ]

57 ヱホバはわがうくべき有󠄃ものなり われ汝なんぢのもろもろの言ことばをまもらんといへり 58 われ心こゝろをつくして汝なんぢのめぐみを請󠄃こひ求もとめたり ねがはくは聖󠄃言みことばにしたがひて我われをあはれみたまへ 59 我われわがすべての途󠄃みちをおもひ 足あしをかへしてなんぢの證詞あかしにむけたり 60 我われなんぢの誡命いましめをまもるに速󠄃すみやけくしてたゆたはざりき 61 惡あしきものの繩󠄂なはわれに纒󠄂まとひたれども 我われなんぢの法のりをわすれざりき 62 我われなんぢのただしき審判󠄄さばきのゆゑに 夜半󠄃よはにおきてなんぢに感謝󠄃かんしやせん 63 われは汝なんぢをおそるる者もの またなんぢの訓諭󠄄さとしをまもるものの侶ともなり 64 ヱホバよ汝なんぢのあはれみは地ちにみちたり 願ねがはくはなんぢの律法おきてをわれにをしへたまへ〘831㌻〙

[○テテ ]

65 ヱホバよなんぢ聖󠄃言みことばにしたがひ惠めぐみをもてその僕しもべをあしらひたまへり 66 われ汝なんぢのいましめを信しんず ねがはくはわれに聰明そうめいと智識ちしきとををしへたまへ 67 われ苦くるしまざる前󠄃まへにはまよひいでぬ されど今いまはわれ聖󠄃言みことばをまもる 68 なんぢは善ぜんにして善ぜんをおこなひたまふ ねがはくは汝なんぢのおきてを我われにをしへたまへ 69 高たかぶるもの虛僞いつはりをくはだてて我われにさからへり われ心こゝろをつくしてなんぢの訓諭󠄄さとしをまもらん 70 かれらの心こゝろはこえふとりて脂あぶらのごとし されど我われはなんぢの法のりをたのしむ 71 困苦くるしみにあひたりしは我われによきことなり 此これによりて我われなんぢの律法おきてをまなびえたり 72 なんぢの口くちの法のりはわがためには千々ちぢのこがね白銀しろかねにもまされり

[○ヨーデ ]

73 なんぢの手みてはわれを造󠄃つくりわれを形かたちづくれり ねがはくは智慧󠄄ちゑをあたへて我われになんぢの誡命いましめをまなばしめたまへ
 1080㌻ 
74 なんぢを畏おそるるものは我われをみて喜よろこばん われ聖󠄃言みことばによりて望󠄇のぞみをいたきたればなり 75 ヱホバよ我われはなんぢの審判󠄄さばきのただしく又󠄂またなんぢが眞󠄃實まことをもて我われをくるしめたまひしを知しる 76 ねがはくは汝なんぢのしもべに宣のたまひたる聖󠄃言みことばにしたがひて 汝なんぢの仁慈いつくしみをわが安慰なぐさめとなしたまへ 77 なんぢの憐憫あはれみをわれに臨のぞませたまへ さらばわれ生いきん なんぢの法のりはわが樂たのしめるところなり 78 高たかぶるものに恥はぢをかうぷらせたまへ かれらは虛僞いつはりをもて我われをくつがへしたればなり されど我われなんぢの訓諭󠄄さとしをふかくおもはん 79 汝なんぢをおそるる者ものとなんぢの證詞あかしをしるものとを我われにかへらしめたまへ 80 わがこころを全󠄃またくして汝なんぢのおきてを守まもらしめたまへ さらばわれ恥はぢをかうぶらじ

[○カフ ]

81 わが靈魂たましひはなんぢの救すくひをしたひてたえいるばかりなり 然されどわれなほ聖󠄃言みことばによりて望󠄇のぞみをいだく 82 なんぢ何いづれのとき我われをなぐさむるやといひつつ 我われみことばを慕したふによりて眼めおとろふ 83 我われは煙󠄃けぶりのなかの革嚢かはぶくろのごとくなりぬれども 尙なほなんぢの律法おきてをわすれず 84 汝なんぢのしもべの日ひは幾何いくばくありや 汝なんぢいづれのとき我われをせむるものに審判󠄄さばきをおこなひたまふや 85 たかぶる者ものわれを害󠄅そこなはんとて阱あなをほれり かれらはなんぢの法のりにしたがはず 86 なんぢの誡命いましめはみな眞󠄃實まことなり かれらは虛僞いつはりをもて我われをせむ ねがはくは我われをたすけたまへ 87 かれらは地ちにてほとんど我われをほろぼせり されど我われはなんぢの訓諭󠄄さとしをすてざりき〘832㌻〙 88 願ねがはくはなんぢの仁慈いつくしみにしたがひて我われをいかしたまへ 然さらばわれ御口みくちよりいづる證詞あかしをまもらん
 1081㌻ 

[○ラメテ ]

89 ヱホバよみことばは天てんにてとこしえに定さだまり 90 なんぢの眞󠄃實まことはよろづ世よにおよぶ なんぢ地ちをかたく立たてたまへば地ちはつねにあり 91 これらのものはなんぢの命令おほせごとにしたがひ 恒つねにありて今日けふにいたる 萬よろづのものは皆みななんぢの僕しもべなればなり 92 なんぢの法のりわがたのしみとならざりしならば我われはつひに患難なやみのうちに滅ほろびたるならん 93 われ恒つねになんぢの訓諭󠄄さとしをわすれじ 汝なんぢこれをもて我われをいかしたまへばなり 94 我われはなんぢの有󠄃ものなりねがはくは我われをすくひたまへ われ汝なんぢのさとしを求もとめたり 95 惡あしきものは我われをほろぼさんとして窺うかゞひぬ われは唯たゞなんぢのもろもろの證詞あかしをおもはん 96 我われもろもろの純全󠄃またきに限はてあるをみたり されど汝なんぢのいましめはいと廣ひろし

[○メム ]

97 われなんぢの法のりをいつくしむこといかばかりぞや われ終󠄃日ひねもすこれを深ふかくおもふ 98 なんぢの誡命いましめはつねに我われとともにありて 我われをわが仇あたにまさりて慧󠄄さとからしむ 99 我われはなんぢの證詞あかしをふかくおもふが故ゆゑに わがすべての師しにまさりて智慧󠄄ちゑおほし 100 我われはなんぢの訓諭󠄄さとしをまもるがゆゑに 老おいたる者ものにまさりて事ことをわきまふるなり 101 われ聖󠄃言みことばをまもらんために わが足あしをとどめてもろもろのあしき途󠄃みちにゆかしめず 102 なんぢ我われををしへたまひしによりて 我われなんぢの審判󠄄さばきをはなれざりき 103 みことばの滋味あじはひはわが腭あぎにあまきこといかばかりぞや 蜜みつのわが口くちに甘あまきにまされり 104 我われなんぢの訓諭󠄄さとしによりて智慧󠄄ちゑをえたり このゆゑに虛僞いつはりのすべての途󠄃みちをにくむ

[○ヌン ]

105 なんぢの聖󠄃言みことばはわがあしの燈火ともしびわが路みちのひかりなり 106 われなんぢのただしき審判󠄄さばきをまもらんことをちかひ且かつかたくせり 107 われ甚いといたく苦くるしめり ヱホバよねがはくは聖󠄃言みことばにしたがひて我われをいかしたまヘ 108 ヱホバよねがはくは誠󠄃意まごころよりするわが口くちの献さゝげ物ものをうけて なんぢの審判󠄄さばきををしへたまへ
 1082㌻ 
109 わが靈魂たましひはつねに危險あやふきををかす されど我われなんぢの法のりをわすれず 110 あしき者ものわがために羂わなをまうけたり されどわれ汝なんぢのさとしより迷󠄃まよひいでざりき 111 われ汝なんぢのもろもろの證詞あかしをとこしへにわが嗣業ゆづりとせり これらの證詞あかしはわが心こゝろをよろこばしむ〘833㌻〙 112 われ汝なんぢのおきてを終󠄃をはりまでとこしへに守まもらんとて之これにこころを傾かたぶけたり

[○サメク ]

113 われ二心ふたごころのものをにくみ汝なんぢのおきてを愛いつくしむ 114 なんぢはわが匿かくるべき所󠄃ところわが盾たてなり われ聖󠄃言みことばによりて望󠄇のぞみをいだく 115 惡あしきをなすものよ我われをはなれされ われわが神かみのいましめを守まもらん 116 聖󠄃言みことばにしたがひ我われをささへて生存ながらへしめたまへ わが望󠄇のぞみにつきて恥はぢなからしめたまへ 117 われを支󠄂さゝへたまへ さらばわれ安やすけかるべし われ恒つねになんぢの律法おきてにこころをそそがん 118 すべて律法みおきてよりまよひいづるものを汝なんぢかろしめたまへり かれらの欺詐あざむきはむなしければなり 119 なんぢは地ちのすべての惡あしきものを渣󠄄滓かなかすのごとく除のぞきさりたまふ この故ゆゑにわれ汝なんぢのあかしを愛あいす 120 わが肉󠄁體にくたいなんぢを懼おそるるによりてふるふ 我われはなんぢの審判󠄄さばきをおそる

[○アイン ]

121 われは審判󠄄さばきと公󠄃義ただしきとをおこなふ 我われをすてて虐󠄃しへたぐるものに委ゆだねたまふなかれ 122 汝なんぢのしもべの中保なかだちとなりて福祉さいはひをえしめたまへ 高たかぶるものの我われをしへたぐるを容ゆるしたまふなかれ 123 わが眼めはなんぢの救すくひとなんぢのただしき聖󠄃言みことばとをしたふによりておとろふ 124 ねがはくはなんぢの憐憫あはれみにしたがひてなんぢの僕しもべをあしらひ 我われになんぢの律法おきてををしへたまへ
 1083㌻ 
125 我われはなんぢの僕しもべなり われに智慧󠄄ちゑをあたへてなんぢの證詞あかしをしらしめたまへ 126 彼等かれらはなんぢの法のりをすてたり 今いまはヱホバのはたらきたまふべき時ときなり 127 この故ゆゑにわれ金こがねよりもまじりなき金こがねよりもまさりて汝なんぢのいましめを愛あいす 128 この故ゆゑにもろもろのことに係かゝるなんぢの一切すべてのさとしを正たゞしとおもふ 我われすべてのいつはりの途󠄃みちをにくむ

[○べ ]

129 汝なんぢのあかしは妙たへなり かかるが故ゆゑにわが靈魂たましひこれをまもる 130 聖󠄃言みことばうちひらくれば光ひかりをはなちて 愚おろかなるものをさとからしむ 131 我われなんぢの誡命いましめをしたふが故ゆゑに わが口くちをひろくあけて喘あへぎもとめたり 132 ねがはくは聖󠄃名みなを愛あいするものに恒つねになしたまふごとく身みをかへして我われをあはれみたまへ 133 聖󠄃言みことばをもてわが步履あゆみをととのへ もろもろの邪󠄅曲よこしまをわれに主しゆたらしめたまふなかれ 134 われを人ひとのしへたげより贖あがなひたまへ さらばわれ訓諭󠄄みさとしをまもらん 135 ねがはくは聖󠄃顏みかほをなんぢの僕しもべのうへにてらし 汝なんぢのおきてを我われにをしへ給たまへ〘834㌻〙 136 人ひとなんぢの法のりをまもらざるによりて わが眼めのなみだ河かはのごとくに流ながる

[○ツァデー ]

137 ヱホバよなんぢは義たゞしくなんぢの審判󠄄さばきはなほし 138 汝なんぢただしきと此上こよなき眞󠄃實まこととをもて その證詞あかしを命めいじ給たまへり 139 わが敵てきなんぢの聖󠄃言みことばをわすれたるをもて わが熱心ねつしんわれをほろぼせり 140 なんぢの聖󠄃言みことばはいときよし 此故このゆゑになんぢの僕しもべはこれを愛あいす 141 われは微かすかなるものにて人ひとにあなどらるれども汝なんぢのさとしを忘󠄃わすれず 142 なんぢの義ぎはとこしへの義ぎなり汝なんぢののりは眞󠄃理まことなり
 1084㌻ 
143 われ患難なやみと憂うれへとにかかれども 汝なんぢのいましめはわが喜樂たのしみなり 144 なんぢの證詞あかしはとこしへに義たゞし ねがはくはわれに智慧󠄄ちゑをたまへ 我われながらふることを得えん

[○コフ ]

145 われ心こゝろをつくしてよばはれり ヱホバよ我われにこたへたまへ 我われなんぢの律法おきてをまもらん 146 われ汝なんぢをよばはれり ねがはくはわれを救すくひ給たまへ 我われなんぢの證詞あかしをまもらん 147 われ詰朝󠄃あさまだきおきいでて呼よばはれり われ聖󠄃言みことばによりて望󠄇のぞみをいだけり 148 夜よるの更󠄃ときのきたらぬに先さきだち わが眼めはさめて汝なんぢのみことばを深ふかくおもふ 149 ねがはくはなんぢの仁慈いつくしみにしたがひてわが聲こゑをききたまへ ヱホバよなんぢの審判󠄄さばきにしたがひて我われをいかしたまへ 150 惡あくをおひもとむるものは我われにちかづけり 彼等かれらはなんぢの法のりにとほくはなる 151 ヱホバよ汝なんぢはわれに近󠄃ちかくましませり なんぢのすべての誡命いましめはまことなり 152 われ早はやくよりなんぢの證詞あかしによりて汝なんぢがこれを永遠󠄄とこしへにたてたまへることを知しれり

[○レシ ]

153 ねがはくはわが患難なやみをみて我われをすくひたまへ 我われなんぢの法のりをわすれざればなり 154 ねがはくはわが訟󠄃うたへをあげつらひて我われをあがなひ 聖󠄃言みことばにしたがひて我われをいかしたまへ 155 すくひは惡あしきものより遠󠄄とほくはなる かれらはなんぢの律法おきてをもとめざればなり 156 ヱホバよなんぢの憐憫あはれみはおほいなり 願ねがはくはなんぢの審判󠄄さばきにしたがひて我われをいかしたまへ 157 我われをせむる者ものわれに敵てきするものおほし 我われなんぢの證詞あかしをはなるることなかりき 158 虛僞いつはりをおこなふもの汝なんぢのみことばを守まもらざるにより 我われかれらを見みてうれへたり 159 ねがはくはわが汝なんぢのさとしを愛あいすること幾何いかばかりなるをかへりみたまへ ヱホバよなんぢの仁慈いつくしみにしたがひて我われをいかしたまへ〘835㌻〙 160 なんぢのみことばの總󠄂計すべくくりはまことなり 汝なんぢのただしき審判󠄄さばきはとこしへにいたるまで皆みなたゆることなし
 1085㌻ 

[○シン ]

161 もろもろの侯きみはゆゑなくして我われをせむ 然されどわが心こゝろはただ汝なんぢのみことばを畏おそる 162 われ人ひとのおほいなる掠物えものをえたるごとくに 汝なんぢのみことばをよろこぶ 163 われ虛僞いつはりをにくみ之これをいみきらへども 汝なんぢののりを愛あいす 164 われ汝なんぢのただしき審判󠄄さばきのゆゑをもて 一日ひとひに七次󠄄ななたびなんぢを讃稱󠄄ほめたたふ 165 なんぢの法のりをあいするものには大おほいなる平󠄃安やすきあり かれらには躓礙つまづきをあたふる者ものなし 166 ヱホバよ我われなんぢの救すくひをのぞみ汝なんぢのいましめをおこなへり 167 わが靈魂たましひはなんぢの證詞あかしをまもれり 我われはいたく之これをあいす 168 われなんぢの訓諭󠄄さとしとなんぢの證詞あかしとをまもりぬ わがすべての道󠄃みちはみまへにあればなり

[○タウ ]

169 ヱホバよ願ねがはくはわがよぶ聲こゑをみまへにちかづけ 聖󠄃言みことばにしたがひて我われにちゑをあたへたまへ 170 わが願ねがひをみまへにいたらせ 聖󠄃言みことばにしたがひて我われをたすけたまへ 171 わがくちびるは讃美さんびをいだすべし 汝なんぢわれに律法みおきてををしへ給たまへばなり 172 わが舌したはみことばを謳うたふべし なんぢの一切すべてのいましめは義ぎなればなり 173 なんぢの手みてをつねにわが助たすけとなしたまへ われなんぢの訓諭󠄄さとしをえらび用もちゐたればなり 174 ヱホバよ我われなんぢの救すくひをしたへり なんぢの法のりはわがたのしみなり 175 願ねがはくはわが靈魂たましひをながらへしめたまへ さらば汝なんぢをほめたたへん 汝なんぢのさばきの我われをたすけんことを 176 われは亡うしなはれたる羊ひつじのごとく迷󠄃まよひいでぬ なんぢの僕しもべをたづねたまへ われ汝なんぢのいましめを忘󠄃わすれざればなり
 1086㌻ 

第120篇

[ 京みやこ詣まうでのうた ]

1 われ困苦なやみにあひてヱホバをよびしかば我われにこたへたまへり 2 ヱホバよねがはくは虛僞いつはりのくちびる欺詐あざむきの舌したよりわが靈魂たましひをたすけいだしたまへ 3 あざむきの舌したよなんぢに何なにをあたへられ 何なにをくはへらるべきか 4 ますらをの利とき箭󠄃やと金萑花えにしだのあつき炭󠄃すみとなり 5 わざはひなるかな我われはメセクにやどりケダルの幕屋まくやのかたはらに住󠄃すめり 6 わがたましひは平󠄃安やすきをにくむものと偕ともにすめり 7 われは平󠄃安やすきをねがふ されど我われものいふときにかれら戰爭たたかひをこのむ〘836㌻〙

第121篇

[ 京みやこまうでの歌うた ]

1 われ山やまにむかひて目めをあぐ わが扶助たすけはいづこよりきたるや 2 わがたすけは天地あめつちをつくりたまへるヱホバよりきたる 3 ヱホバはなんぢの足あしのうごかさるるを容ゆるしたまはず 汝なんぢをまもるものは微睡まどろみたまふことなし 4 視みよイスラエルを守まもりたまふものは微睡まどろむこともなく寢ねむることもなからん 5 ヱホバは汝なんぢをまもる者ものなり ヱホバはなんぢの右手みぎのてをおほふ蔭かげなり 6 ひるは日ひなんぢをうたず夜よるは月󠄃つきなんぢを傷うたじ 7 ヱホバはなんぢを守まもりてもろもろの禍害󠄅わざはひをまぬかれしめ並またなんぢの靈魂たましひをまもりたまはん 8 ヱホバは今いまよりとこしへにいたるまで 汝なんぢのいづると入いるとをまもりたまはん

第122篇

[ ダビデがよめる京みやこまうでの歌うた ]

1 人ひとわれにむかひて率󠄃いざヱホバのいへにゆかんといへるとき我われよろこべり 2 ヱルサレムよわれらの足あしはなんぢの門もんのうちにたてり 3 ヱルサレムよなんぢは稠しげくつらなりたる邑まちのごとく固かたくたてり 4 もろもろのやから即すなはちヤハの支󠄂派󠄄やからかしこに上のぼりきたり イスラエルにむかひて證詞あかしをなし またヱホバの名みなにかんしやをなす
 1087㌻ 
5 彼處かしこにさばきの寳座みくらまうけらる これダビデの家いへのみくらなり 6 ヱルサレムのために平󠄃安やすきをいのれ ヱルサレムを愛あいするものは榮さかゆべし 7 ねがはくはなんぢの石垣いしがきのうちに平󠄃安やすきあり なんぢの諸殿每歳とし〴〵のうちに福祉さいはひあらんことを 8 わが兄弟きやうだいのためわが侶とものために われ今いまなんぢのなかに平󠄃安やすきあれといはん 9 われらの神かみヱホバのいへのために我われなんぢの福祉さいはひをもとめん

第123篇

[ 京みやこまうでの歌うた ]

1 天てんにいますものよ我われなんぢにむかひて目めをあぐ 2 みよ僕しもべその主しゆの手てに目めをそそぎ 婢女はしためその主母とじの手てに目めをそそぐがごとく われらはわが神かみヱホバに目めをそそぎて そのわれを憐あはれみたまはんことをまつ 3 ねがはくはわれらを憐あはれみたまヘ ヱホバよわれらを憐あはれみたまへ そはわれらに輕侮あなどりはみちあふれぬ 4 おもひわづらひなきものの凌辱はぢしめと たかぶるものの輕侮あなどりとはわれらの靈魂たましひにみちあふれぬ

第124篇

[ ダビデのよめる京みやこまうでの歌うた ]

1 今いまイスラエルはいふべし ヱホバもしわれらの方かたにいまさず 2 人々ひと〴〵われらにさからひて起󠄃おこりたつとき ヱホバもし我儕われらのかたに在いまさざりしならんには 3 かれらの怒いかりのわれらにむかひておこりし時とき われらを生いけるままにて呑のみしならん〘837㌻〙 4 また水みづはわれらをおほひ 流ながれはわれらの靈魂たましひをうちこえ 5 高たかぶる水みづはわれらの靈魂たましひをうちこえしならん 6 ヱホバはほむべきかな我儕われらをかれらの齒はにわたして噛かみくらはせたまはざりき 7 我儕われらのたましひは捕鳥者とり〳〵のわなをのがるる鳥とりのごとくにのがれたり 羅わなはやぶれてわれらはのがれたり 8 われらの助たすけは天地あめつちをつくりたまへるヱホバの名みなにあり
 1088㌻ 

第125篇

[ みやこ詣まうでのうた ]

1 ヱホバに依賴よりたのむものはシオンの山やまのうごかさるることなくして永遠󠄄とこしへにあるがごとし 2 ヱルサレムを山やまのかこめるごとくヱホバも今いまよりとこしへにその民たみをかこみたまはん 3 惡あくの杖つゑはただしきものの所󠄃領しよりやうにとゞまることなかるべし斯かくてただしきものはその手てを不義ふぎにのぶることあらじ 4 ヱホバよねがはくは善よき人ひととこころ直なほきものとに福祉さいはひをほどこしたまへ 5 されどヱホバは轉ふりかへりておのが曲まがれる道󠄃みちにいるものを惡あしきわざをなすものとともに去さりしめたまはん 平󠄃安やすきはイスラエルのうへにあれ

第126篇

[ 京みやこまうでの歌うた ]

1 ヱホバ、シオンの俘囚とらはれびとをかへしたまひし時とき われらは夢ゆめみるもののごとくなりき 2 そのとき笑わらひはわれらの口くちにみち歌うたはわれらの舌したにみてり ヱホバかれらのために大おほいなることを作なしたまへりといへる者ものもろもろの國くにのなかにありき 3 ヱホバわれらのために大おほいなることをなしたまひたれば我儕われらはたのしめり 4 ヱホバよ願ねがはくはわれらの俘囚とらはれびとをみなみの川かはのごとくに歸かへしたまへ 5 淚なみだとともに播まくものは歡喜よろこびとともに穫かりとらん 6 その人ひとは種たねをたづさへ淚なみだをながしていでゆけど禾束たばをたづさへ喜よろこびてかへりきたらん

第127篇

[ ソロモンがよめる京みやこまうでのうた ]

1 ヱホバ家いへをたてたまふにあらずば 建󠄄たつるものの勤勞きんらうはむなしく ヱホバ城󠄃しろをまもりたまふにあらずば衛󠄅士ゑじのさめをるは徒勞いたづらなり 2 なんぢら早はやくおき遲󠄃おそくいねて辛苦しんくの糧かてをくらふはむなしきなり 斯かくてヱホバその愛いつくしみたまふものに寢ねぶりをあたへたまふ
 1089㌻ 
3 みよ子輩こらはヱホバのあたへたまふ嗣業ゆづりにして 胎たいの實みはその報むくいのたまものなり 4 年とし壯わかきころほひの子こはますらをの手てにある矢やのごとし 5 矢やのみちたる箙󠄃えびらをもつ人ひとはさいはひなり かれら門もんにありて仇あたとものいふとき恥はづることあらじ〘838㌻〙

第128篇

[ 京みやこまうでの歌うた ]

1 ヱホバをおそれその道󠄃みちをあゆむものは皆みなさいはひなり 2 そはなんぢおのが手ての勤勞きんらうをくらふべければなり なんぢは福祉さいはひをえまた安處やすきにをるべし 3 なんぢの妻つまはいへの奧おくにをりておほくの實みをむすぶ葡萄ぶだうの樹きのごとく汝なんぢの子輩こらはなんぢの筵えんに圓居まどゐしてかんらんの若樹わかきのごとし 4 見みよヱホバをおそるる者ものはかく福祉さいはひをえん 5 ヱホバはシオンより惠めぐみをなんぢに賜たまはん なんぢ世よにあらんかぎりヱルサレムの福祉さいはひをみん 6 なんぢおのが子輩こらの子こをみるべし 平󠄃安やすきはイスラエルの上うへにあり

第129篇

[ 京みやこまうでのうた ]

1 今いまイスラエルはいふべし彼等かれらはしばしば我われをわかきときより惱なやめたり 2 かれらはしばしば我われをわかきときより惱なやめたり されどわれに勝󠄃かつことを得えざりき 3 耕󠄃たがへすものはわが背そびらをたがへしてその畎たみぞをながくせり 4 ヱホバは義たゞし あしきものの繩󠄂なはをたちたまへり 5 シオンをにくむ者ものはみな恥はぢをおびてしりぞかせらるべし 6 かれらは長そだたざるさきにかるる屋上やねの草くさのごとし 7 これを刈かるものはその手てにみたず 之これをつかぬるものはその束たばふところに盈みたざるなり 8 かたはらを過󠄃よぎるものはヱホバの惠めぐみなんぢの上うへにあれといはず われらヱホバの名みなによりてなんぢらを祝しくすといはず
 1090㌻ 

第130篇

[ 京みやこまうでの歌うた ]

1 ああヱホバよわれふかき淵ふちより汝なんぢをよべり 2 主しゆよねがはくはわが聲こゑをきき汝なんぢのみみをわが懇求ねがひのこゑにかたぶけたまへ 3 ヤハよ主しゆよなんぢ若もしもろもろの不義ふぎに目めをとめたまはば誰たれたれかよく立たつことをえんや 4 されどなんぢに赦ゆるしあれば人ひとにおそれかしこまれ給たまふべし 5 我われヱホバを俟まち望󠄇のぞむ わが靈魂たましひはまちのぞむ われはその聖󠄃言みことばによりて望󠄇のぞみをいだく 6 わがたましひは衛󠄅士ゑじがあしたを待まつにまさり 誠󠄃まことにゑじが旦あしたをまつにまさりて主しゆをまてり 7 イスラエルよヱホバによりて望󠄇のぞみをいだけ そはヱホバにあはれみあり またゆたかなる救贖あがなひあり 8 ヱホバはイスラエルをそのもろもろの邪󠄅曲よこしまよりあがなひたまはん

第131篇

[ ダビデのよめる京みやこまうでのうた ]

1 ヱホバよわが心こゝろおごらずわが目めたかぶらず われは大おほいなることと我われにおよばぬ奇くすしき事わざとをつとめざりき 2 われはわが靈魂たましひをもださしめまた安やすからしめたり 乳󠄃ちをたちし嬰兒みどりごのその母はゝにたよるごとく 我わがたましひは乳󠄃ちをたちし嬰兒みどりごのごとくわれに恃たよれり〘839㌻〙 3 イスラエルよ今いまよりとこしへにヱホバにたよりて望󠄇のぞみをいだけ

第132篇

[ 京みやこまうでの歌うた ]

1 ヱホバよねがはくはダビデの爲ためにそのもろもろの憂うれへをこころに記とめたまへ 2 ダビデ、ヱホバにちかひヤコブの全󠄃能者ぜんのうしやにうけひていふ 3 -5 われヱホバのために處ところをたづねいだし ヤコブの全󠄃能者ぜんのうしやのために居所󠄃すまひをもとめうるまでは 我わが家いへの幕屋まくやにいらず わが臥床ふしどにのぼらず わが目めをねぶらしめず わが眼瞼まなぶたをとぢしめざるべしと
 1091㌻ 
6 われらエフラタにて之これをききヤアルの野のにて見みとめたり 7 われらはその居所󠄃すまひにゆきて その承足せうそくのまへに俯伏ひれふさん 8 ヱホバよねがはくは起󠄃おきて なんぢの稜威󠄂みいづの櫃ひつとともになんぢの安居やすみ所󠄃どころにいりたまへ 9 なんぢの祭司さいしたちは義ぎを衣き なんぢの聖󠄃徒せいとはみな歡よろこびよばふべし 10 なんぢの僕しもべダビデのためになんぢの受膏者じゆかうじやの面おもをしりぞけたまふなかれ 11 ヱホバ眞󠄃實まことをもてダビデに誓ちかひたまひたれば之これにたがふことあらじ 曰いはくわれなんぢの身みよりいでし者ものをなんぢの座位くらゐにざせしめん 12 なんぢの子輩こらもしわがをしふる契󠄅約けいやくと證詞あかしとをまもらばかれらの子輩こらもまた永遠󠄄とこしへになんぢの座位くらゐにざすべしと 13 ヱホバはシオンを擇えらびておのが居所󠄃すみかにせんとのぞみたまへり 14 曰いはくこれは永遠󠄄とこしへにわが安居やすみ處どころなり われここに住󠄃すまん そはわれ之これをのぞみたればなり 15 われシオンの糧かてをゆたかに祝しくし くひものをもてその貧󠄃者まづしきものをあかしめん 16 われ救すくひをもてその祭司さいしたちに衣きせん その聖󠄃徒せいとはみな聲こゑたからかによろこびよばふべし 17 われダビデのためにかしこに一ひとつの角つのをはえしめん わが受膏者じゆかうじやのために燈火ともしびをそなへたり 18 われかれの仇あたにはぢを衣きせん されどかれはその冠弁かんむりさかゆべし

第133篇

[ ダビデがよめる京みやこまうでの歌うた ]

1 視みよはらから相あひ睦むつみてともにをるはいかに善よくいかに樂たのしきかな 2 首かうべにそそがれたる貴たふときあぶら鬚ひげにながれ アロンの鬚ひげにながれ その衣ころものすそにまで流ながれしたたるるがごとく 3 またヘルモンの露つゆくだりてシオンの山やまにながるるがごとし そはヱホバかしこに福祉さいはひをくだし窮󠄃かぎりなき生命いのちをさへあたへたまへり
 1092㌻ 

第134篇

[ 京みやこまうでの歌うた ]

1 夜間よるヱホバの家いへにたちヱホバに事つかふるもろもろの僕しもべよ ヱホバをほめまつれ〘840㌻〙 2 なんぢら聖󠄃所󠄃せいじよにむかひ手てをあげてヱホバをほめまつれ 3 ねがはくはヱホバ天地あめつちをつくりたまへるもの シオンより汝なんぢをめぐみたまはんことを

第135篇

1 なんぢらヱホバを讃稱󠄄ほめたたへよ ヱホバの名みなをほめたたへよ ヱホバの僕しもべ等らほめたたへよ 2 ヱホバの家いへわれらの神かみのいへの大庭󠄄おほにはにたつものよ讃稱󠄄ほめたたへよ 3 ヱホバは惠めぐみふかし なんぢらヱホバをほめたたへよ その聖󠄃名みなはうるはし讃ほめうたへ 4 そはヤハおのがためにヤコブをえらみ イスラエルをえらみてその珍寳うづたからとなしたまへり 5 われヱホバの大おほいなるとわれらの主しゆのもろもろの神かみにまされるとをしれり 6 ヱホバその聖󠄃旨みこころにかなふことを天てんにも地つちにも海うみにも淵ふちにもみなことごとく行おこなひ給たまふなり 7 ヱホバは地ちのはてより霧きりをのぼらせ 雨あめのために電光いなづまをつくりその庫くらより風かぜをいだしたまふ 8 ヱホバは人ひとより畜類けだものにいたるまでエジプトの首出うひごをうちたまへり 9 エジプトよヱホバはなんぢの中なかにしるしと奇くすしき事跡みわざとをおくりて パロとその僕しもべとに臨のぞませ給たまへり 10 ヱホバはおほくの國々くに〴〵をうち 又󠄂またいきほひある王等わうたちをころし給たまへり 11 アモリ人びとのわうシホン、バシヤンの王わうオグならびにカナンの國々くに〴〵なり 12 かれらの地ちをゆづりとしその民たみイスラエルの嗣業ゆづりとしてあたへ給たまへり 13 ヱホバよなんぢの名みなはとこしへに絕たゆることなし ヱホバよなんぢの記念きねんはよろづ世よにおよばん 14 ヱホバはその民たみのために審判󠄄さばきをなしその僕しもべ等らにかかはれる聖󠄃意みこころをかへたまふ可べければなり 15 もろもろのくにの偶像󠄃ぐうざうはしろかねと金こがねにして人ひとの手てのわざなり
 1093㌻ 
16 そのぐうざうは口くちあれどいはず目めあれど見みず 17 耳みゝあれどきかず またその口くちに氣息いきあることなし 18 これを造󠄃つくるものと之これによりたのむものとは皆みなこれにひとしからん 19 イスラエルの家いへよヱホバをほめまつれ アロンのいへよヱホバをほめまつれ 20 レビの家いへよヱホバをほめまつれ ヱホバを畏おそるるものよヱホバをほめまつれ 21 ヱルサレムにすみたまふヱホバはシオンにて讃ほめまつるべきかな ヱホバをほめたたへよ

第136篇

1 ヱホバに感謝󠄃かんしやせよヱホバはめぐみふかし その憐憫あはれみはとこしへに絕たゆることなければなり 2 もろもろの神かみの神かみにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり 3 もろもろの主しゆの主しゆにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり〘841㌻〙 4 ただ獨ひとりおほいなる奇くし跡わざなしたまふものに感謝󠄃かんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり 5 智慧󠄄ちゑをもてもろもろの天てんをつくりたまへるものに感謝󠄃かんしやせよ そのあはれみはとこしへにたゆることなければなり 6 地ちを水みづのうへに布しきたまへるものに感謝󠄃かんしやせよ そのあはれみは永遠󠄄とこしへにたゆることなければなり 7 巨󠄃大おほいなる光ひかりをつくりたまへる者ものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへに絕たゆることなければなり 8 晝ひるをつかさどらするために日ひをつくりたまへる者ものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり 9 夜よるをつかさどらするために月󠄃つきともろもろの星ほしとをつくりたまへる者ものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり 10 もろもろの首出うひごをうちてエジプトを責せめたまへるものに感謝󠄃かんしやせよ そのあはれみは永遠󠄄とこしへにたゆることなければなり 11 イスラエルを率󠄃ひきゐてエジプト人びとのなかより出いだしたまへる者ものにかんしやせよ そのあはれみはとこしへに絕たゆることなければなり 12 臂かひなをのばしつよき手みてをもて之これをひきいだしたまへる者ものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり
 1094㌻ 
13 紅こう海かいをふたつに分󠄃わけたまへる者ものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり 14 イスラエルをしてその中なかをわたらしめ給たまへるものに感謝󠄃かんしやせよ そのあはれみは永遠󠄄とこしへにたゆることなければなり 15 パロとその軍兵つはものとを紅こう海かいのうちに仆たふしたまへるものに感謝󠄃かんしやせよ そのあはれみは永遠󠄄とこしへにたゆることなければなり 16 その民たみをみちびきて野のをすぎしめたまへる者ものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり 17 大おほいなる王わうたちを擊うちたまへるものに感謝󠄃かんしやせよ そのあはれみは永遠󠄄とこしへにたゆることなければなり 18 名なある王等わうたちをころしたまへる者ものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへに絕たゆることなければなり 19 アモリ人びとのわうシホンをころしたまへる者ものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり 20 バシヤンのわうオグを誅ころしたまへるものに感謝󠄃かんしやせよ そのあはれみは永遠󠄄とこしへにたゆることなければなり 21 かれらの地ちを嗣業ゆづりとしてあたへたまへる者ものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり 22 その僕しもべイスラエルにゆづりとして之これをあたへたまへるものに感謝󠄃かんしやせよ そのあはれみは永遠󠄄とこしへにたゆることなければなり 23 われらが微賤いやしかりしときに記念きねんしたまへる者ものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへに絕たゆることなければなり〘842㌻〙 24 わが敵てきよりわれらを助たすけいだしたまへる者ものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへに絕たゆることなければなり 25 すべての生いけるものに食󠄃物くひものをあたへたまふものに感謝󠄃かんしやせよ そのあはれみはとこしへに絕たゆることなければなり 26 天てんの神かみにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへに絕たゆることなければなり

第137篇

1 われらバビロンの河かはのほとりにすわり シオンをおもひいでて淚なみだをながしぬ 2 われらそのあたりの柳やなぎにわが琴ことをかけたり
 1095㌻ 
3 そはわれらを虜とりこにせしものわれらに歌うたをもとめたり 我儕われらをくるしむる者ものわれらにおのれを歡よろこばせんとて シオンのうた一ひとつうたへといへり 4 われら外邦󠄆とつくににありていかでヱホバの歌うたをうたはんや 5 エルサレムよもし我われなんぢをわすれなばわが右みぎの手てにその巧たくみをわすれしめたまへ 6 もしわれ汝なんぢを思おもひいでず もしわれヱルサレムをわがすべての歡喜よろこびの極きはみとなさずばわが舌したをわが腭あぎにつかしめたまヘ 7 ヱホバよねがはくはヱルサレムの日ひにエドムの子輩こらがこれを掃󠄃除はらひのぞけその基もとゐまでもはらひのぞけといへるを聖󠄃意みこころにとめたまへ 8 ほろぼさるべきバビロンの女むすめよ なんぢがわれらに作なししごとく汝なんぢにむくゆる人ひとはさいはひなるべし 9 なんぢの嬰兒みどりごをとりて岩いはのうへになげうつものは福さいはひなるべし

第138篇

[ ダビデのうた ]

1 われはわが心こゝろをつくしてなんぢに感謝󠄃かんしやし もろもろの神かみのまへにて汝なんぢをほめうたはん 2 我われなんぢのきよき宮みやにむかひて伏ふし拜をがみ なんぢの仁慈いつくしみとまこととの故ゆゑによりて聖󠄃名みなにかんしやせん そは汝なんぢそのみことばをもろもろの聖󠄃名みなにまさりて高たかくしたまひたればなり 3 汝なんぢわがよばはりし日ひにわれにこたへ わが靈魂たましひにちからをあたへて雄々ををしからしめたまへり 4 ヱホバよ地ちのすべての王わうはなんぢに感謝󠄃かんしやせん かれらはなんぢの口くちのもろもろの言ことばをききたればなり 5 かれらはヱホバのもろもろの途󠄃みちについてうたはん ヱホバの榮光えいくわうおほいなればなり 6 ヱホバは高たかくましませども卑ひくきものを顧󠄃かへりみたまふ されど亦またおごれるものを遠󠄄とほきよりしりたまへり 7 縱たとひわれ患難なやみのなかを步あゆむとも汝なんぢわれをふたゝび活いかし その手てをのばしてわが仇あたのいかりをふせぎ その右みぎの手てわれをすくひたまふべし 8 ヱホバはわれに係かゝはれることを全󠄃まつたうしたまはん ヱホバよなんぢの憐憫あはれみはとこしへにたゆることなし願ねがはくはなんぢの手みてのもろもろの事跡みわざをすてたまふなかれ〘843㌻〙
 1096㌻ 

第139篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデの歌うた ]

1 ヱホバよなんぢは我われをさぐり我われをしりたまへり 2 なんぢはわが坐すわるをも立たつをもしり 又󠄂またとほくよりわが念おもひをわきまへたまふ 3 なんぢはわが步あゆむをもわが臥ふすをもさぐりいだし わがもろもろの途󠄃みちをことごとく知しりたまへり 4 そはわが舌したに一言ひとことありとも觀みよヱホバよなんぢことごとく知しりたまふ 5 なんぢは前󠄃まへより後うしろよりわれをかこみ わが上うへにその手みてをおき給たまへり 6 かかる知識ちしきはいとくすしくして我われにすぐ また高たかくして及およぶことあたはず 7 我われいづこにゆきてなんぢの聖󠄃靈みたまをはなれんや われいづこに往󠄃ゆきてなんぢの前󠄃みまへをのがれんや 8 われ天てんにのぼるとも汝なんぢかしこにいまし われわが榻とこを陰府よみにまうくるとも 觀みよなんぢ彼處かしこにいます 9 我われあけぼのの翼󠄅つばさをかりて海うみのはてにすむとも 10 かしこにて尙なほなんぢの手みてわれをみちびき汝なんぢのみぎの手みてわれをたもちたまはん 11 暗󠄃くらきはかならす我われをおほひ 我われをかこめる光ひかりは夜よとならんと我われいふとも 12 汝なんぢのみまへには暗󠄃くらきものをかくすことなく 夜よるもひるのごとくに輝かゞやけり なんぢにはくらきも光ひかりもことなることなし 13 汝なんぢはわがはらわたをつくり 又󠄂またわがははの胎たいにわれを組くみ成󠄃なしたまひたり 14 われなんぢに感謝󠄃かんしやす われは畏おそるべく奇くすしくつくられたり なんぢの事跡みわざはことごとくくすし わが靈魂たましひはいとつばらに之これをしれり 15 われ隱かくれたるところにてつくられ地ちの底所󠄃そこべにて妙たへにつづりあはされしとき わが骨ほねなんぢにかくるることなかりき 16 わが體むくろいまだ全󠄃またからざるに なんぢの目みめははやくより之これをみ 日々ひに〳〵かたちづくられしわが百體ひやくたいの一ひとつだにあらざりし時ときに ことごとくなんぢの册ふみにしるされたり 17 神かみよなんぢのもろもろの思念みおもひはわれに寳たふときこといかばかりぞや そのみおもひの總󠄂計すべくくりはいかに多おほきかな
 1097㌻ 
18 我われこれを算かぞへんとすれどもそのかずは沙すなよりもおほし われ眼めさむるときも尙なほなんぢとともにをる 19 神かみよなんぢはかならず惡者あしきものをころし給たまはん されば血ちをながすものよ我われをはなれされ 20 かれらはあしき企圖󠄃くはだてをもて汝なんぢにさからひて言ものいふ なんぢの仇あたはみだりに聖󠄃名みなをとなふるなり 21 ヱホバよわれは汝なんぢをにくむ者ものをにくむにあらずや なんぢに逆󠄃さからひておこりたつものを厭いとふにあらずや 22 われ甚いたくかれらをにくみてわが仇あたとす 23 神かみよねがはくは我われをさぐりてわが心こゝろをしり 我われをこころみてわがもろもろの思念おもひをしりたまへ〘844㌻〙 24 ねがはくは我われによこしまなる途󠄃みちのありやなしやを見みて われを永遠󠄄とこしへのみちに導󠄃みちびきたまへ

第140篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 ヱホバよねがはくは惡人あしきひとよりわれを助たすけいだし 我われをまもりて强暴人あらぶるものよりのがれしめたまへ 2 かれらは心こゝろのうちに殘害󠄅そこなひをくはだて たえず戰鬪たたかひをおこす 3 かれらは蛇へびのごとくおのが舌したを利とくす そのくちびるのうちに蝮まむしの毒󠄂どくあり セラ 4 ヱホバよ願ねがはくはわれを保たもちてあしきひとの手てよりのがれしめ 我われをまもりてわが足あしをつまづかせんと謀はかるあらぶる人ひとよりのがれしめ給たまへ 5 高たかぶるものはわがために羂わなと索つなとをふせ 路みちのほとりに網󠄄あみをはり かつ機おしをまうけたり セラ 6 われヱホバにいへらく汝なんぢはわが神かみなり ヱホバよねがはくはわが祈いのりのこゑをきき給たまへ 7 わが救すくひのちからなる主しゆの神かみよ なんぢはたたかひの日ひにわが首かうべをおほひたまへり 8 ヱホバよあしきひとの欲ねがひのままにすることをゆるしたまふなかれ そのあしき企圖󠄃くはだてをとげしめたまふなかれ おそらくは彼等かれらみづから誇ほこらん セラ 9 われを圍󠄃かこむものの首かうべはおのれのくちびるの殘害󠄅そこなひにおほはるべし 10 もえたる炭󠄃すみはかれらのうへにおち かれらは火ひになげいれられ ふかき穴󠄄あなになげいれられて再ふたゝびおきいづることあたはざるべし
 1098㌻ 
11 惡あしき言ことをいふものは世よにたてられず 暴あらくぶるものはわざはひに追󠄃及おひしかれてたふさるべし 12 われは苦くるしむものの訴うたへとまづしきものの義ぎとをヱホバの守まもりたまふを知しる 13 義者ただしきものはかならず聖󠄃名みなにかんしやし直なほき者ものはみまへに住󠄃すまん

第141篇

[ ダビデのうた ]

1 ヱホバよ我われなんぢを呼よばふ ねがはくは速󠄃すみやかにわれにきたりたまへ われ汝なんぢをよばふときわが聲こゑに耳みゝをかたぶけたまへ 2 われは薰物たきもののごとくにわが祈いのりをみまへにささげ 夕ゆふべのそなへものの如ごとくにわが手てをあげて聖󠄃前󠄃みまへにささげんことをねがふ 3 ヱホバよねがはくはわが口くちに門守かどもりをおきて わがくちびるの戶とをまもりたまへ 4 惡あしき事ことにわがこころを傾かたぶかしめて邪󠄅曲よこしまをおこなふ者ものとともに惡あしきわざにあづからしめ給たまふなかれ 又󠄂またかれらの珍饈うまきものをくらはしめたまふなかれ 5 義者ただしきものわれをうつとも我われはこれを愛いつくしみとしその我われをせむるを頭かしらのあぶらとせん わが頭かしらはこれを辭いなまず かれらが禍害󠄅わざはひにあふときもわが祈いのりはたえじ 6 その審士さばきびとははほの崕がけになげられん かれらわがことばの甘美あまきによりて聽きくことをすべし〘845㌻〙 7 人ひとつちを耕󠄃たがへしうがつがごとく我儕われらのほねははかの口くちにちらさる 8 されど主しゆヱホバよわが目めはなほ汝なんぢにむかふ 我われなんぢに依賴よりたのめり ねがはくはわが靈魂たましひをともしきままに捨󠄃すておきたまなかれ 9 我われをまもりてかれらがわがためにまうくる羂わなとよこしまを行おこなふものの機おしとをまぬかれしめたまへ 10 われは全󠄃またくのがれん あしきものをおのれの網󠄄あみにおちいらしめたまへ

第142篇

[ ダビデが洞ほらにありしときよみたる敎をしへのうたなり祈いのりなり ]

1 われ聲こゑをいだしてヱホバによばはり 聲こゑをいだしてヱホバにこひもとむ 2 われはその聖󠄃前󠄃みまへにわが歎息なげきをそそぎいだし そのみまへにわが患難なやみをあらはす
 1099㌻ 
3 わが靈魂たましひわがうちにきえうせんとするときも汝なんぢわがみちを識しりたまへり 人ひとわれをとらへんとてわがゆくみちに羂わなをかくせり 4 願ねがはくはわがみぎの手てに目めをそそぎて見みたまへ 一人ひとりだに我われをしるものなし われには避󠄃所󠄃さけどころなくまたわが靈魂たましひをかへりみる人ひとなし 5 ヱホバよわれ汝なんぢをよばふ 我われいへらく汝なんぢはわがさけどころ有󠄃生いけるものの地ちにてわがうべき分󠄃ものなりと 6 ねがはくはわが號呼さけびにみこころをとめたまへ われいたく卑ひくくせられたればなり 我われをせむる者ものより助たすけいだしたまへ 彼等かれらはわれにまさりて强つよければなり 7 願ねがはくはわがたましひを囹圄ひとやよりいだし われに聖󠄃名みなを感謝󠄃かんしやせしめたまへ なんぢ豐ゆたかにわれを待あしらひたまふべければ 義者ただしきものわれをめぐらん

第143篇

[ ダビデのうた ]

1 ヱホバよねがはくはわが祈いのりをきき わが懇求ねがひにみみをかたぶけたまへ なんぢの眞󠄃實まことなんぢの公󠄃義ただしきをもて我われにこたへたまへ 2 汝なんぢのしもべの審判󠄄さばきにかかつらひたまふなかれ そはいけるもの一人ひとりだにみまへに義ぎとせらるるはなし 3 仇あたはわがたましひを迫󠄃せめわが生命いのちを地ちにうちすて 死しにてひさしく世よを經へたるもののごとく我われをくらき所󠄃ところにすまはせたり 4 又󠄂またわがたましひはわが衷うちにきえうせんとし わが心こゝろはわがうちに曠あれさびれたり 5 われはいにしへの日ひをおもひいで 汝なんぢのおこなひたまひし一切すべてのことを考かんがへ なんぢの手みてのみわざをおもふ 6 われ汝なんぢにむかひてわが手てをのべ わがたましひは燥かわきおとろへたる地ちのごとく汝なんぢをしたへり セラ 7 ヱホバよ速󠄃すみやかにわれにこたへたまへ わが靈魂たましひはおとろふ われに聖󠄃顏みかほをかくしたまふなかれ おそらくはわれ穴󠄄あなにくだるもののごとくならん〘846㌻〙 8 朝󠄃あしたになんぢの仁慈いつくしみをきかしめたまへ われ汝なんぢによりたのめばなり わが步あゆむべき途󠄃みちをしらせたまへ われわが靈魂たましひをなんぢに擧あぐればなり
 1100㌻ 
9 ヱホバよねがはくは我われをわが仇あたよりたすけ出いだしたまへ われ匿かくれんとして汝なんぢにはしりゆく 10 汝なんぢはわが神かみなり われに聖󠄃旨みむねをおこなふことををしへたまへ 惠めぐみふかき聖󠄃靈みたまをもて我われをたひらかなる國くににみちびきたまへ 11 ヱホバよねがはくは聖󠄃名みなのために我われをいかし なんぢの義ぎによりてわがたましひを患難なやみよりいだしたまへ 12 又󠄂またなんぢの仁慈いつくしみによりてわが仇あたをたち 靈魂たましひをくるしむる者ものをことごとく滅ほろぼしたまへ そは我われなんぢの僕しもべなり

第144篇

[ ダビデのうた ]

1 戰いくさすることをわが手てにをしへ 鬪たたかふことをわが指ゆびにをしへたまふ わが磐いはヱホバはほむべきかな 2 ヱホバはわが仁慈いつくしみわが城󠄃しろなり わがたかき櫓やぐらわれをすくひたまふ者ものなり わが盾たてわが依賴よりたのむものなり ヱホバはわが民たみをわれにしたがはせたまふ 3 ヱホバよ人ひとはいかなる者ものなれば之これをしり 人ひとの子こはいかなる者ものなれば之これをみこころに記とめたまふや 4 人ひとは氣息いきにことならず その存ながらふる日ひはすぎゆく影かげにひとし 5 ヱホバよねがはくはなんぢの天てんをたれてくだり 手みてを山やまにつけて煙󠄃けぶりをたたしめたまへ 6 電光いなづまをうちいだして彼等かれらをちらし なんぢの矢やをはなちてかれらを敗やぶりたまへ 7 上うへより手みてをのべ我われをすくひて 大水おほみづより外人あだしびとの手てよりたすけいだしたまへ 8 かれらの口くちはむなしき言ことをいひ その右みぎの手てはいつはりのみぎの手てなり 9 神かみよわれ汝なんぢにむかひて新あらたらしき歌うたをうたひ 十絃とををの琴ことにあはせて汝なんぢをほめうたはん 10 なんぢは王わうたちに救すくひをあたへ 僕しもべダビデをわざはひの劍つるぎよりすくひたまふ神かみなり 11 ねがはくは我われをすくひて外人あだしびとの手てよりたすけいだしたまへ かれらの口くちはむなしき言ことをいひ その右みぎの手てはいつはりのみぎの手てなり
 1101㌻ 
12 われらの男子をのこごはとしわかきとき育そだちたる草木くさきのごとくわれらの女子おみなごは宮みやのふりにならひて刻󠄂きざみいだしし隅すみの石いしのごとくならん 13 われらの倉くらはみちたらひてさまざまのものをそなへ われらの羊ひつじは野のにて千萬ちよろずの子こをうみ 14 われらの牡牛をうしはよく物ものをおひ われらの衢ちまたにはせめいることなく亦またおしいづることなく叫さけぶこともなからん 15 かかる狀さまの民たみはさいはひなり ヱホバをおのが神かみとする民たみはさいはひなり〘847㌻〙

第145篇

[ ダビデの讃美さんびのうた ]

1 わがかみ王わうよわれ汝なんぢをあがめ 世よかぎりなく聖󠄃名みなをほめまつらん 2 われ日ひごとに汝なんぢをほめ世々よゝかぎりなく聖󠄃名みなをほめたゝへん 3 ヱホバは大おほいにましませば最いともほむべきかな その大おほいなることは尋󠄃たづねしることかたし 4 この代よはかの代よにむかひてなんぢの事跡みわざをほめたたへ なんぢの大能たいのうのはたらきを宣のべつたへん 5 われ汝なんぢのほまれの榮光えいくわうある稜威󠄂みいづとなんぢの奇くすしきみわざとを深ふかくおもはん 6 人ひとはなんぢのおそるべき動作はたらきのいきほひをかたり 我われはなんぢの大おほいなることを宣のべつたへん 7 かれらはなんぢの大おほいなる惠めぐみの跡あとをいひいで なんぢの義ぎをほめうたはん 8 ヱホバは惠めぐみふかく憐憫あはれみみち また怒いかりたまふことおそく憐憫あはれみおほいなり 9 ヱホバはよろづの者ものにめぐみあり そのふかき憐憫あはれみはみわざの上うへにあまねし 10 ヱホバよ汝なんぢのすべての事跡みわざはなんぢに感謝󠄃かんしやし なんぢの聖󠄃徒せいとはなんぢをほめん 11 かれらは御國みくにのえいくわうをかたり汝なんぢのみちからを宣のべつたへて 12 その大能たいのうのはたらきとそのみくにの榮光えいくわうあるみいづとを人ひとの子輩こらにしらすべし 13 なんぢの國くにはとこしへの國くになり なんぢの政治まつりごとはよろづ代よにたゆることなし 14 ヱホバはすべて倒たふれんとする者ものをささへ かがむものを直なほくたたしめたまふ
 1102㌻ 
15 よろづのものの目めはなんぢを待まち なんぢは時ときにしたがひてかれらに糧かてをあたへ給たまふ 16 なんぢ手みてをひらきてもろもろの生いけるものの願望󠄇ねがひをあかしめたまふ 17 ヱホバはそのすべての途󠄃みちにただしく そのすべての作爲みわざにめぐみふかし 18 すべてヱホバをよぶもの 誠󠄃まことをもて之これをよぶものに ヱホバは近󠄃ちかくましますなり 19 ヱホバは己おのれをおそるるものの願望󠄇ねがひをみちたらしめ その號呼さけびをききて之これをすくひたまふ 20 ヱホバはおのれを愛いつくしむものをすべて守まもりたまへど 惡者あしきものをことごとく滅ほろぼしたまはん 21 わが口くちはヱホバの頌󠄃美ほまれをかたり よろづの民たみは世々よゝかぎりなくそのきよき名みなをほめまつるべし

第146篇

1 ヱホバを讃稱󠄄ほめたたへよ わがたましひよヱホバをほめたたへよ 2 われ生いけるかぎりはヱホバをほめたたへ わがながらふるほどはわが神かみをほめうたはん 3 もろもろの君きみによりたのむことなく 人ひとの子こによりたのむなかれ かれらに助たすけあることなし 4 その氣息いきいでゆけばかれ土つちにかへる その日ひかれがもろもろの企圖󠄃くはだてはほろびん 5 ヤコブの神かみをおのが助たすけとしその望󠄇のぞみをおのが神かみヱホバにおくものは福さいはひなり〘848㌻〙 6 此こはあめつちと海うみとそのなかなるあらゆるものを造󠄃つくり とこしへに眞󠄃實まことをまもり 7 虐󠄃しへたげらるるもののために審判󠄄さばきをおこなひ 饑󠄃うゑたるものに食󠄃物くひものをあたへたまふ神かみなり ヱホバはとらはれたる人ひとをときはなちたまふ 8 ヱホバはめしひの目めをひらき ヱホバは屈かがむ者ものをなほくたたせ ヱホバは義たゞしきものを愛いつくしみたまふ 9 ヱホバは他邦󠄆人あだしくにびとをまもり 孤子みなしごと寡婦󠄃やもめとをささへたまふ されど惡あしきものの徑みちはくつがへしたまふなり 10 ヱホバはとこしへに統治すべをさめめたまはん シオンよなんぢの神かみはよろづ代よまで統治すべをさめたまはん ヱホバをほめたたへよ
 1103㌻ 

第147篇

1 ヱホバをほめたたへよ われらの神かみをほめうたふは善よきことなり樂たのしきことなり 稱󠄄たゝへまつるはよろしきに適󠄄かなへり 2 ヱホバはヱルサレムをきづきイスラエルのさすらへる者ものをあつめたまふ 3 ヱホバは心こゝろのくだけたるものを醫いやしその傷きずをつつみたまふ 4 ヱホバはもろもろの星ほしの數󠄄かずをかぞへてすべてこれに名なをあたへたまふ 5 われらの主しゆはおほいなりその能力ちからもまた大おほいなりその智慧󠄄ちゑはきはまりなし 6 ヱホバは柔和にうわなるものをささへ惡あしきものを地ちにひきおとし給たまふ 7 ヱホバに感謝󠄃かんしやしてうたへ琴ことにあはせてわれらの神かみをほめうたヘ 8 ヱホバは雲くもをもて天てんをおほひ地ちのために雨あめをそなへ もろもろの山やまに草くさをはえしめ 9 くひものを獸けものにあたへ並またなく小こ鴉󠄄がらすにあたへたまふ 10 ヱホバは馬むまのちからを喜よろこびたまはず 人ひとの足あしをよみしたまはず 11 ヱホバはおのれを畏おそるるものと おのれの憐憫あはれみをのぞむものとを好よみしたまふ 12 ヱルサレムよヱホバをほめたたへよ シオンよなんぢの神かみをほめたたへよ 13 ヱホバはなんぢの門もんの關木くわんのきをかたうし 汝なんぢのうちなる子輩こらをさきはひ給たまひたればなり 14 ヱホバは汝なんぢのすべての境さかひにやはらぎをあたへ いと嘉よき麥むぎをもて汝なんぢをあかしめたまふ 15 ヱホバはそのいましめを地ちにくだしたまふ その聖󠄃言みことばはいとすみやかにはしる 16 ヱホバは雪󠄃ゆきをひつじの毛けのごとくふらせ霜しもを灰󠄃はひのごとくにまきたまふ 17 ヱホバは氷こほりをつちくれのごとくに擲なげうちたまふ たれかその寒󠄃冷さむさにたふることをえんや 18 ヱホバ聖󠄃言みことばをくだしてこれを消󠄃とかし その風かぜをふかしめたまへばもろもろの水みづはながる 19 ヱホバはそのみことばをヤコブに示しめし そのもろもろの律法おきてとその審判󠄄さばきとをイスラエルにしめしたまふ 20 ヱホバはいづれの國くにをも如此かくあしらひたまひしにあらず ヱホバのもろもろの審判󠄄さばきをかれらはしらざるなり ヱホバをほめたたへよ〘849㌻〙
 1104㌻ 

第148篇

1 ヱホバをほめたたへよ もろもろの天てんよりヱホバをほめたたへよ もろもろの高たかき所󠄃ところにてヱホバをほめたたへよ 2 その天使󠄃みつかひよみなヱホバをほめたたへよ その萬軍ばんぐんよみなヱホバをほめたたへよ 3 日ひよ月󠄃つきよヱホバをほめたたへよ ひかりの星ほしよみなヱホバをほめたたへよ 4 もろもろの天てんのてんよ 天てんのうへなる水みづよ ヱホバをほめたたへよ 5 これらはみなヱホバの聖󠄃名みなをほめたたふべし そはヱホバ命めいじたまひたればかれらは造󠄃つくられたり 6 ヱホバまた此これ等らをいやとほながに立たてたまひたり 又󠄂またすぎうすまじき詔命みことのりをくだしたまへり 7 龍󠄇たつよ すべての淵ふちよ地ちよりヱホバをほめたたへよ 8 火ひよ霰あられよ雪󠄃ゆきよ霧きりよみことばにしたがふ狂風あらしよ 9 もろもろの山やまもろもろのをか實みをむすぶ樹きすべての香柏かうはくよ 10 獸けものもろもろの牲畜けだものはふもの翼󠄅つばさある鳥とりよ 11 地ちの王わうたち もろもろのたみ 地ちの諸侯きみたちよ 地ちのもろもろの審士さばきびとよ 12 少わかきをのこ 若わかきをみな 老おいたる人ひと をさなきものよ 13 みなヱホバの聖󠄃名みなをほめたたふべし その聖󠄃名みなはたかくして類たぐひなく そのえいくわうは地ちよりも天てんよりもうへにあればなり 14 ヱホバはその民たみのために一ひとつの角つのをあげたまへり こはそのもろもろの聖󠄃徒せいとのほまれ ヱホバにちかき民たみなるイスラエルの子輩こらのほまれなり ヱホバを讃稱󠄄ほめたたへよ

第149篇

1 ヱホバをほめたたへよ ヱホバに對むかひてあたらしき歌うたをうたへ 聖󠄃徒せいとのつどひにてヱホバの頌󠄃美ほまれをうたへ 2 イスラエルはおのれを造󠄃つくりたまひしものをよろこび シオンの子輩こらは己おのが王わうのゆゑによりて樂たのしむべし 3 かれらをどりつつその聖󠄃名みなをほめたたへ 琴こと鼓つづみにてヱホバをほめうたべし 4 ヱホバはおのが民たみをよろこび 救すくひにて柔和にうわなるものを美うるはしくしたまへばなり
 1105㌻ 
5 聖󠄃徒せいとはえいくわうの故ゆゑによりてよろこび その寢牀ふしどにてよろこびうたふべし 6 その口くちに神かみをほむるうたあり その手てにもろはの劍つるぎあり 7 こはもろもろの國くにに仇あたをかへし もろもろの民たみをつみなひ 8 かれらの王わうたちを鏈くさりにてかれらの貴人きにんをくろかねの械かせにていましめ 9 錄しるしたる審判󠄄さばきをかれらに行おこなふべきためなり 斯かゝるほまれはそのもろもろの聖󠄃徒せいとにあり ヱホバをほめたたへよ

第150篇

1 ヱホバをほめたたへよ その聖󠄃所󠄃せいじよにて神かみをほめたたへよ その能力みちからのあらはるる穹蒼おほぞらにて神かみをほめたたへよ 2 その大能たいのうのはたらきのゆゑをもて神かみをほめたたへよ その秀ひいでておほいなることの故ゆゑによりてヱホバをほめたたへよ〘850㌻〙 3 ラッパの聲こゑをもて神かみをほめたたへよ 筝さうと琴こととをもて神かみをほめたたへよ 4 つづみと蹈舞をどりとをもて神かみをほめたたへよ 絃簫いとたけをもて神かみをほめたたへよ 5 音󠄃ねのたかき鐃鈸ねうはちをもて神かみをほめたたへよ なりひびく鐃鈸ねうはちをもて神かみをほめたたへよ 6 氣息いきあるものは皆みなヤハをほめたたふべし なんぢらヱホバをほめたたへよ〘851㌻〙
 1106㌻